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「……ふぅ、やっと休憩か」
僕は厨房の裏口から外の空気を吸い込みながら、思わず溜息をついた。
……違う。僕、じゃない。
この体になってから、まだ数日しか経っていないというのに、自分のことをどう呼べばいいのかさえ、まだ混乱している。
鏡の中の、この「僕」……いや、この「私」は、どう見ても見覚えのない、可憐な少女だった。
艶やかな栗色の髪が肩にかかり、大きな瞳は少し不安げに揺れている。
そして、何よりこの黄色いワンピースの制服。
かつては僕が「看板娘」として憧れていた、この店の制服だ。
「あ、あの、オーダーお願いします!」
客席からの声に、僕はハッと我に返った。
いけない、仕事中だった。
この店の看板娘として、完璧に振る舞わなければならない。
僕は精一杯の笑顔を作って、客席に向かった。
「はい、ただいまお伺いします!」
……自分の声が、信じられないほど高くて、甘いことに驚く。
かつての僕が憧れていた、あの看板娘の声そのものだ。
客席に向かう途中、ふとガラス窓に映る自分の姿が目に入った。
黄色い制服に身を包んだ、可憐な少女。
その姿を見て、僕は改めて、自分が失ってしまったものを痛感した。
かつての僕は、この店で働く、ごく普通の男の子だった。
けれど、ある日、原因不明の現象によって、僕は女の子になってしまった。
……そして、この店の看板娘として、働くことになったのだ。
「……あ、あの、おすすめは何ですか?」
客席に座っていた男性客が、僕を上目遣いに見上げながら、そう尋ねた。
その視線が、かつての僕に向けられていたものとは、全く違うことに気づく。
……かつての僕は、女の子にモテるようなタイプではなかった。
けれど、今の私は、男性客から熱視線を浴びる存在だ。
「……は、はい。今日のおすすめは、特製オムライスです」
僕は少し照れくささを感じながら、そう答えた。
「……じゃあ、それでお願いします」
男性客は、そう言って、僕に微笑みかけた。
その笑顔を見て、僕は少し、複雑な気持ちになった。
かつての僕は、女の子の笑顔を見るのが大好きだった。
けれど、今の僕は、男性の笑顔を見ることに、少し戸惑いを感じている。
私は、いつまで、この体でいなければならないのだろう。
かつての僕は、もう、戻ってこないのだろうか。
僕は厨房に戻りながら、そんなことを考えていた。
……けれど、今は、この店で、看板娘として、精一杯働くしかない。
いつか、元の姿に戻れる日を信じて。
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続き期待
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No.4787 の続きにつながるかもしれない話の予定 ?
(自分に起こった件は後回しにしよう。それよりも、まずはお客様との接客を大事にしなきゃ。今の僕はこの店の従業員なのだから)
厨房に戻った僕はお客様のオーダーを正確に伝え、料理を作ってもらう。自分が置かれた立場よりもお客様に重きをおいて行動する。やがて、料理が完成し、男性客が待つテーブルへと料理を運ぶ。愛想よく振り撒きながら僕は男性客に対して料理を提供。
「熱いので気をつけてお召し上がりください。ごゆっくりどうぞ」
そう甘い声で告げ、僕はホールの他に目を向ける。先ほどの男性客と同じく、僕を呼ぶファミリー層が1組いた。
「は~い、お待たせ致しました。ご注文をどうぞ」
不自然にならないよう、優しい声でファミリーに接する。相変わらず僕を見上げるその視線は気にかかるが、僕はあまり気にしないようにしてオーダーをとる。そのファミリーは下の子が2人いてひとりは男の子、もうひとりは女の子だった。厨房に戻りオーダーを伝え、料理ができあがったら、料理を運ぶ。そんな作業をだせい的に繰り返すこと数時間。2度目の休憩があった。そわそわしていた僕は、迷わずトイレの個室に駆け込む。女の子になってしまった僕の身体がどこかほてったようで内側がとにかく熱い。尿意が近いのかもしれない。僕はパンティを下げて便座に腰をおろす。僕の秘部からチョロチョロとおしっこが溢れ出した。これが女の子になってしまった僕なのかと、そう思いながら、用を足していた僕だった。
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用を足し終えた僕は、また店のホールまで戻ってきた。元の身体に戻れなくとも、この店で働いている以上僕は仕事をしなければならない。なるべくお客様にご迷惑をかけないように、ミスしないようにと願いながら。