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/tachiha/ - たちは板κ

リレー小説用
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508c26a0 No.3889[Reply]

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32108deb No.4306

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98bc4b97 No.4367

(やばい、やばすぎるだろ、あのオーナー!!)
更衣室の冷房がガンガンに効いているはずなのに、俺の背中からは嫌な汗が止まらなかった。
「ほらレイカちゃん、ボーッとしてないで! スポンサー挨拶行くわよ!」
「あ、はいぃっ! 今行きますぅ!」
慌てて新しいインナーと衣装を身につけ、先輩たちの後を追う。
向かった先は、サーキットのVIPラウンジだった。
高級なソファにふんぞり返っているのは、チーム・ファントムのスポンサーである恰幅の良い中年男性たちだ。
「おお、この子が噂の新人ちゃんか! 確かにこりゃあ極上だ」
「初めましてぇ、レイカですぅ。よろしくお願いしますっ」
愛想笑いを浮かべて頭を下げると、スポンサーの一人が俺の隣の席をポンポンと叩いた。
「まあまあ、そんなところに立ってないで、こっちに座りなさい」
「えっ……あ、はい」
(ちっ、ただのキャバクラじゃねえか)
心の中で悪態をつきながら腰を下ろすと、案の定、脂ぎった手が俺の太ももにヌルリと這ってきた。
「ひゃっ!?」
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d3d44725 No.4862

※ 2026/09/13(日)14:25:18 No.4367 以降、音沙汰ないので、続き期待しています。

13a0db1d No.4985

「治療と指導、か……ふふ、断る理由はないよね?」
逃げ場のない壁ドン。鬼頭の顔がすぐ目の前まで迫り、低く甘い声が耳朶を揺らす。
皮スーツの神経センサーがその呼気を感知し、俺のうなじにゾクゾクとした悪寒――いや、甘美な痺れを走らせた。
(やばいやばいやばい! 身体が……手が勝手に鬼頭の胸板を押し返そうとしながら、指先でシャツの布地をキュッと掴んじまってる!? なんだこの乙女チックな反応はー!?)
「あっ……あの、お話ならここで……っ」
「こんなところで大事な『指導』ができると思うかい? ほら、車を用意させてある」
鬼頭の強い手が俺の細い手首を掴む。
強引だが、どこか優しさを孕んだその力加減に、俺の脳は完全にバグを起こしていた。
男の力には到底叶わない身体。
引っぱられるがまま、俺は関係者用駐車場に停められた黒塗りの高級セダンへと連行されてしまった。


高級セダンの後部座席。
静まり返った車内で、鬼頭の隣に座る俺の心臓は、壊れたエンジンのように高鳴っていた。
(どうする、どうする城ヶ崎タケル!? この車がガレージに着いたら最後、絶対にお仕置き(意味深)という名の拷問が待ってるぞ! ポケットの中のUSBメモリだけでもなんとか……)
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13a0db1d No.4986

必死に心の中で叫ぶが、数千万円の精密皮スーツは「よりリアルな快感とリアクション」を追求する欠陥仕様(あるいは変態仕様)だった。
鬼頭の手の温もりが、皮膚から肉へ、肉から骨へ、そして脳の最も深い部分へと染み渡っていく。

「んっ……あっ、あ……オーナー、あの……っ」
「可愛い声だ。……ピットウォークでも、男たちの視線を集めていただろう? 君は、見られることに悦びを感じるタイプのようだね」
「違っ……ちが、いますぅ……っ!」
首を振って否定するが、真っ赤になった顔と、うっすらと涙を浮かべた瞳が説得力を皆無にしていた。
「ガレージに着いたら、まずはその衣装を脱いでもらおうか。エンジンの構造を学ぶには……もっと『素直な姿』になってもらわなければ困るからね」
鬼頭の口元に、残虐で妖しい笑みが浮かぶ。
(脱がされる!? 待て、脱がされたら皮スーツのファスナーが見つかるか、最悪の場合、このスーツ自体が俺の「本当の皮膚」として扱われてもっとヤバいことになるんじゃねえのか!?)
キーッ、と音を立てて車が停車した。
重厚なシャッターが開き、車は薄暗いプライベートガレージの中へと滑り込んでいく。
「さあ、着いたよ、レイカ。……秘密の課外授業を始めよう」
ドアが開けられ、鬼頭が先に降りて、俺に手を差し伸べる。
逃げ場は、もうどこにもなかった。
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c69bf224 No.4269[Reply]

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6970b916 No.4970

「——で、どこをどう見ても、お前は今日から我が家の自慢の末娘、美羽ちゃんなわけだな」
朝の薄明かりが差し込むダイニングルーム。
トーストをかじりながら、我が家の父親——白石 健次郎(しらいし けんじろう)が、新聞のスポーツ欄からわずかに視線を動かして俺を一瞥した。
その目は、昨日まで息子だったはずの存在を見る目ではなく、テレビの向こうの天気予報でも見るかのような、完全に大気圏外へ漂う「空気」のそれだった。
「お父さん、ちょっと! 美羽に向かってそんな変な言い方しないでよ! せっかく昨日、一生懸命お姉ちゃんが可愛いリボンの結び方を教えてあげたっていうのに!」
すかさず声を荒げたのは、我が家の第一子にしてファッション誌を毎月購読する大学二年生の姉・白石 綾乃(あやの)だ。
彼女は今、自分のことのように目を輝かせ、目の前に座る「美羽」——つまり俺の姿を上から下まで舐め回すように観察している。
「いいじゃないの、お父さんは。ねえ、美羽? 昨日の夜、お姉ちゃんと一緒にお風呂に入った時、肌のモチモチ具合に感動しちゃったんだけど、いったいどんな化粧水使ってるわけ? あ、教えなくていいか、私が全部プロデュースしてあげるから!」
「ちょ、お姉ちゃん、近い近い! 泡立てネットの使い方なら昨日マスターしたから大丈夫だってば……って、声! また裏返った! これじゃ男だってすぐバレるだろ……!」
「あはは! 美羽ちゃん、そんな高い声を出さなくても可愛いから大丈夫よ〜。ねえ、お母さん、この子本当にかわいい。私が産んだ子だけど、神様が最高傑作を間違えてうちの戸籍に放り込んだとしか思えないわ!」
頭上で母親が嬉し涙を拭う真似をしながら、俺のサラサラとした黒髪をこれでもかとブラシで梳いていく。
鏡を見た時のショックから立ち直り、どうにか現実を受け入れざるを得なくなった俺——白石 疾風(改め、美羽)は、朝からこの女三人(母、姉、そして「中身」を忘れた肉体)の圧倒的な熱量に押し潰されかけていた。

6970b916 No.4971

昨日の今日だ。
「息子が突然、アメリカの超名門ボーディングスクールに特待生として留学することになった。代わりに、遠い親戚の美少女・美羽ちゃんが我が家に居候することになった」という、親戚一同を巻き込んだ壮大かつ強引な設定の裏工作が、両親の政治力(主に母の脅し文句)によって夜を徹して完了させられていた。
ご近所さんや学校への連絡も、「疾風は急な留学でバタバタと発った。代わりに、身寄りのない従妹の美羽ちゃんを預かることになったの」というシナリオで統一済みだ。
つまり、この家は昨日までと変わらず「俺の家」なのだが、そこでの立ち位置だけが「息子」から「居候の美少女(従妹)」へと一八〇度すり替わってしまったのである。
「ほら、美羽ちゃん、じっとして! 前髪の分け目がちょっと右に寄ってるわ。この絶妙なシースルーバングが、今時の男子……じゃなくて、女子高生のモテの命綱なんだから!」
「お母さん、それさっきから何回目だよ……。学校に遅刻するって。ていうか、本当に神崎さんが迎えに来るのかよ。昨日、あんな劇的な告白をされて、今日からいきなり一緒に登校とか、心臓のキャパシティが全壊するんだけど!」
「あら、いいじゃない。あの子、神崎家の凛ちゃんでしょ? お父さんも昔、あそこのお父さんと仕事で一緒になったことがあるけど、おとなしくて品行方正ですごいお嬢さんだって評判だったわよ。そんな子がわざわざうちの美羽ちゃんを迎えに来てくれるなんて、お母さん感激しちゃう。青春ねえ……」
母は満足げにうっとりとした表情を浮かべる。
——いや、違うんだよお母さん。その「品行方正なお嬢さん」は昨日、俺(中身・元男子)に対して顔を真っ赤にして「一目惚れした」と人生最大級の愛の告白をキメてきた爆弾なのだ。
そんな危険人物と朝から密室(通学路)で二人きりになるとか、ちょっとした拷問に近い。

6970b916 No.4972

「ほら、朝ご飯のホットサンド食べるわよ! 早くしないと、せっかくお姉ちゃんが昨日焼いた自家製パウンドケーキが泣いちゃうから!」
「姉貴、それ昨日から三回目……ていうか、重い! 朝から糖分過多で胃もたれする!」
「いいの! 女子はね、朝から甘いものを優雅に嗜む生き物なの! ほら、あーんしてあげるから口開けなさい!」
「自分で食えるわっ!」
相変わらずの賑やかすぎる家族のやり取りを横目に、父親だけが新聞のページをめくる音をカサリと響かせながら、ボソッと呟いた。
「……まあ、息子の時は無口で仏頂面だったから、こうして華やかな女の子が食卓にいると、居間が明るくなっていいもんだな」
「お父さん、それ聞こえてますからね!? 俺は今までどんな顔して生きてたんだよ!」
「ふっ、我が家の新しいアイドル、美羽ちゃんの健闘を祈る」
「空気のくせにいいとこ取りすんな!」
やれやれ、とばかりに肩を落としたその瞬間。
『ピンポーン』
玄関のインターホンが、静かな住宅街の朝の空気を切り裂くように鳴り響いた。
「「「あっ……!」」」
ダイニングの空気が一瞬で凍りつく。
母と姉は目を見合わせ、次にスローモーションのようにピキピキと首を曲げて、俺を振り返った。
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6970b916 No.4973

我が家の女性陣の機動力が異常に高い。
ガチャリ、と玄関の扉が開く音がして、続いて上品で澄んだ、聞き覚えのある声がリビングまで響いてきた。
「おはようございます……。白石さんのお宅で、間違いないでしょうか。あの、昨日お約束した……美羽さんを、お迎えに上がりました」
——来た。
心臓がバクバクと暴れ回り、喉元までせり上がってくる。
俺は慌てて制服のスカートの裾を引っ張り、椅子から立ち上がった。
チェックのプリーツスカートが膝上を少し揺らし、慣れないローファーの感触が足元から伝わってくる。
「凛ちゃん、いらっしゃい! もう、わざわざ迎えに来てくれるなんて、美羽も幸せ者ねえ。さあ、中に入って入って!」
「あ、ありがとうございます……失礼します」
母に案内され、リビングの入り口にスッと姿を現したその少女は、やはり今日も息を呑むほど美しかった。
きっちりと着こなした冬服のセーラー服、その胸元には学校指定のリボン。すらりと伸びた足には黒いハイソックス。
そして銀縁の眼鏡の奥にある整った涼しげな瞳が、リビングの中をゆっくりと見渡し——そして、俺の姿をとらえた瞬間、ピタリと止まった。
「…………っ」
神崎瑠璃の息が、わずかに詰まったのが分かった。
彼女はゆっくりと歩を進め、俺の目の前までやってくると、その完璧な顔をさらに赤らめながら、目を丸くした。

6970b916 No.4974

「おはよう、美羽さん……。その、髪型……すごく、似合ってる。昨日はポニーテールだったけど、今日はハーフアップなんだね……とっても、可愛い」
昨日告白されたばかりの相手から、至近距離でそんな直球の褒め言葉を浴びせられ、俺の顔面の温度は一気に沸点へと達した。
やばい、顔が赤い。絶対に変に照れてる女子みたいになってる。いや、今の俺は正真正銘の女子なんだけどさ!
「お、おはよう、神崎さん……! ええと、その、お迎えありがとう……わざわざ待たせちゃってごめんね!」
あ、やっちまった。声がちょっと低くなった。
慌ててトーンを上げようと「ひゃいっ!」みたいな変な裏声を絞り出すと、神崎さんはなぜか愛おしそうに目を細め、ふわりと柔らかく微笑んだ。
「ううん、全然待ってないよ。むしろ、こうして朝から美羽さんと一緒に登校できるなんて……私、夢みたいで、ずっと胸がドキドキしっぱなしなの」
(ドキドキしてるのはこっちだよ!!!)
心の底から絶叫しながら、俺は背後で母と姉が「きゃあ! 青春! 尊い!」と無言でガッツポーズをしている気配を背中に受け止めた。
こうして、アメリカへ行ったことになっている「元・俺」の留守を預かる美少女・白石美羽としての、波乱万丈すぎる二日目の朝が幕を開けたのだった。



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f31c8472 No.4312[Reply]

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e60211ea No.4954

「はい、お疲れ様レン。……で、どうだったの? 打ち上げ」
「どうだったもこうだったもないよ! プロデューサーが隣にベッタリ座ってさ、膝とか肩とか触ろうとしてきたんだぞ!?」
「えぇっ!? スケベオヤジじゃん! 大丈夫だったの!?」
「僕の危機管理能力をなめるな。土壇場で『二日酔いで吐く演技』をして、プロデューサーをドン引きさせて逃げてきた」
「あはははは! 吐く演技!? やだ、私のイメージがぁー!」
「誰のせいでそんな演技したと思ってんだ! ていうか、今日のステージも大成功で、プロデューサーも加藤さんも『次のメインプロモーションも美羽ちゃんで決まり』って大絶賛だったぞ」
僕がドヤ顔で報告すると、美羽は一瞬ぽかんとした後、パーッと顔を輝かせた。
「ほんとに!? マジで!? レン、すごーい!! ありがとぉぉぉっ!!」
感極まった美羽がぎゅっと抱きついてくる。
……のだが、自分の顔をした女子(美羽)に、自分の顔をした女子(僕)が抱きつかれている構図は、冷静に考えて相当カオスだ。
「わかった、わかったから離れろ! 酒臭いし、僕も今日は全身汗と香水でベタベタなんだよ。早く服脱いでラクになりたい……」
そう言ってニットの裾に手をかけると、美羽が「あ!」と何かを思い出したように声を上げた。

「ねえレン! 私、さっきまで寝汗すごかったし、二日酔いの気持ち悪さ流したいから、お風呂入りたいんだけど……」
「おう、じゃあ先に入れよ。僕は着替えてから入るから」
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e60211ea No.4955

「じゃあ、背中のジッパー下ろすね〜」
「……うう、頼む」
脱衣所の鏡の前で、美羽が僕の背後に回り、白ニットのジッパーをゆっくりと下ろしてくれる。
「わ……なんか、自分の背中を自分で脱がせてるみたいで変な感じ(笑)」
「笑い事じゃないだろ。僕なんて今、鏡に映ってる自分の姿(美羽)と、後ろにいるお前(美羽)で、脳の処理が追いついてないんだぞ……」
「あはは! でもさ、レン……今日、本当にありがとね。私のために嫌な思いしてまで代役やってくれて」
ジッパーが下がりきり、ニットが肩からハラリと落ちる。鏡越しに美羽と目が合った。美羽の表情は、いつになく真剣で、温かい感謝に満ちていた。
「……別に。お前が困ってたから当然だろ。彼氏だし」
僕が照れ隠しにそっぽを向くと、美羽はくすっと笑って、僕のブラジャーのホックをパチンと外してくれた。
「ふふ、やっぱりレンは優しいね。……よしっ、服脱げたよ! お湯冷めないうちに入ろ!」
「う、うむ……」
服を脱ぎ捨て、僕たちは二人で浴室へと足を踏み入れた。
湯気が立ち込める浴室の中、浴槽には温かいお湯が並々と注がれている。

e60211ea No.4956

美羽が先に湯船に入り、「はぁ〜〜……極楽……」と脱力した声を上げた。
「レンも早く入りなよ。足、相当痛かったでしょ?」

「……失礼します」
僕はまだ美羽の姿のまま、そっと湯船に足を浸した。
足裏の激痛が温かいお湯に溶け出していくようで、思わず「くはぁ……」とオジサンみたいな吐息が漏れてしまう。
「あはは! 可愛い顔してオジサンみたいな声出さないでよ!」
「うるさいな。今日一日、どれだけ緊張してヒール履いてたと思ってんだ」
狭いアパートの浴槽で、僕と美羽は向き合うようにして肩までお湯に浸かった。
目の前には、スウェットを脱いですっぴんになった本物の美羽。そしてお湯に映るのは、美羽の姿をした僕。
「……ねえレン」
美羽がお湯をパシャパシャと弄りながら、僕の顔をじっと見つめてきた。
「なに?」
「自分の顔が目の前にあるの、すっごく不思議な感じだけど……なんだかちょっとドキドキする」
「……は? 自分が相手でドキドキすんのかよ」
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e60211ea No.4967

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e60211ea No.4968

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029a0dfb No.4441[Reply]

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856fcfd8 No.4778

けれど――
(よし! 学校も思いっきり満喫したし、授業もバッチリ受けた!)
放課後のチャイムが鳴り響くと同時に、俺は誰よりも早く荷物を鞄に詰め込んだ。

学校での青春も最高だが、俺にはこの後に待ち受けている「本番」があるのだ。
そう、今朝お姉ちゃんと交わした、絶対に破れない固い約束。
『今日、葵がちゃんと学校に行って頑張って帰ってきたら……一緒にお風呂に入ろっか?』
「由紀恵、みんな、バイバイ! 私、今日は急いで帰るから!」
「えっ、葵もう帰るの!? 部活見ていかないの~?」
「大事な用事があるの! また明日ねー!」
クラスメイトたちの呼び止める声を背に、俺は教科書が詰まったカバンをギュッと抱きしめ、夕焼けに染まる通学路を全力で走り出した。
待っていてくれ、紗香お姉ちゃん!
53歳(現・女子高生葵)の俺が、今最高の笑顔で帰るからね――!!

856fcfd8 No.4803

「ただいまーっ!」
夕焼けに染まる玄関のドアを元気よく開け、俺――川立葵は弾んだ声で帰宅を告げた。
だが、返ってきたのは静まり返った廊下の静寂だけだった。
(あ、そっか。紗香お姉ちゃん、今日は大学の講義と実験があるって言ってたっけ。まだ帰ってきてないんだな)
リビングへ進むと、整頓された部屋に静かな時間が流れていた。
一瞬だけ「早く会いたいな」と寂しさが胸をかすめたが、すぐに俺の心は前向きな興奮へと切り替わる。
そうだ、泣いても笑っても今日は「お姉ちゃんとの一緒のお風呂」という人生最大のビッグイベントが控えているのだ。
(お姉ちゃんが疲れて帰ってきた時に、お風呂がピカピカに沸いてたら絶対喜んでくれるはず! よし、俺がお風呂掃除をして待っていよう!)
53歳の社畜時代に培われた無駄に気の利く気遣い精神を発揮し、俺はお風呂掃除を決意した。
まずは制服を脱ぎ、部屋着のジャージに着替える。
だぼっとしたネイビーのジャージ上着に、短いショートパンツのジャージ。
女子高生のラフな部屋着姿というのも、なかなかどうして乙なものである。
「よしっ! 気合い入れてピカピカにするぞー!」
腕まくりをしてバスルームに突入した俺は、洗剤とスポンジを手に取り、浴槽をゴシゴシと磨き始めた。
前世の53歳おじさんの手慣れた手つきで、壁から床、シャンプー台の裏まで徹底的に洗っていく。
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856fcfd8 No.4822

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82d1d324 No.4965

「ただいまー。ふぅ、今日の実験、長引いちゃった……」
パタパタという足音と共に、待ちに待った紗香お姉ちゃんの声が玄関から聞こえてきた。
「あっ……お姉ちゃん、おかえりなさい!」
俺は慌ててバスタオルを胸元でギュッと巻き直すと、脱衣所のドアを開けてひょっこり顔を出した。
玄関で靴を脱いでいた紗香お姉ちゃんは、俺の姿を見るなり目を丸くした。
「えっ葵!? ちょっと、どうしてバスタオル一枚なの!? しかも髪まで濡れて……寒くないの!?」
「あ、あはは……実はね、お姉ちゃんのために先にお風呂掃除をしておこうと思ったんだけど……シャワーヘッドが暴れちゃって、全身水浸しになっちゃったの……」
「えぇーっ!? 大丈夫だったの!?」
紗香お姉ちゃんはカバンを床に置くと、心配そうに駆け寄ってきた。
「怪我はない? 寒くない? もう、無理してお風呂掃除なんてしなくてよかったのに……」
「ううん、怪我はないよ! お姉ちゃんが帰ってきたら、すぐ一緒にお風呂に入れるようにしておきたかったから……」
少し気まずそうに目を上に向けると、紗香お姉ちゃんは一瞬呆けたような顔をした後、ぽっと頬を染めて破顔した。
「もう……葵ったら、私のためにそんな。可愛いなぁ、本当にっ!」
「ひゃあっ!?」
紗香お姉ちゃんは耐えきれなくなったように俺を抱きしめた。
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82d1d324 No.4966

「ふぅ~……温まるねぇ……」
「うん……生き返る……」
湯気が立ち込めるバスルーム。
俺と紗香お姉ちゃんは、大きな浴槽の中で肩を並べてお湯に浸かっていた。
(う、うわあああああ……っ! 天国……ここが天国か……!?)
前世53歳のおじさん脳が完全にパニックを起こしかけている。
隣を見れば、お湯に浮かぶ美しい黒髪と、しっとりと濡れた白い肌。
紗香お姉ちゃんの圧倒的なプロポーションが、湯気の中で余すところなく露わになっているのだ。
「葵、顔が真っ赤だよ? お風呂の温度、熱かった?」
紗香お姉ちゃんが心配そうに覗き込んでくる。目の前には豊かな胸元が迫り、甘いシトラスの香りが湯気と共に立ち上っていた。

「熱くないよ! ちょっと……お姉ちゃんが綺麗すぎるから、照れてるだけ……」
「えっ……? ふふ、なにそれ~! 葵ったら、今日はずっと甘えん坊で口上手なんだから!」
照れくさそうに笑った紗香お姉ちゃんは、俺の頭を優しく撫でると、お湯から上がって洗い場の椅子に腰かけた。
「ほら葵、おいで? お約束通り、背中流してあげる」
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3b38142d No.3621[Reply]

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794c3bb9 No.4903

「ふふ、ごめんなさいね。あまりにも可愛くて、つい見惚れちゃったわ」
レイコは名残惜しそうに指先で私の肌を撫でると、隣のラックからさらにもう一着、新しいお召し物を取り出してきた。
「さあ、この下着の上に、これを着てみて? あなたのために選んだ、とっておきの新作なの」
手渡されたのは、パステルブルーの優しい色合いをした、クラシカルなフレアワンピースだった。
胸元には小ぶりのリボン、袖口には控えめなレースがあしらわれており、先ほど身につけたレース下着のラインを崩さない、絶妙なカッティングが施されている。

「えっ……これも、着ていいんですか……?」
「勿論よ。それもあなたへのプレゼント。さあ、着替えていらっしゃい」
「はい……! ありがとうございます……!」
私はぺこりと頭を下げ、再びフィッティングルームへと戻った。
隠しカメラとマジックミラーの前で、おどおどと恥ずかしがりながら新しいワンピースに袖を通す。
下着の豊かな膨らみがきれいに収まり、鏡の中には、どこからどう見てもお嬢様学校に通う可憐な文学少女が完成していた。
フィッティングルームから出ると、レイコは満足そうに目を細め、拍手を送ってくれた。
「完璧だわ、アヤカちゃん。さて、たくさんお着替えをして疲れたでしょう? あちらで温かいお茶でも飲みましょうか」
「はい、お腹も少し空いちゃいました……」
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794c3bb9 No.4904

レイコは自ら銀のティーポットを手に取り、優雅な手つきで透き通った琥珀色の紅茶をカップに注いでくれた。
「どうぞ。ダージリンの最高級茶葉を使っているの。心が落ち着くわよ」
「わあ……すごくいい香り……いただきます」
上品な磁器のカップを受け取り、両手で包み込むように持ち上げる。
湯気とともに漂う芳醇な香りを確かめながら、俺の脳内の警戒アラートが静かに作動した。
(さて、この紅茶に何が入っているか、だな……)
裏社会を生き抜いてきた俺だ。
見知らぬ場所で出された飲み物を無条件で信用するほどおめでたくはない。
睡眠薬か、理性を狂わせる媚薬の類か。あるいは、ただの上質な紅茶か。
カップの縁に唇をつけ、舌先にほんの少量だけ紅茶を含ませる。
体温で温めながら、味覚と嗅覚を研ぎ澄ませて成分を探った。
……苦味の違和感も、妙な甘みも、薬剤特有の痺れるような舌触りもない。
ただの上質なダージリンの風味と、深いコクが口いっぱいに広がるだけだ。
(ふむ……問題なさそうだな。初手からそんな安直な手を使う気はないらしい)
コクリと一口飲み込み、ほっとしたように息をついてみせる。
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794c3bb9 No.4905

お前が必死に張り巡らせているその甘い蜘蛛の巣も、レイコ社長という己のプライドも、その全ては俺(キヨヒコ)という男の掌の上で転がされているに過ぎない。
お前が見ている「アヤカ」という少女は、本物の人間の肉体から剥ぎ取った精巧な『皮』であり、中身は獲物の財布を狙う冷徹な男なのだから。
相手が男だろうと女だろうと、己の欲望のために金を惜しまない奴らは、俺にとって最高の飼い犬だ。
「レイコさん……私、こんなに良くしてもらったの、生まれて初めてです……」
私はカップを置き、両手を胸の前でキュッと握りしめ、感動に打ち震えるような声を絞り出した。
「お洋服も、こんなにたくさん……私、どうやってお返ししたらいいのか……」
「お返しなんて気にしなくていいのよ、アヤカちゃん。あなたが私に見せてくれる笑顔と、その可憐な姿だけで、私は十分に満たされているんだから」
レイコは愛おしそうに私の頬に手を伸ばし、親指で優しく撫でた。
その手つきには、隠しきれない独占欲と、これからこの少女をどう料理してやろうかという暗い欲望が宿っていた。
「でもね……もし本当に感謝してくれるなら、また私のサロンに来てちょうだし? 次はもっと素敵なジュエリーや、あなたのための特別なお部屋も用意してあげるわ」
「えっ……お部屋まで……!? そんな、悪いです……!」
「いいのよ。私はあなたに、最高の贅沢を知ってほしいの」
(ほう……ジュエリーに、専用の部屋、か。予想以上に太い客になりそうだな)
レイコの熱い視線を受け止めながら、俺は困惑と歓喜が入り混じったような完璧な表情を作り上げた。
この女社長が毒牙を剥こうと仕掛けてくるその瞬間まで、俺は無知で可憐な美少女を演じ続けてやる。
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794c3bb9 No.4959

「それじゃあアヤカちゃん、今日は車で送り届けてあげるわね」
紅茶を飲み終えると、レイコは愛おしそうに私の髪を撫で、専用の運転手が待つ高級外車へと案内してくれた。
後部座席に積み込まれたのは、今日着せ替え人形のように試着した数々の上質な服と、あの特注のレース下着が入ったいくつもの高級ブランドの紙袋。
「ありがとうございます、レイコさん……。こんなにたくさん、本当に夢みたいです……」
「ふふ、夢なんかじゃないわ。次に来る時は、もっと驚くようなプレゼントを用意しておくから楽しみにね」
車のドアが閉まり、滑らかに発進する。
車窓の外で微笑みながら手を振るレイコ姿が遠ざかっていくのを見届けた俺は、ゆっくりと背もたれに体を預けた。
「ふぅ……」
丸眼鏡を外し、指先でブリッジを弄びながら、アヤカの可憐な声で小さく息を吐き出す。
(とりあえず、第一段階は完璧だな)
運転手には、五つ目のセーフティハウスがあるエリアの近くにある、適当な高級ホテルのエントランスを目的地として告げてある。
車を降りたら、監視の目を巧みに巻いてセーフティハウスへと潜り込み、この山のような戦利品を査定に出す算段だ。
服も下着も、桐島レイコのアパレルブランドが手掛けた限定品や特注品ばかり。裏のルートに流せば、それだけで数百万円単位のまとまった現金になる。
(あの女、完全に『無知な美少女を飼い慣らしている』気でやがる)
隠しカメラにマジックミラー、そして甘い言葉と贅沢なプレゼント。
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794c3bb9 No.4960

手っ取り早く身体を求めてくる男は、一度のデートで引き出せる額に限界があるし、逃げるタイミングも早くなる。
しかし、レイコのように「じっくりと育ててから喰う」タイプの人間は、目的を果たすまでのプロセスそのものに巨額の資産を惜しみなく投じるのだ。
(次は『特別なお部屋』と『ジュエリー』だったな……)
セーフティハウスに到着し、重厚な扉を解錠して中に入る。
部屋の中央にブランドバッグや服を並べ、俺は首筋の裏側に指を滑り込ませた。
じわり――と馴染んでいた皮膚が浮き上がり、滑らかな音を立てて『アヤカの皮』が剥がれていく。
骨格が軋み、筋肉が再構成され、体重がズシリと重みを増していく。
数秒後、鏡の中に立っていたのは、本来の俺――むさ苦しい男の肉体を持ったキヨヒコだった。

「くはっ……やっぱり、自分の身体が一番落ち着くな」
全裸のままウイスキーをグラスに注ぎ、氷をカランと鳴らす。
床に落ちたアヤカの皮を丁寧にケアし、暗室の専用ケースへと収めた。
スマホを取り出すと、案の定、レイコからメッセージが届いていた。
『無事に着いたかしら? アヤカちゃんが帰ってしまって、サロンが急に寂しくなったわ。来週、あなたのために用意した新しいサロンの鍵を渡したいの。時間を空けておいてね』
「鍵、ねぇ……」
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b464d950 No.4480[Reply]

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07c04196 No.4909

昭和の時代、ハゲ散らかして加齢臭を気にしていた中年オヤジが、いまやこんなに可愛らしいレースやフリルの下着を選び、自分の身体をドレスアップできるのだ。
女の子として生きているという実感が、この小さな布地一枚からひしひしと伝わってくる。
(嬉しい……嬉しいけど、やっぱりメチャクチャ恥ずかしいよ!!)
「うーん、今日は普通の授業だし、制服に響かないシンプルなやつがいいかな……」
一人でブツブツと呟きながら、薄いベージュピンクのシンプルなブラジャーを手にとる。
つるりとしたシルキーな肌触りで、中央に小さなリボンがついているデザインだ。
(これならブレザーを着ても目立たないし、理香の記憶でも『学校の日用』って感じだ)
意を決してパジャマのボタンを外す。
朝日を浴びる自分の素肌。胸の膨らみを包み込むように、慎重にブラジャーを着用する。
背中のホックを留める動作も、理香の身体の記憶が勝手に動いてスムーズに完了した。
パチン、とホックが留まる心地よい感覚。

「ふぅ……しっかりとフィットした……」
胸元がキュッと持ち上げられ、きれいなシルエットが作られる。
鏡の前に立つと、ブラジャーの上にブレザーとスカートを合わせた「どこからどう見ても完璧な女子高生」の姿があった。
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07c04196 No.4910

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07c04196 No.4944

トントン、とリズムよく階段を駆け下りてダイニングへ向かう。
キッチンからは香ばしいお味噌汁の匂いと、鮭が焼き上がるジューシーな香りが漂っていた。
「おはよう、理香。今日はちゃんと起きられたじゃない」
「おはよう、お母さん!」
テーブルの上に並べられていたのは、炊きたての白いご飯、豆腐とワカメのお味噌汁、焼き鮭、そして綺麗な黄色いだし巻き卵。
昭和の田中健二時代、朝といえばコンビニの缶コーヒーを胃袋に流し込むか、せいぜい立ち食いそばを掻き込む程度だった。
自分のために誰かが温かい朝食を作って待っていてくれる――そんな当り前の幸せが、胸にしみるほど温かい。
「いただきまーす!」
手を合わせ、お味噌汁を一口すする。
出汁の旨味が体にじんわりと広がっていく。
(美味い! なんだこの身に染みる美味さは。誰かが作ってくれた朝ごはんって、こんなに温かくて美味しいものだったのか……)
「ふふ、なによ理香。そんなに美味しそうに食べて。いつもと同じメニューでしょ?」
「ううん! すっごく美味しいよ、お母さん!」
満面の笑みで答えると、お母さんは少し驚いた顔をしてから、嬉しそうに目を細めた。
ペロリと完食し、「ごちそうさまでした!」と元気に挨拶をする。
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07c04196 No.4946

鏡の中の「制服姿の私」に納得の笑みを浮かべた、まさにその時――。

ピンポーン♪ ピンポーン♪

静かな家に、玄関のチャイムが響き渡った。
「理香ー! お友達が迎えに来てくれたわよー!」
「えっ、もう来たの!?」
私は急いでサブバッグをつかみ、玄関へと走った。ローファーに足を滑り込ませ、ドアをパカッと開ける。
そこには――昨日のハロウィンで狂乱の一夜を共にした、あの二人が立っていた。
「理香〜! おはよ〜〜!」

「おはよっ! 今日も超気持ちいい〜!」
ブレザーに短いチェックのスカート、そしてカーディガンを羽織った、完璧な「制服姿」のゆずにあおいだった!
昨日の黒猫コスプレとピンクナース服も破壊力抜群だったが、朝の光を浴びた清楚な制服姿の二人は、これまた眩しすぎるほどに可愛らしい。
「ゆず! あおい! おはよー! 迎えに来てくれたの!?」
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07c04196 No.4951

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c9cdea5d No.3331[Reply]

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b71eb863 No.4917

眩しい朝の光がカーテンの隙間から差し込み、私はゆっくりと目を覚ました。
「ん……あ……」
重い頭を持ち上げると、そこはリビングのソファの上だった。
昨夜、スマホを握りしめたまま寝落ちしてしまったらしい。
ふと自分の身体を見下ろすと、昨日の淡いブルーのワンピースを着たまま。
メイクも落とさず、シャワーすら浴びずに眠ってしまったことに気づく。
ドームライブで流した汗と昨日の疲労が残っていて、肌には不快な粘つきがあった。
「うぅ最悪。とにかくお風呂入らなきゃ……」
体を起こすと、少し頭がクラクラする。だが不思議なことに、どこにバスルームがあるのか、タオルやシャンプーがどこに収納されているのか、体が吸い寄せられるように自然と理解していた。
男だった頃の記憶と混乱しながらも、華としての「生活の記憶」が何ひとつ淀みなく脳内に浮かんでくるのだ。
まずは着替えを用意しようとウォークインクローゼットへ向かう。
ずらりと並んだ華やかな服の奥にある引き出しを開けると、そこには綺麗に整理された色とりどりの可憐な下着たちが収められていた。
「うっ……」
男の記憶が反射的に一瞬ドギマギするものの、指先は躊躇なく動き、さらりとした手触りの入イエローのブラジャーとショーツを迷いなくピックアップした。
まるで何千回も繰り返してきた日常の動作のように、自分の体型にぴったりの下着を自然と選び取れている。
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b71eb863 No.4918

シャワーヘッドから温かいお湯が勢いよく噴き出し、頭上から全身を包み込んでいく。
「ふぁ、気持ちいい……」
思わず吐息が漏れた。
男の頃とは違う、繊細で敏感な皮膚の感覚。
温水が肌を滑り落ちる感触が、心地よい痺れとなって身体中に広がっていく。
ボディーソープのボトルを手に取り、泡立てネットでモコモコの泡を作る。
その動作も一切の迷いがない。
華が普段使っているフローラルで甘い香りの洗顔料とボディーソープの匂いがバスルームいっぱいに満ちていく。

手にたっぷりの泡を乗せ、自分の身体へと滑らせていく。
首筋から鎖骨へ、そして胸のふくらみ、小さなお腹、太ももへ――。
(自分で自分の身体洗ってるだけなのに、なんか凄くドキドキする……!)
指先が女性らしい柔らかい曲線に触れるたび、男としての意識が激しく跳ね上がる。
だが同時に、華の記憶が『ここもしっかり洗わないと肌荒れしちゃう』と冷静に指示を出してくるのだ。
パニックと慣れが奇妙に混ざり合いながら、胸やデリケートな部分まで丁寧に泡で洗い上げていく。
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b71eb863 No.4919

ブラのホックを背中で止める感覚すら、手が自然と覚えていて完璧にこなせてしまった。
部屋着の柔らかいパジャマに袖を通すと、驚くほど身体が軽くなっていることに気づく。昨夜の疲労と混乱が、温かいシャワーと一緒に綺麗に洗い流されたようだった。
その時、リビングに置いたスマホが「ピコン!」と甲高い通知音を立てた。
液晶画面を見ると、マネージャーからのメッセージが表示されていた。
『華、おはよう! 昨日はゆっくり休めたか? 例の明後日の『週刊グラビア』の水着ロケ、ロケバスのピックアップ時間と詳しいスケジュールの共有だ。確認よろしく!』
鏡に映る濡れた髪の美少女――白咲華は、スマホ画面を見つめながらゴクリと唾を呑み込んだ。

b71eb863 No.4947

マネージャーからの通知画面を見つめながら、私はぽんぽんと画面をタップしてメッセージを入力した。
『おはようございます! 昨日は本当にありがとうございました!
スケジュール確認しましたっ!水着ロケ、とびっきり可愛く撮ってもらえるように気合入れて頑張りますっ!楽しみです♪』
アイドル・白咲華としての完璧な文面と可愛い絵文字。
男だった頃なら逆立ちしても送らないようなメッセージだが、華の記憶と指先の感覚が自然とこれを打ち込ませていた。
送信ボタンを押してから、「よし……これで返信はバッチリ」と小さく息をつく。
そのまま脱衣所のドレッサーへと向かい、モーニングルーティンを開始した。
髪をドライヤーで乾かしながら、華の肌ケアの手順を思い出す。化粧水を手に取り、優しく肌に押し込むようにパッティング。
続いて美容液、乳液と重ねていく。男だった頃は洗顔後にバシャバシャと安い化粧水を塗るくらいだったのに、指先が吸い付くようなもちもちの素肌に仕上がっていく快感に、少しクセになりそうな感覚を覚える。
「女の子のお手入れって、こんなに手間がかかるけど……なんか気持ちいいな」
スキンケアを終え、リビングに戻ったところでスマホが「ピコン!」と鳴った。
マネージャーからの返信だ。
『華、緊急連絡! 今日予定していたTVドラマの撮影なんだけど、ロケ先の天候不良とスタジオ調整で急遽【延期】になった!
ということで、今日はまるまるオフ(全休)だ! 昨日のドームライブの疲れもあるだろうし、家でゆっくり休んでくれ! 明日のグラビア準備だけよろしく!』
「え……オフ……!?」
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b71eb863 No.4948

優雅な朝食を終えた私は、「よし、せっかくのオフだし街へ出かけよう!」と立ち上がった。
目的地は――男のままだったら絶対に行けなかった、女の子だけの特別な場所。
でも、その前に大きな問題があった。
この1日半、アイドル・白咲華の記憶と身体に流されるまま、自然と可憐な振る舞いやスキンケアをこなしてしまっていた。
このままだと、俺という男の意識が完全に「華」という存在に飲み込まれて消えてしまうんじゃないか……そんな漠然とした恐怖が胸をよぎる。
(あかん、少しだけでも『男としての俺』を主張しておかないと、本当に完全に女の子になっちゃう……!)
抵抗を試みるべく、私はクローゼットと下着の引き出しに向かった。
華の記憶が「清楚で可愛い淡い色」を勧めようとするのを必死に抑え込み、男の趣味全開でコーディネートを選ぶことにした。
引き出しの奥をガサゴソと探り、見つけたのは黒のシックなレースの下着。
「男なら……やっぱりこういう大人っぽくてセクシーな黒下着が一押しだろ!」と、男目線の好みを100%反映させてチョイスする。
自分の身体に黒レースを身につける背徳感に顔が熱くなるが、「これは俺の趣味だ」と自分に言い聞かせた。
続いて服のチョイスだ。華が普段着るようなフリルやパステルカラーのワンピースは封印。
男の俺が好きだった「ストリート系のクールな女子の服装」を目指すことにした。
オーバーサイズの黒のブランドパーカー(ダボッとしたシルエットが男心をくすぐる)。
すっきりとしたスキニーデニム。
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44d3a966 No.871[Reply][Last 50 Posts]

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5a6086b3 No.4426

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7fd6bee3 No.4432

湯上がりの火照った肌を柔らかいバスタオルで丁寧に拭い、火照りを静めながら脱衣所の鏡の前に立つ。
バッグの底から取り出したのは、この特別な夜のために密かに準備しておいた勝負下着だ。
一見すると清楚な淡いラベンダー色だが、よく見れば繊細な刺繍レースが惜しみなく使われた、極めて攻撃的なデザイン。
ブラとお揃いのショーツに滑らかな脚を通し、ウエストまで引き上げる。
フロント部分を覆う透け感のあるレース越しには、綺麗に整えられた下の毛が微かに透けて見え、後ろを振り返ればお尻が大胆に透けて見えるシースルー構造になっていた。
(清楚な顔をして、下にはこんな淫らな仕掛けを忍ばせている。このギャップに、力也の理性が耐えられるわけがない)
ブラのホックを留め、豊満な胸を収める。鏡の中に映る自分は、どこからどう見ても男を狂わせるために作られた最高の「斉藤双葉」だ。
その上から旅館の浴衣を羽織り、帯をキュッと結ぶ。
胸元はあえて少しだけ隙間を作り、動きに合わせてレースの端がチラリと覗くように計算して整えた。
髪を軽くなでつけ、脱衣所をあとにした。
しっとりと濡れた髪から漂うシャンプーの甘い香りと、帯の下に忍ばせた密やかな毒。
廊下の畳を踏みしめるたび、足元からほのかな高揚感が湧き上がってくる。
角を曲がり、二人で過ごす離れ客室の扉が見えてきた。
「待たせたわね、力也くん」
可憐な微笑みを唇に浮かべ、俺は静かに客室の引き戸に手をかけた。
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eb169dee No.4733

客室の畳に広げられたのは、山海の幸が艶やかに彩られた極上の懐石料理だった。
伊勢海老のお造り、絶品のA5ランク和牛の溶岩焼き、季節の松茸の土瓶蒸し。
湯上がりのしっとりとした空気の中、お互いの浴衣姿を褒め合いながら、力也はどこかソワソワとした様子でグラスを傾けている。
「双葉、本当に綺麗な浴衣だな。……すごく似合ってるよ」
「ふふ、ありがとう力也くん。力也くんの浴衣姿も、すごく男らしくてステキ……」
俺は「斉藤双葉」として完璧に微笑み、細い指先で上品に箸を進めた。
口の中に広がる肉の甘みと旨味。
力也が奮発した最高級の料理の味を堪能する。
その時、ふと――頭の片隅を、かつての「俺自身の元の肉体」の記憶がかすめた。
(そういえば、俺の元の身体はどうなっているんだったか)
あの男の肉体は今頃、事件を起こして警察に身柄を拘束されたあとは、病院の隔離病棟にでも担ぎ込まれているのだろうか。
無機質で味気ない病院食を口に運んでいるのかもしれない。
(惨めなものだな。だが、俺はもうあの不器用で冴えない男じゃない。今やこの美しく完璧な『斉藤双葉』の肉体を手に入れ、上質な料理を味わい、金も人生も差し出そうとする男を嘲笑っている)
過去の自分への冷ややかな嘲笑と、今の支配者としての絶頂感。
その対比が、目の前のご馳走をより一層美味しく感じさせた。
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d20f08fa No.4939

仲居さんが手際よく膳を下げ、二人きりになった部屋に静寂が戻ってきた。
仲居が気を利かせて持ってきた冷たいお茶の湯気が、静かに立ち上っている。
力也は座布団の上で少し姿勢を正すと、喉を鳴らすように深く息を吐いた。その手は、浴衣のポケットの中で固く握りしめられている。
「双葉……。さっきの、大事な話なんだけど」
「うん……? なあに、力也くん」
俺は首を少し傾げ、不安と期待が入り混じったような、完璧な「恋する少女」の眼差しで彼を見つめた。
座り直す動作に合わせて、浴衣の胸元からは先ほど更衣室で仕込んだラベンダー色のレースがチラリと顔を出す。
力也の視線が一瞬だけ俺の胸元に落ち、ゴクリと唾を飲み込んだ。
だが、彼はすぐに俺の目を直視し、意を決したようにポケットから「それ」を取り出した。
小さく重厚な、深緑色のベルベットの箱。
「……双葉。俺、さっきレストランで君が『大好きな人の一番になりたい』って言ったとき、心から思ったんだ。俺が……俺の人生のすべてを賭けて、君を一番にするって」
彼の手が微かに震えている。箱の蓋が、カチリと静かな音を立てて開かれた。
行灯の柔らかな光を受けて、中央に埋め込まれた一粒のダイヤモンドが、眩いばかりの輝きを放つ。
「俺と、結婚してください。……他の誰にも君を渡したくない。一生、俺の隣で笑っていてほしいんだ」
魂を絞り出すような、一筋縄ではいかない真剣な告白。
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d20f08fa No.4940

「本当だよ、双葉。俺の……俺の奥さんになってくれるか?」
「……はいっ……! はいっ! 嬉しい……! 私、力也くんの奥さんになりたいっ!!」
俺は畳を滑るようにして彼に飛びつき、その胸に顔を埋めて激しく泣きじゃくった。
力也は安堵と爆発的な歓喜に満ちた声を漏らし、俺の体を折れんばかりの力で強く、強く抱きしめてきた。
「双葉……ありがとう、双葉! 絶対に幸せにするから……絶対にするからな!」
「力也くん……力也くん……っ」
彼の肩に回した俺の腕。
その指先が、彼の背中で静かに、残酷に丸まった。
涙で濡れた俺の顔から、力也に見えない角度で、スッと感情が消え失せる。
お前が俺を幸せにするんじゃない。
お前の財産も、家柄も、精神も、その命の最後の一滴まで――俺が残さず喰らい尽くしてやるんだよ、力也。
俺は彼の背中を優しく撫でながら、暗闇の中で極上の笑みを浮かべ、彼がはめてくれるであろう指輪の冷たい感触を待った。



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aa6f77ee No.4938[Reply]



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19f71e7c No.3758[Reply]

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59418618 No.4705

数日後の放課後。
キヨヒコはシオリから「カラオケボックスに大至急呼び出し」のメッセージを受け取り、指定された駅前のカラオケ店へと向かった。
ドアを開けた瞬間、部屋の中に流れる煌びやかな照明と重低音の中に、一人の少女が立っていた。
そこにいたのは、スラリと長く伸びた脚と群を抜いたスタイルの良さを誇る、金髪のモデル体型女子高校生姿のシオリだった。
「遅いわよ、キヨヒコ」
ゴールドの長い髪を少し揺らしながら、彼女は生意気そうに、でもどこか上目遣いでこちらを振り返った。
少し小さめのサイズ感で着崩した制服。
第一ボタンは大胆に外され、崩したネクタイの隙間から覗く鎖骨と胸元が実に眩しい。
短く折られたチェックスカートからは、モデルさながらの圧倒的な脚線美が惜しげもなく露わになっていた。
「シオリ……その格好、また変身したのか?」
「ええ。今日は『地球人の若年層における音響刺激と情動の連動性』、および『制服という社会的記号が与える視覚的フェティシズム』の検証よ」
シオリはデンモクを片手に、真顔でとんでもない解説を口にした。
「事前調査によると、地球の女子高校生は放課後にこのような密室空間(カラオケ)へ集い、歌唱によって感情を発散させると同時に、特定の親しい個体と距離を詰めるプロトコルを行うそうね。だから、私も最高の『JK擬態パラメータ』を構築したわ」
そう言って、シオリは長い足を組み、ソファの背もたれに身を預けた。
着崩したブラウスの隙間から、モデル体型特有の引き締まったウエストと、それでいてしっかりと主張する豊かなバストラインが際立っている。
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dcd63e1a No.4707

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dcd63e1a No.4708

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8fe09134 No.4928

ふと視線を上げると、部屋の隅の天井近くに黒い小型カメラのレンズが設置されているのが目に入った。
「あ、おいシオリ……あそこに防犯カメラがあるぞ。流石にここはマズいんじゃないか?」
俺が焦って指差すと、金髪JK姿のシオリは「ふふん」と鼻を鳴らし、制服のポケットからスマートフォン風の異星端末を取り出して画面を軽くタップしてみせた。
「心配いらないわ、キヨヒコ。天井の光学的監視デバイス(防犯カメラ)の映像信号は、すでに私の端末でハッキング&ループ処理済みよ。現在、監視モニターに流れているのは『二人の高校生が仲良くドリンクを飲みながらポップスを歌っている』合成映像だから」
「ハッキングって……手回しが早すぎるだろ!」
準備万端というか、最初から俺とここで『何か』をする気満々すぎる。
あまりの徹底ぶりに呆れていると、シオリは手にしたマイクをソファにコトンと置いた。
そして、スラリと伸びたモデル体型の長い脚を組み替え、着崩したブラウスの胸元を俺の至近距離まで寄せてきた。
ゴールドの髪から甘い香りがふわりと漂う。
「完璧な遮蔽環境は整えたわ。だから、キヨヒコ」
シオリは短めのアコーディオンプレーツのスカートから覗く細く綺麗な太ももを俺の膝に押し当て、潤んだ瞳で上目遣いに俺を見つめてきた。
少し生意気なJKの表情から、一瞬で熱っぽい「おねだり」の顔へと変わる。
「まずは、挨拶代わりの……甘い『キス』をして。この制服姿の私に、あなたの唇を頂戴」
着崩したブラウスの隙間から覗く眩しい鎖骨と豊かな胸元、そして小悪魔的な甘いおねだり。
完全に術中に嵌まった俺は、もう腹を括るしかなかった。

95cdfb74 No.4934

「……んっ、ぁ……キヨヒコ……っ」
重ね合わせた唇から、最初は触れ合う程度の控えめなキスだった。
だが、シオリの細い腕が俺の首に絡みつき、引き寄せられるようにして互いの距離がゼロになると、吐息は一気に熱を帯びていった。
金髪の隙間から覗くシオリの耳元が朱に染まり、着崩したブラウスの胸元が激しく上下する。
彼女は自ら舌を小さく覗かせ、俺の口内をねだるように深く深く探ってきた。
「ん……ふぅっ……あっ、すごいわ。制服の生地越しなのに、あなたの体温が直に伝わってくる……」
口腔を滑る濃厚な感触と、舌が絡み合うたびに漏れる甘い喘ぎ声。
カラオケの重低音にかき消されそうなほどの密やかな水音が、防音室の中に妖しく響き渡る。
「シオリ……、ハッキングしてるからって、激しすぎ……」
「ダメ……やめないで……。この身体の擬態神経が、あなたの刺激で暴走しそうなくらい熱いの……っ!」
シオリは短く折られたスカートの裾を自ら押し上げ、スラリと長い太ももを俺の腰にすり寄せてきた。
着崩したネクタイを俺の手でギュッと握り締めさせると、彼女はトロけたような熱い瞳で俺を見つめてきた。
「ねえ、キヨヒコ……キスだけじゃ、もう満足できないわ。……この制服のまま、私のいちばん深いところまで、あなたの『データ』を叩き込んで……っ」



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