2b34edb9 No.3976
人生、完全に詰んでいた。
二十六歳。
無職。
実家の六畳間に生息する、ただの肉の塊――それが俺、キヨヒコの現在地だ。
原因ならはっきりしている。高校時代、あの女に目をつけられたからだ。
斉藤太刀葉(さいとう たちは)。
学年一の美少女で、スクールカーストの頂点。俺を徹底的に弄び、人間不信のどん底に叩き落として引きこもりに追いやった張本人。
それなのに、世の中はどこまでも不平等にできている。
暗い部屋でスマホの画面をタップするたび、殺意に似た嫉妬が胸を焼く。
太刀葉のSNSには、眩しすぎる「勝ち組」の日常が溢れていた。
有名私立大学をストレートで卒業し、大手航空会社のCAへ。
先月には年収数千万円のハイスペックな旦那と結婚し、タワーマンションでワイングラスを掲げている。
俺の人生をドブに捨てさせた当の本人が、世界で一番幸せそうに笑っていた。
「……殺してやりたい」
声に出したその時、机の上に置かれた小瓶が目に入った。
先日、ネットの怪しい闇市のようなサイトで、自暴自棄になって投げ銭感覚で買い取ったカプセルだ。
商品ページには胡散臭い説明書きが踊っていた。
【転移薬:ルシファー】
服用した瞬間、最後に正視した人物に意識が憑依し、元の肉体は消滅します。
相手の記憶、地位、人間関係、そして人生のすべてを奪い取ることが可能です。
「ハッ、都市伝説のジョークグッズが……」
バカバカしい。そんな都合のいい薬があるわけがない。
だが、俺の足は勝手に動いていた。
フードを深くかぶり、何年ぶりかに外の空気を吸う。
向かったのは、太刀葉の実家がある高級住宅街の駅前だ。SNSの投稿から、今日彼女が帰省していることは特定済みだった。
そして――奇跡か悪夢か。
駅前のロータリーで、タクシーを待つ「彼女」を見つけた。
ハイブランドのワンピースに身を包み、眩しいほどのオーラを放つ美女。斉藤太刀葉だ。
「……あ」
すれ違いざま、フードの隙間から覗く俺の顔を見て、太刀葉が眉をひそめた。
一瞬の沈黙。
彼女の目が、軽蔑と嘲笑に色づく。
「え、キヨヒコ? ウソ、まだそんな格好してブラブラしてんの? 相変わらずキモ……」
かつて俺の心を砕いた、あの見下すような甲高い声。
幸せに満ち足りた顔。
俺の青春を奪っておきながら、何の罪悪感もなく生きている女。
ああ、もうどうでもいい。
これが偽物の毒薬で、俺がここで死んだとしても、最後にこいつにトラウマを残せるならそれでいい。
「……バイバイ、太刀葉」
俺は太刀葉の瞳をまっすぐに見つめ直した。
彼女の美しい顔を、視界のすべてに焼き付けるように。
そして、ポケットから取り出した紫色のカプセルを、一瞬で飲み干した。
「は? 何急に薬飲んでんの? やだ、警察呼ばな――」
太刀葉の焦った声が遠ざかる。
直後、全身の骨が融解するような猛烈な熱と、強烈なめまいが俺を襲った。
視界が真っ赤に染まる。
俺の肉体が、足元から灰のようにサラサラと崩れ去っていくのが見えた。
太刀葉が悲鳴を上げる。
(本当に……効くのかよ……!?)
グラリと世界が反転する。
俺の意識は引きちぎられ、高次元の渦へと呑み込まれていった。
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「――様? お客様、大丈夫ですか?」
ハッと息を呑んで目を覚ます。
鼻をつくのは、微かな香水と上質な革の匂い。
視界に飛び込んできたのは、タクシーの運転手がバックミラー越しに心配そうにこちらを覗き込む顔だった。
「……え?」
声を出した瞬間、背筋にゾクリとした戦慄が走った。
自分の声じゃない。
高く透き通った、聞き覚えのある「女の声」だ。
慌てて手を見る。
細くしなやかな指。
手入れされた美しいネイル。
手さげのブランドバッグに映る自分の顔を覗き込む。
そこにあったのは――絶句するほど整った、斉藤太刀葉の顔だった。
「お姉さん、急にボーッとされてたから……目的地、ご自宅のタワマンでよろしかったですよね?」
「あ……ええ。おねがい、します……」
口をついて出たのは、完璧な太刀葉の声。
脳内に、見たこともない彼女の記憶――旦那の顔、暗証番号、CAとしての作法、銀行の口座残高――が怒涛のように流れ込んでくる。
俺は、後部座席でじわじわと込み上げてくる笑いを抑えきれなかった。
(はははは! 本当に……本当に奪っちまった!!)
俺を地獄に突き落とした女の、輝かしい人生。
金も、地位も、美貌も、ハイスペックな旦那も。
今日から全部、俺のものだ。
俺は窓の外に映る自分の美しい笑顔を見つめながら、静かに黒い欲望を燃やした。
「さあ、斉藤太刀葉としての『最高に幸せな人生』を、存分に楽しむとしようか」
deb2fd25 No.3982
自動ドアが滑らかに開き、足を踏み入れたのはホテルのロビーと見紛うほどのラグジュアリーな空間だった。
「斉藤様、お帰りなさいませ。本日も大変お暑うございましたね」
フロントのコンシェルジュが、完璧な角度の首傾げと上質な笑顔で頭を下げる。
かつての無職の俺なら、ビクビクと視線を泳がせて逃げ出していたところだ。
だが今の俺は――ただ優雅に微笑み返し、小さく頷くだけでいい。
「ええ、本当に。お疲れ様です」
声のトーンも、指先の仕草も、自然と馴染む。
何重もの重厚なセキュリティ。
タッチパネルに手をかざすまでもなく、最新の顔認証システムが『斉藤太刀葉』を即座に認識し、電子音とともにドアが解錠された。
そりゃそうだ。
だって、今の俺は誰がどう見ても斉藤太刀葉なのだから。
ガラス張りの高速エレベーターで最上階近くまで上り、内廊下の絨毯に足音を沈ませながら我が家――いや、太刀葉の部屋のドアを開ける。
「すごっ」
広大なリビングの窓からは、宝石をちりばめたような都心の夜景が一望できた。
俺が二十六年過ごしたあの狭く湿気た六畳間が、この部屋のトイレくらいの大きさに思えてくる。
カバンを高級革ソファに放り投げ、俺はそのまま寝室のドレッサーに向かった。
パチン、と照明をつける。
姿見に映るのは、完璧なプロポーションを誇る美女のシルエット。
「ふぅ……」
どこか背徳的な高揚感に胸を躍らせながら、ワンピースの背中にあるファスナーを下ろした。スルスルと生地が滑り落ち、床にたまる。
鏡の中に現れたのは、肌に吸い付くようなベージュのストッキングと、その上を飾る高級メーカー製の刺繍がたっぷりと施された鮮やかな黄色の下着姿だった。
「……マジかよ」
自分で自分の身体を見つめているのに、息が止まりそうになる。
引き締まったウエスト、しなやかな足のライン、そして豊満な胸。
俺を散々ゴミのように見下してきた女の、一番プライベートな姿がそこにあった。
スツールに腰掛け、脚に手をかける。
指先で薄いナイロンの生地を摘み、ゆっくりと太ももから膝、そして足首へと滑らせて脱いでいく。
(手が、細ぇ……肌がめちゃくちゃスベスベだ)
伝わる体温と手触りは、間違いなく俺自身のものだ。
ストッキングを脱ぎ捨て、裸足で冷たいフローリングを踏みしめる。
爪先まで綺麗にペディキュアが施されていた。
太刀葉の記憶の引き出しを、頭の中でサラサラと検索してみる。
(えーっと……旦那の『達也』は……そうか、今日は名古屋出張で直帰。深夜一時過ぎまで帰ってこない)
「くはっ、あはははは!」
誰もいない大空間に、太刀葉の鈴を転がすような美声の爆笑が響き渡る。
まだ時間はたっぷりある。
旦那が帰ってくるまで、この贅沢な部屋も、ワインセラーの高級ワインも、この最高に美しい身体も、すべて俺の自由だ。
鏡に映る『太刀葉』の口元が、かつて彼女が俺に向けていたような、凶悪で美しい歪んだ笑みを浮かべていた。
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ベッドルームのキングサイズベッドに倒れ込むと、高級シーツの滑らかな肌触りが肌に直接伝わってきた。
ドレッサーの鏡の前で自分の身体をじっと見つめると、脳裏に太刀葉の「誰にも見せない秘密の記憶」がサラサラと浮かんできた。
(完璧なCAで、ハイスペックな夫とも円満……でも、旦那が出張で長く不在の夜は、一人でこうして過ごしてたわけだ)
世間が見ている「完璧な斉藤太刀葉」の仮面を脱ぎ捨てた、誰も知らない彼女の素顔。
俺はその背徳感に背中を押されるように、自らの手で胸を下から優しく揉み上げてみた。
「っ……あ……」
声が漏れる。
自分の手で触れているはずなのに、手のひらに伝わる感触も、胸から脳へと届く神経の刺激も、完全に「女のそれ」だった。
男性の肉体とはまったく違う柔らかさと繊細さ。
指先で小さくつまむと、キューっと胸の奥が締め付けられるような、鋭い感覚が脳腔を突いた。
指先にほんの少し力を入れるたび、体が小さく跳ねる。
皮膚がじわじわと熱を帯び、先端が硬く緊張していくのがはっきりと分かった。
(うそだろ……こんな、ちょっと触れただけで)
かつて俺を見下し、ゴミのように扱っていたあの高飛車な女が、一人で部屋にいるときはこんな風に甘い快感に身を委ねていたのか。
そして今、その身体がもたらす感触のすべてを味わっているのは――他ならぬ俺だ。
自分の意思で、太刀葉の身体が甘く震えている。
脳を痺れさせるような感覚が全身を駆け巡るたび、俺は自分の「完全な勝利」を確信していった。
ただ人生や地位を奪うだけじゃ生ぬるい。
彼女の感覚、彼女の秘密、彼女が今まで感じてきた快楽のすべてを、内側から俺の記憶で塗り替えていく。
「ふふっ、太刀葉……お前の身体、最高に感じやすいな」
太刀葉の艶っぽい吐息とともに漏れたその言葉は、誰もいない静かなタワーマンションの部屋へと深く溶けていった。
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ベッドに深く沈み込みながら、俺はあえて脱ぎ捨てなかった黄色の高級レースブラとショーツに指を滑らせた。
繊細なレースの網目越しに伝わる肌の熱。
極上のシルクとレースが擦れ合うかすかな音が、静かな寝室にやけに淫らに響く。
「んッ、あ……」
胸元を包み込む黄色のレースに指を潜り込ませ、硬くなった先端をゆっくりと撫で回す。
ブラのアンダーラインがぐっと持ち上がり、豊かな膨らみが零れ落ちそうになるのを、鏡越しにじっと見つめた。
自分自身で自分を慰めているはずなのに、頭の中では「太刀葉」としてのプライドと、それを内側から侵食する俺の征服感が激しく混ざり合っていく。
俺は太刀葉の艶やかな唇を微かに震わせ、意図的に「彼女らしい」高飛車で甘い声を作って呟いてみた。
「はぁ、ダメよ太刀葉。こんな時間に、旦那様がいないからって……一人でこんなこと……」
自分で言っていて、ゾクゾクするような悪寒と高揚感が背筋を駆け上がる。
「だってお仕事が忙しいんですもの……。私は一流航空会社のエリートCAで、誰もが羨む勝ち組の奥様……。いつだって完璧で、美しくなくちゃいけないの……んぁっ……!」
黄色のレースショーツの上から、繊細な部位へと指先を滑らせる。
生地越しでもはっきりと分かるほど、太刀葉の身体は熱を帯び、しっとりと湿り気を帯びていた。
「っ……あ……うそ、こんなに濡れてる。太刀葉、あなた本当はいやらしい女ね……。高校のとき、キヨヒコのことゴミみたいに見下してたくせに、自分が一番卑しい身体してるじゃない……」
自分の口から吐き出される、太刀葉の声での自責と侮蔑。
それが最高の愛撫となって脳髄を痺れさせていく。
「キヨヒコ見てる? あなたが部屋で引きこもってる間に、私はこんな高いマンションで、こんな素敵な黄色のランジェリーを着て……自分の身体で気持ちよくなってるのよ……っ」
指の動きを早める。レースの生地が甘く擦れ、太刀葉の小さな悲鳴のような吐息が漏れた。
「んくッ……ああぁっ! でもね……残念でした……! 今この最高の身体で、最高の快感を味わってるのは……キヨヒコ、あなたじゃなくて……私、太刀葉なんだから……っ!」
嘘と真実が反転した狂気のセリフ。
俺であって俺ではない、太刀葉であって太刀葉ではない。
この女の誇りも、優越感も、身体の記憶も、すべてを俺の欲望で塗りつぶしていく感覚。
「あ……ぁ……ッ! 達也さん……ごめんなさい……旦那様……っ。私、もう……我慢できない……っ!!」
背中が大きく反り返り、黄色のレースで包まれた全身が激しい歓喜の波に飲まれて震えた。
静まり返ったタワーマンションの一室。
荒い息を吐き出しながら、俺はシーツに横たわり、天井のシャンデリアをぼんやりと見上げた。
「ふふ……っ、くはは……っ!」
喉から漏れたのは、間違いなく太刀葉の甘く美しい笑い声。
だがその瞳に宿っていたのは、他人の人生を根底から奪い尽くした男の、昏い歓喜そのものだった。
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ガラス張りの広々としたバスルームに足を踏み入れる。
壁一面に惜しみなく使われた高級感漂う大理石。
ボタン一つで温度からシャワーの水流まで細かく管理できる最新式のバスシステムだ。
服をすべて脱ぎ捨て、洗面台の巨大な姿見の前に立つ。
「くそっ」
思わず悪態が口をついて出た。
認めたくはない。
絶対に認めようとは思わないが――鏡に映る太刀葉の裸体は、どこをどう切り取っても「最高級」のクオリティだった。
無駄な肉が一切ない引き締まったウエスト、すらりと伸びた白い脚、滑らかな背中のライン。日頃のトレーニングと徹底されたスキンケアの賜物なのだろう。
俺をどん底に突き落としておきながら、自分はこんな完璧な美を維持していたのだと思うと、歪んだ悔しさと同時に強烈な所有感が腹の底から湧き上がってくる。
シャワーのスイッチを入れると、天井のレインシャワーから温かいお湯が優しく全身を包み込んだ。
(よし……洗うか)
手にとったのは、一瓶で数万円はしそうなオーガニックの高級シャンプー。
髪を濡らし、泡立て、頭皮をマッサージするように洗っていく。その手の動きは、完全に「太刀葉」のものだった。
爪を立てずに指の腹で丁寧に洗う角度、毛先からトリートメントを馴染ませる順番、ボディソープを専用のシルクタオルで泡立てる手つき――。
(すげぇな。さっき『いって』から、記憶の引き出しがめちゃくちゃスムーズだ)
絶頂を迎えたことで脳の同期率が上がったのか、まるで何年も前からこの身体で生きてきたかのように、彼女の無意識の日常動作が自然と身体から溢れ出してくる。
シャワーの温水に打たれながら、頭の中で勝手に「旦那が帰ってくるまでにやるべきこと」がリストアップされていった。
1.使用したランジェリーとストッキングをランドリーネットに入れ、手洗いモードで洗う。
2.バスルームの鏡の水滴を拭き取り、水蒸気を換気扇で完全に飛ばす。
3.出張帰りの達也のために、冷えた高級炭酸水と軽いおつまみをテーブルに用意しておく。
4.エアコンの温度を、達也の好む『23度・微風』に設定し直す。
「ハッ……健気な奥様気取りかよ」
太刀葉の整った鼻から、ふっと冷笑が漏れる。
旦那の帰宅に合わせた完璧な心配り。
これが「勝ち組CAの妻」としての斉藤太刀葉の日常というわけだ。
だが、今の俺にとってそんな雑用はどうでもよかった。
炭酸水の用意? エアコンの設定? 後回しだ。
シャワーを浴び終え、上質なバスタオルで濡れた肌と長い髪を丁寧に拭うと、俺はそのままウォーキングクローゼットへと向かった。
ズラリと並ぶハイブランドの洋服の奥、鍵付きの引き出しを開ける。
そこには、色とりどりの高級ランジェリーが美しく整理されて収められていた。
「さて……」
指先で滑らかなシルクや繊細なレースをサラサラとなぞる。
(旦那を出迎えるなら、どれにする……?)
シックで大人っぽい漆黒のシルクガウンに合わせる黒のレースか。
それとも、夫好みの清楚さを演出するパステルブルーのセットアップか。
あるいは、彼女の身体をより艶やかに引き立てる真紅のシースルーか。
「……フフっ」
鏡の中の太刀葉が、男の征服感と女の愉悦が混ざり合った、妖艶な笑みを浮かべた。
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俺が選んだのは、清楚さを前面に押し出したパステルブルーのセットアップだった。
柔らかいシルクと繊細なレースが肌を包み込む。
過度な露出や派手さはないが、育ちの良さと可憐さを演出するそのデザインは、記憶の中にある夫・達也の好みに完璧に合致していた。
(……これだ)
鏡に映る自分を見つめながら、俺はフッと口角を上げた。
最初は考えなかったわけじゃない。
この体を使って万引きでもするか、警察沙汰になる犯罪でも犯して、斉藤太刀葉という人間の人生を社会的になくしてしまおうか、と。
だが、そんなものはあまりにも浅はかで、つまらない考えだ。
(この美貌、このタワーマンション、CAとしての輝かしいキャリア、そしてハイスペックな旦那。こんな極上の人生を俺の手でぶっ壊してやる必要なんてどこにある?)
俺が太刀葉として生き、太刀葉としてこの世の幸福をすべて貪り尽くす。
本物の斉藤太刀葉という存在を世界から完全に消し去り、俺がその皮をかぶって『最高の人生』を謳歌する。
――それこそが、あいつに対する史上最高の復讐じゃないか。
そのためには、俺自身が寸分の狂いもなく「完璧な斉藤太刀葉」にならなければならない。
さっきのオナニーで実感した。
この肉体が快感に震え、本能を剥き出しにするたび、太刀葉の記憶や日常の癖が驚くほどの速度で脳に馴染んでいくのを。
ならば――次はどうだ?
「……旦那に、抱かれなきゃな」
太刀葉の口から、可憐な声で黒い企みが漏れ出す。
妻として、女として、夫から全身全霊で愛撫され、抱かれる。
その強い快楽と刺激を経れば、太刀葉の女としての本能、仕草、声のトーン、さらには彼女の最も深い領域にある記憶まで、残さず俺のものとしてインストールできるはずだ。
パステルブルーの下着の上から、薄手の白いシルクガウンをさらりと羽織る。
フロントの紐を緩めに結ぶと、胸元の清楚なブルーのレースがチラリと覗いた。
ドレッサーの鏡の前で、表情を作る。
冷酷な男の顔を消し去り、出張から帰ってきた夫を健気に待つ「愛らしい妻」の微笑みを。
(完璧……。どこからどう見ても、お前の大好きな奥さんだろ、達也さん?)
その時、カチャリと静かな電子音が響き、玄関のドアが開く気配がした。
「ただいま、太刀葉。……疲れたよ」
廊下から聞こえてくる、低く落ち着いた男の声。
俺は一呼吸置き、胸の高鳴りを背徳的な笑みに変えると、パステルブルーの裾を軽やかにはためかせてリビングへと向かった。
「お帰りなさい、達也さん。お仕事、お疲れ様……っ」
勝ち組CA・斉藤太刀葉としての『完璧な夜』が、いよいよ始まろうとしていた。
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「ただいま、太刀葉。……疲れたよ」
ネクタイを緩めながら、疲れ切った足取りでリビングに入ってくる達也。
そのスーツ姿を見つめながら、俺は脳内の「斉藤太刀葉の記憶」を高速で検索する。
(えーっと、達也が仕事から帰ってきたとき、どういう仕草に一番弱いんだ?)
検索結果は、あっけないほどすぐに見つかった。
『出張帰りの疲れた夜、自分から少し甘えたように寄り添い、ネクタイを解いてあげる』『胸元をわずかに覗かせながら上目遣いで見つめる』
――これだけで、この男はコロッと落ちるらしい。
(ハイスペックな男のくせに、男なんてどいつもこいつも単純なもんだな)
俺は心の中で冷笑しながら、太刀葉としての完璧な表情を作った。
パステルブルーのレースが覗くシルクガウンの裾を揺らし、すり足で達也に近づく。
「お帰りなさい、達也さん。名古屋での打ち合わせ、大変だったんでしょう?」
「ああ……相手の役員が頑固でさ。ん?」
達也が足を止め、俺の顔をじっと見つめてきた。
俺は太刀葉の癖である「首元に手を添えて少し首をかしげる仕草」を再現し、可憐な上目遣いで彼の瞳を捉える。
「なあに? 私の顔、なにが付いてる?」
「いや……なんか、今日の太刀葉、いつもよりずっと色っぽいな。その下着……俺の好きなパステルブルーだろ?」
「ふふ、気づいてくれた? 達也さんが帰ってくるから、おうちで待ってる間、ちょっと気合入れちゃったの……」
甘く溶けるような声で囁きながら、俺は達也の胸元に手を伸ばした。
細い指先でネクタイの結び目に触れ、ゆっくりと引き緩めていく。
意識してガウンの胸元をはだけさせ、パステルブルーの繊細なレースと豊満な胸の谷間を彼の視線に晒してやった。
「……ッ」
達也の息が呑まれる音が聞こえた。
仕事の疲労が一瞬で吹き飛び、男としての本能が瞳の奥でギラリと燃え上がるのが分かる。
(よし、かかった!)
「太刀葉……お前、そんな格好で出迎えるなんて、反則だろ……」
達也の手が俺の腰に回された。強引に引き寄せられ、太刀葉の柔らかい体が彼の身体に密着する。
彼の指先がガウンの隙間に潜り込み、パステルブルーのレース越しに太ももから腰へと滑り込んできた。
「なぁ……出張中、ずっとお前のこと考えてたんだ。今すぐ抱かせてくれ」
顔が近づいてくる。
熱い息がかかり、分厚い唇が太刀葉の唇を奪おうと迫る。
(来い……! この男に抱かれて、太刀葉の記憶も感触も、全部俺のものにしてやる――)
背中を走る激しいゾクゾク感。
だが――俺は寸前のところで、達也の胸に両手をそっと当てて、優しく押し止めた。
「ん……待って、達也さん」
「え……太刀葉?」
達也が焦らしに焦らされた顔で、不満そうに眉をひそめる。
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俺は太刀葉の甘い声に、少しだけ小悪魔的な響きを混ぜて微笑んでみせた。
「ダメよ、そんなに焦っちゃ。新幹線に乗って長旅だったんだから、まずは汗を流してさっぱりしてきて?」
「でも……」
「お風呂、もうちょうどいい温度で沸かしてあるわ。バスタオルも着替えも、全部用意してあるんだから」
指先で達也の唇を優しく撫でながら、耳元に顔を近づけ、吐息を吹きかけるように囁く。
「キレイになった達也さんに、いっぱい可愛がってほしいの。……ね?」
「っく、分かったよ。すぐ上がってくる。待ってろよ、太刀葉」
完全に毒気を抜かれた達也は、荒い息を吐きながら観念したように脱衣所へと向かっていった。
パタン、とバスルームのドアが閉まる音が聞こえる。
「……ふぅ」
一人残されたリビングで、俺はガウンの胸元を整えながら、暗い満足感に口元を歪めた。
(ククク……完璧だ。焦らせれば焦らせるほど、男は後で激しくなる)
手を出される直前でお風呂へ行かせたのは、単なる衛生上の問題だけじゃない。
期待感を極限まで高めさせ、お風呂から上がってきた達也に、全力で俺――いや、太刀葉の体を求めさせるためだ。
激しく愛されれば愛されるほど、太刀葉の女としての本能と記憶が、俺の脳へ強烈に叩き込まれる。
脱衣所から聞こえてくるシャワーの音を聞きながら、俺はワイングラスに手を伸ばした。
(さぁ、来いよ、旦那様。お前が愛している完璧な妻の姿で、お前のすべてを奪ってやるから――)
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バスルームのドアが開き、湯気とともにほのかに石鹸の香りを纏わせた達也が戻ってきた。
腰にタオルを巻き、引き締まった上半身を晒している。
「待たせたな、太刀葉」
「ううん、お風呂上がりの達也さん、すごく素敵……」
ベッドの端に腰掛けていた俺は、首を少し傾けて微笑んでみせた。
達也の目が妖しく光る。
彼は迷いなく歩み寄ると、俺の肩を掴んで滑らかなシーツの上へと押し倒してきた。
パステルブルーのレースが揺れ、シルクガウンが大きく乱れる。
「太刀葉……会いたかった」
覆いかぶさってくる達也の体温。
顔が急速に近づいてくる。
その瞬間、俺の脳裏に冷や汗のような一瞬の躊躇が走った。
(っ、マジかよ、男の顔が目の前に! 正直、キスはちょっとキツイかも――)
二十六年間の童貞人生。
男とキスするなんて発想すら恐怖だった。
生理的な拒絶感が背筋を駆け抜け、思わず体が強張る。
だが――達也の熱い視線が俺の顔……いや、太刀葉の顔に注がれた瞬間、その抵抗感は一瞬で吹き飛んだ。
「お前が一番可愛いよ、太刀葉……」
愛おしそうに俺を見つめ、髪を優しく撫で上げてくる達也。
その瞳に映っているのは、間違いなく「世界で一番愛する妻」の姿だった。
(ふは、ハハッ! 騙されてやがる! こいつ、俺のことを斉藤太刀葉だと信じ切って、こんな顔してやがる!!)
ゾクゾクとするような強烈な高揚感が、腹の底から湧き上がってきた。
男同士のキスの恐怖なんて、この圧倒的な優越感の前にはチリみたいなものだ。
俺はいま、このハイスペックな男を完全に手玉に取り、勝ち組女のすべてを奪い去っているんだ。
んちゅ、と甘い音が響き、唇が重なった。
(あ……)
太刀葉の柔らかい唇に、達也の唇が押し当てられる。
最初はただ受け止めるだけだった。
しかし、頭の中で太刀葉の「愛撫の記憶」がカチリと音を立てて噛み合った。
――この男は、奥から深く激しく求められると理性を失う。
(おいおい、本当にかわいそうな奴だな、達也さんよぉ)
高揚感と記憶が完全に同期した俺は、拒絶どころか自分から達也の首に細い腕を巻き付けた。
「んっ……ふぁ……」
小さく吐息を漏らし、わずかに開いた隙間から、俺の方から積極的に――滑らかな舌をぬめりと彼の口内へ絡ませていった。
「ッ!? ……ん、んんっ!?」
達也の身体がビクッと跳ねた。
いつもは受動的で清楚に振る舞う太刀葉が、自分からこんなにも淫らに舌を絡めてくるなんて思ってもいなかったのだろう。
達也の瞳が一瞬驚きに丸くなり、次の瞬間には理性を吹き飛ばした獣のそれに変わった。
(ははっ、いいザマだな! 舌の絡ませ方ひとつで、こんなに簡単に壊れやがる!)
ジュプ、と淫らな水音が静かな寝室に響き渡る。
俺は太刀葉の記憶をトレースしながら、舌先で彼の口内を愛で、時に引き、時に深く突き入れる。
「ん……ッ、ふ……あむっ……んぁ……」
唇を離すたびに、細い銀の糸が引く。
息を荒くした達也が、感嘆と興奮の入り混じった声を漏らした。
「はぁ、はぁ、太刀葉……! お前、今日どうしたんだよ? こんなに激しく舌を入れてくるなんて……っ!」
「ふふっ……ダメだった……?」
上目遣いで、パステルブルーの胸元を揺らしながら囁く。
濡れた唇を舌先でペロリとなぞってみせると、達也の理性の糸がぶつりと切れる音が聞こえた。
「ダメなわけないだろ! 最高だ、太刀葉……っ!」
達也の手が、がっつりと俺の腰を抱き寄せ、パステルブルーのレース生地の上から太ももを強く撫で上げてくる。
(そうだ……来いよ。もっと来い……!)
キスひとつでここまで脳が痺れるんだ。
このままこの男に身を委ね、最後まで抱かれたら――俺は本当の意味で「完全な斉藤太刀葉」になれる。
俺は快楽と征服感に歪んだ笑みを浮かべ、達也の背中に爪を立てた。
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「はぁ、はぁ、太刀葉、お前……本当にどうしちゃったんだよ……」
ベッドの上で肩を上下させる達也が、どこか夢でも見ているような顔で俺を見上げている。
俺はパステルブルーのレースに包まれた体をしなやかに躍らせ、達也の胸の上に跨がった。
そして、太刀葉の記憶の奥底にある「ある秘密」を引き出す。
(へぇ。達也の奴、ずっと前から『顔の上に乗ってほしい』って頼んでたのか。でも太刀葉のやつ、『プライドが許さない』『恥ずかしくて無理』って固辞し続けてたんだな)
高飛車でプライドの高い斉藤太刀葉なら、たしかに拒絶しそうなプレイだ。
だが、今の俺にとっては関係ない。
むしろ、達也を歓喜させ、太刀葉の体を極限まで開発するための絶好のチャンスだ。
俺は太刀葉の可憐な顔に小悪魔のような微笑を浮かべ、達也の首元に指先を這わせた。
「ねえ、達也さん……。前におねだりしてくれたこと、覚えてる?」
「え、おねだり……?」
「顔の上に、乗ってほしいって言ってたじゃない。今日なら……いいよ?」
「えっ!? ほ、本当か太刀葉!? お前、あんなに嫌がってたのに!」
達也の目が信じられないといった様子で大きく見開かれる。
長年の悲願が叶うと知った男の、なんとも情けない、けれど露骨な歓喜の表情。
(本当、男ってのは単純だな。太刀葉が絶対許さなかった領域を、俺がこうしてあっさり解禁してやるんだからな)
「ふふ、出張がんばってくれたご褒美。はい、じっとしててね?」
俺は腰を上げると、達也の顔を包み込むようにして、そっと自らの身体を降ろしていった。
パステルブルーの繊細なレース生地が、達也の鼻筋と唇に直接触れる。
「うおっ! すごい……太刀葉の匂いが……っ」
達也の歓喜の呻き声が、俺の太ももの間からこもって聞こえてくる。
「ちゃんと、気持ちよくしてね? 達也さん……」
そう囁いた瞬間――達也が猛烈な勢いで攻め込んできた。
「んッ!? あ、んぁっ……!?」
達也の温かい舌先が、そして鼻の尖りが、パステルブルーの生地越しに、一番敏感な部位を正確に捉えて激しく押し当てられる。
(っ!? な、なんだこれッ!!)
脳を激しく打つような、強烈な快感の波。
オナニーの時とは比べものにならないほど直接的で、圧倒的な熱量が太刀葉の身体を突き抜けた。
鼻腔を突く達也の荒い息遣いと、舌先が繊細な粘膜を捉えて転がす絶妙な刺激。
太刀葉の肉体は、長年抑えつけられていた感触に応えるように、一瞬でピークへと向かって跳ね上がっていく。
「ふぁッ! あッ、ダメ……そこッ、達也さん……ッ! んぅううっ……!」
頭では冷静でいようとしているのに、喉からは勝手に、高く可憐な喘ぎ声が漏れ出してしまう。
(くそっ! 身体が勝手にッ! 太刀葉の身体が、こんな甘い声出して感じてやがる……!)
己の意志とは裏腹に、太ももがワナワナと震え、達也の顔を強く挟み込んでしまう。
だが、その可憐な反応こそが、達也の欲望をさらに狂わせた。
「んぐっ! 太刀葉、最高だ! すげぇ可愛い声出してるぞ……ッ!」
達也は苦しそうにしながらも、舌の動きをさらに強め、鼻筋でぐいぐいと感触を確かめるように刺激を重ねてくる。
「あぁっ! んんっ、はぁっ……! すごい……達也さんの舌、すごぃよぉっ……!」
(ははっ、言わせてやがる、俺の口にこんな恥ずかしいセリフを! でも、気持ちいい! 太刀葉の人生、最高に気持ちいいじゃねえか!!)
「太刀葉! 俺、こんなお前が見たかったんだっ!」
達也の顔から伝わる興奮と大満足の吐息。
かつて太刀葉が「絶対に嫌」と突っぱねていた性癖を、俺がいとも簡単に叶えてやり、そして誰よりも激しく歓喜させている。
太刀葉の尊厳を内側から塗り替え、旦那の欲望を俺が完璧に満たしてやる。
快楽の濁流に飲み込まれながら、俺の胸の中は、狂おしいほどの優越感と征服感で満たされていた。
9408a54b No.4026
「あッ、あぁ……っ!」
顔面への愛撫で身体が熱く火照った俺は、達也の顔から腰を浮かせ、そのまま彼の体の上に跨がった。
パステルブルーのレースショーツを横にずらし、欲望を剥き出しにした達也の身体と向かい合う。
太刀葉の記憶を高速で探るが――やっぱり出てこない。
(マジかよ。太刀葉の奴、恥ずかしがって騎乗位も一度もやったことがなかったのか。どこまでもプライドの高い女だな)
だが、今の俺には関係ない。
二十六年間の引きこもり生活で、腐るほど見てきたAVの知識が俺の脳内にはぎっしりと詰まっている。
「達也さん……私、上になるの初めてだから……うまくできるか分からないけど……」
太刀葉の可憐な声で、少し不安そうに呟いてみせる。
「えっ、太刀葉、本当にか!? お前が上になってくれるなんて……夢みたいだ……」
達也の目が期待と興奮でさらに見開かれる。
俺はゆっくりと腰を下ろし始めた。
だが、太刀葉の肉体にとって上からのアプローチは完全に未知の体験だ。
角度がうまく合わず、ぬめりと滑って思うように入らない。
(くそっ……手つきがぎこちなすぎるな。えーっと、AVだとこういう時は……そうそう、片手で誘導して、角度を少し前に倒すんだ――)
知識をフル活用し、指先で位置を調整しながら、慎重に体重をかけていく。
「んッ……ぁ……! 入ってくるっ!」
ズブ、とゆっくり満たされていく感覚。
体の奥深くまで一気に届く強烈な圧迫感に、太刀葉の身体がピクッと大きく跳ねた。
「っ~~~!! あ、あぁぁッ……!!」
(うそだろ……! 下から突かれるのとは段違いに深ぇ……ッ! 自分で体重をかけてる分、刺激がダイレクトに脳に来やがる……!)
背筋を突き抜けるような快感の稲妻。
あまりの衝撃に、俺は達也の胸に両手を突いて荒い息を吐き出した。
「はぁ……はぁ……つ、達也さん……っ」
「太刀葉……大丈夫か? 無理しなくて――」
「ううん……大丈夫……っ」
ふと、自分の心に余裕が生まれていることに気づく。
太刀葉の肉体が快感に慣れ、俺の制御下に完全に置かれ始めたのだ。
(ふふ……ここからが本番だ。男ってのはな、プライドの高い女が『初めての騎乗位で初々しく頑張ってる姿』に一番弱いんだよ)
俺はわざと少し眉を八の字にして困ったような顔を作り、上目遣いで達也を見つめた。
そして、たどたどしい手つきで自分の腰を少しだけ持ち上げ、ゆっくりと上下に揺らし始める。
「ん……あっ、こう、かな? 達也さん……恥ずかしいっ」
身体を上下させるたび、パステルブルーのレースで包まれた豊満な胸が目の前でゆらゆらと揺れる。
頬を真っ赤に染め、恥ずかしそうに視線を泳がせながら、一生懸命に動き続ける『初々しい妻』の演技。
「あ、あぁっ……! 達也さん……気持ちいい……? 私、うまく出来てる……?」
「っ~~~!! 最高だ、太刀葉っ! めちゃくちゃ可愛くて……たまらないよ!!」
達也の理性が完全に崩壊した。
彼の手が俺の細い腰をしっかりと掴み、下から押し上げるようにサポートしてくる。
「あッ! んぁッ、そう……そこッ! 達也さん、すごいっ……!」
鈴を転がすような甘い喘ぎ声が、寝室いっぱいに響き渡る。
(くははっ! 完璧だ! AVの知識と太刀葉の美貌が組み合わされば、ハイスペックな男なんて一ころだな!)
勝ち組CA・斉藤太刀葉が、一度も旦那に見せたことのなかった初々しく健気な姿。
それを今、演出して旦那を狂喜乱舞させているのは――引きこもりだった俺だ。
「んっ!ふぁあぁッ! 達也さん……私、もう……ッ!」
俺は達也の首に抱きつき、彼の耳元で可憐な悲鳴を上げながら、激しく腰を振った。
太刀葉の記憶と、女としての感覚が、怒涛の勢いで俺の精神へと染み込んでいくのを感じながら。
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「あっ、あぁっ! 達也さん!」
俺はAVで学んだ知識をそのまま実践し、太刀葉の膣壁にぎゅっと力を込めて締め上げた。
内側の肉がぐっと収縮し、達也のペニスを容赦なく圧迫する。
「っぐ!? た、太刀葉ッ! 締め付けるな。そんなのッ、もう限界!!」
達也の喉から絞り出すような悲鳴が上がった。
次の瞬間、太刀葉のお腹の奥深くに、ドクドクと焼けるような熱い塊が大量に注ぎ込まれる感触が広がった。
「あぁぁっ! す、すごい……熱いのが……入ってくるぅっ!」
達也が背中を大きく反らせ、俺の腰を強く抱きしめたまま震えている。
(ははっ! 出したな、達也さん! 完璧なタイミングだ!)
だが、俺はここで動きを止めなかった。
普通なら、男が射精した後は余韻に浸って力を抜くところだ。
だが俺の目的は、このハイスペックな旦那を完全に骨抜きにし、太刀葉の身体の記憶を極限まで俺の脳へ叩き込むこと。
「ん……くぁッ!」
俺は達也の胸の上に両手をつき、ぐっと両膝を開いて股を限界まで広げた。
そして、射精直後でなお熱を帯びたままのそれを抱え込んだまま、自ら腰を高く持ち上げ――そのまま勢いよく叩きつけた。
ズドキュン、と重い衝撃が太刀葉の肉体を貫く。
「あッ、あぁあぁあッ!!」
「っ!? 太刀葉っ!? お前、何して――っ!?」
射精直後の敏感なペニスに容赦なく打ちつけられ、達也が目を剥いて声を上げた。
俺は構わず、膝を大きく開いた姿勢のまま、まるで杭を打ち込むように激しく、そして深く腰を上下させ始めた。
ドスン、ドスンと、肉と肉がぶつかり合う淫らな音が寝室に響き渡る。
(逃がすかよ! 太刀葉の身体はまだまだ感じ足りてねぇんだよ!)
「んぁッ! あッ! あッ! 達也さんっ! 達也さんっ!」
(くそっ! 股を広く開けて自分から叩きつけると、奥の奥まで全部削り取られるみたいに響く! 快感がヤバすぎる!!)
脳が真っ白になるほどの激しい快楽の波。
だが、俺はどれだけ激しく腰を動かそうとも、表情とセリフだけは「健気で初々しい妻」を完璧に演じ続けた。
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頬を朱に染め、瞳に涙をうっすらと浮かべながら、可憐な声で懇願するように達也を見つめる。
「はぁっ、あぁっ! ごめんなさい……達也さんっ! 私、おかしくなっちゃったみたいっ!」
「太刀葉……お前、息がっ」
「だってぇ! 達也さんの熱いの、お腹の中にいっぱい出されたら、すごく、すごく愛されてる感じがして。私、止まれなくなっちゃって!」
「っ~~~!!」
達也の顔が赤衣に染まる。
ただでさえ『初めての騎乗位』で興奮していた旦那だ。
自分の射精によって妻の理性が吹き飛び、愛を求めて夢中で自分を求めてきている――そう思い込まされた達也の独占欲と優越感は、天井知らずに跳ね上がっていた。
「太刀葉! お前、そんなにかわいいこと言うなよ!!」
「あぁっ! 達也さんっ、私をもっと本当の奥さんにしてください! んんあぁぁッ!!」
言葉とは裏腹に、俺の腰の動きはどんどん苛烈さを増していく。
杭打ちのように正確に、そして深く、太刀葉の身体を達也の上へと叩きつけ続ける。
(ふふ、くはははっ! 最高だ! 達也の奴、自分が愛されていると思い込んで顔を歪ませてやがる!)
(お前が愛しているのはな、太刀葉の皮をかぶった俺なんだよ! お前も、このタワマンも、斉藤太刀葉のすべてが、いま俺の腰の下で転がされてるんだ!!)
「あッ! あぁぁッ! 達也さんっ、いっしょに、また、いこ! んぁああああっ!!」
背中が弧を描いて反り返り、パステルブルーの胸元からこぼれ出た豊満な胸が激しく揺れる。
太刀葉の肉体がもたらす極上の快楽と、他人の人生を根底から乗っ取った圧倒的な征服感。
その二つが完全に融合し、俺は激しい絶頂の渦の中へと呑み込まれていった。
61cc09ae No.4043
「んあっ……ふぅ……っ」
激しい絶頂の余韻が収まると、俺は達也の胸の上に崩れ落ちた。
全身から力が抜け、汗ばんだ肌がぴたりと重なり合う。
太刀葉の胸の鼓動が、達也の鼓動と重なってトントンと心地よいリズムを刻んでいた。
脳の奥深くで、最後のピースがパチリと嵌まるような感覚があった。
太刀葉の幼少期の記憶、高校時代に俺をいじめていた時の冷酷な優越感、CAの入社試験で発揮したしたたかさ、そして達也と出会った夜の胸の高鳴り――それらすべての「斉藤太刀葉の人生」が、完全に俺の意識と溶け合い、俺の所有物となった実感。
(すげぇな。もう、どこからが俺でどこからが太刀葉なのか、境目すら分からなくなるレベルだ)
「はぁ……はぁ……太刀葉……お前、本当に凄かったよ……」
達也が満足しきった顔で、俺の背中を愛おしそうに撫でてくる。
腕の中の「妻」が自分を愛するあまり理性を失ったと信じ切っている男の、どこまでも甘い吐息。
「ふふ……達也さんが素敵すぎるから……いけないのよ♡」
俺は太刀葉の可憐な声で囁き、彼の頬にちゅっと軽いキスを贈った。
「可愛いやつ……。明日も早いんだろ? もう寝よう」
達也は俺を優しく抱き寄せると、そのまま満足そうに深い吐息を漏らし、すぐにぐっすりと眠りについた。
規則正しい寝息が静かな部屋に響き始める。
俺はそっと達也の腕を抜け出し、ベッドから起き上がった。
足元に落ちていたシルクガウンを羽織り、静かに寝室を出て、広々としたリビングの大きなガラス窓へと向かう。
「ふぅ……」
窓ガラスに映る、夜景を背にした一人の美女。
乱れた髪、パステルブルーのレースから覗く色っぽい鎖骨、そして薄い唇。
どこをどう見ても、勝ち組CA・斉藤太刀葉そのものだ。
「……くくっ」
口元から、押し殺した笑いが漏れ出す。
引きこもりで、部屋の隅で怯えていたあの惨めな俺は、もうこの世界のどこにも存在しない。あの薬を飲んだ瞬間、俺の元の肉体は灰となって消えた。
そして今、俺は俺をどん底に突き落とした女の皮を被り、女の身体で、女の幸せをすべて横取りして生きている。
(これ以上の復讐が、この世にあるかよ?)
テーブルの上に置かれた太刀葉のスマートフォンが、ブブッと静かに震えた。
画面を見ると、メッセージアプリの通知が表示されている。
『太刀葉~! 明日のフライト、羽田からの便だよね? 一緒にカフェ寄ってから行こ!』
職場(同僚のCA)からのメッセージだ。
太刀葉の記憶を検索すると、明日は朝からフライトのシフトが入っている。
(CAの仕事か。フライトの知識も、英語のセリフも、客への接客スマイルも……全部頭の中に入ってる)
指先で滑らかに画面をフリックし、太刀葉の文章癖を完璧に模倣して返信を打つ。
『もちろん! いつものカフェで待ってるね♡』
送信ボタンを押すと、画面に映る自分の顔が、妖しく、そしてこの上なく美しく微笑んだ。
引きこもりだった俺の第二の人生。
それは、自分をいじめた女になりすまし、この煌びやかな世界の頂点で、みんなに愛されながら「斉藤太刀葉」として永遠に勝ち続ける――最高にイカれた物語の始まりだった。
61cc09ae No.4054
朝日がタワーマンションの静かな寝室に差し込んでいた。
鏡の前で、完璧に整えられたCAの制服――シワひとつないスカーフ、上品なメイク、そしてきっちりとまとめたシニヨンヘアの自分を見つめる。
(すげぇ。メイクの手順もスカーフの巻き方も、指先が勝手に動いて完璧に仕上がっていく)
ベッドでは、昨夜の激しい余韻に浸ったまま達也が気持ちよさそうに眠っていた。
俺はそっとベッドに近づくと、彼の頬に唇を重ねた。
「行ってきます、達也さん」
耳元で甘く囁くと、達也は薄っすらと目を開け、満足そうに目を細めて「行ってらっしゃい、太刀葉」と微笑んだ。
(くふっ。あははっ! 完璧だ! 一緒に夜を過ごした旦那ですら、目の前にいるのが俺だってことに1ミリも気づいてねぇ!!)
誰も気づかない。
世界中が騙されている。この圧倒的な背徳感と征服感が、全身の血を沸き立たせていく。
タワマンを出て、羽田空港内のいつものカフェへ向かう。
約束していた同僚の由紀が、すでにテーブルでカフェラテを飲んでいた。
「あ、太刀葉! おはよー!」
「お待たせ、由紀。おはよう」
太刀葉の記憶にある通りの完璧な歩み寄りと、華やかな笑顔。
座席に座り、優雅にコーヒーに口をつけると、由紀がじっとこちらの顔を覗き込んできた。
「ねえ……なんか今日の太刀葉、すごく艶っぽいっていうか、肌ツヤ良くない? 何かいいことでもあったの?」
(いいこと、か?)
俺の心の中で、黒い狂気がニヤリと笑う。
「ふふっ、別に? ただ……昨日の夜、一緒にお土産のスイーツを食べただけだよ」
「ほんとにー?相変わらずアツアツだねぇ! ほんと羨ましい、ハイスペ旦那様に愛されて、仕事も順調でさ!」
羨望の眼差しを向けてくる同僚。
俺は太刀葉の美しい唇で微笑みながら、優越感に浸った。
お前たちが羨んでいる斉藤太刀葉の中身が、26歳引きこもりニートの男だとは夢にも思うまい。
「さ、そろそろ行きましょうか。今日のフライト、気を引き締めていかないとね」
「そうだね! 今日は国内線のファーストクラス担当だもんね。太刀葉の接客、勉強させてもらうわ!」
ボーディングブリッジを渡り、機内へ足を踏み入れる。
ファーストクラスのシックで洗練された空間。政財界の重鎮や有名人が乗る最高峰のシートだ。
搭乗してくるVIP客一人ひとりに対し、極上の笑顔と会釈を向ける。
搭乗案内、上着のお預かり、ウェルカムドリンクの提供、メニューの説明――太刀葉の記憶と知識、洗練されたマナーが、何の淀みもなく身体から溢れ出てくる。
「斉藤さん、相変わらず完璧なアテンドですね」
先輩CAからの褒め言葉に、俺は控えめに微笑んだ。
「ありがとうございます。お客様に最高のお時間をお届けできるよう、尽力いたします」
かつて部屋の隅で社会から逃げていた俺が、今やVIP客たちをその笑顔ひとつで魅了している。
誰も俺の正体に気づかない。
誰も斉藤太刀葉の消滅を知らない。
俺は太刀葉の制服の胸元をそっと撫でながら、心の中で静かに呟いた。
(ご覧よ、太刀葉。お前が苦労して手に入れた最高のステージで……今日から俺が、完璧に輝いてやるよ)
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プレミアムクラスのギャレー(厨房エリア)で、緊張した面持ちでグラスの準備をしていた新人CAの美咲が目に入った。
まだ制服に着慣れていないフレッシュな空気。太刀葉の記憶を辿ると、今年度配属されたばかりの期待の新人だ。
(先輩CAという立場、使わない手はないな)
俺は足音を殺して美咲に近づき、背後からその細い肩にそっと手を置いた。
「美咲ちゃん。ちょっといいかしら?」
「ひゃいっ!? あ、斉藤先輩! お疲れ様です!」
急に声をかけられ、跳ね上がるように振り向く美咲。
その可憐な反応に、胸の奥で暗い愉悦が首をもたげる。
「姿勢が少し前のめりになっているわよ。ファーストクラスの担当者は、立っているだけでお客様を魅了するエレガンスが必要なの。……ほら、肩の力を抜いて」
俺は美咲の背後に回ると、指導を装って彼女の華奢な両肩に手を置き、そのまま滑らせるようにして背中からウエストへと指先を滑らせた。
「っ……あ、はい……!」
「腰の位置を意識して。ここに重心を置くのよ」
ぐっと腰を引き寄せるように、ウエストのラインを指先で少し強めに撫でまわす。
女性同士のスキンシップとしては少々しつこく、露骨な触れ方だ。
だが、憧れの先輩である『斉藤太刀葉』からの熱心な指導だと信じ切っている美咲は、顔を真っ赤にしながらも必死に言われた通りの姿勢を取ろうとしている。
(最高だな。先輩女子CAの立場なら、こんな風に若い女の子の体に触り放題かよ)
さらに俺は美咲の前へと回り込み、彼女の胸元に手を伸ばした。
「スカーフの結び目も少し緩んでいるわ。お客様は細かいところまで見ているのよ? ……ちょっとじっとしててね」
指先を美咲の首元に滑らせ、スカーフを整えるフリをしながら、ふくよかな胸の膨らみにさりげなく手の甲を押し当てる。
繊細な生地越しに伝わる、新人の柔らかい体温と高鳴る鼓動。
「は、はいッ……! 斉藤先輩、すみません、わざわざ直していただいて……!」
美咲は自分の胸元にしつこく触れられていることに微かな違和感を覚えつつも、憧れの先輩からの熱心な手ほどきに感動すら覚えているようだった。
瞳を潤ませながら、恐縮したように頭を下げる。
「いいのよ。美咲ちゃんには期待しているんだから。ね? 制服はこうやって、ラインを綺麗に見せるの」
仕上げとばかりに、彼女の二の腕から手首にかけて優しく撫で上げ、最後に柔らかい頬にそっと手を添えて微笑んでみせた。
「はいッ! 斉藤先輩のご指導通り、完璧にこなしてみせます!」
「ええ、期待しているわね」
純粋な尊敬の眼差しを向けてくる美咲を見つめながら、俺は太刀葉の美しい顔で優雅に微笑んだ。
(誰も疑わない。セクハラどころか『熱心で優しい先輩の愛の指導』だと思われてるんだからな)
かつて部屋の隅で誰とも関われずにいた俺が、今や権力と美貌を笠に着て、可愛い後輩を思いのままに弄んでいる。
女の皮をかぶった男の欲望が、またひとつ甘い背徳感で満たされていった。
110039e0 No.4087
ステイ先のシティホテルにチェックインを済ませ、キングサイズのベッドに倒れ込む。
高級感のあるシーツの香りと、静まり返った客室。一人きりになると、太刀葉の身体を通じて全身に広がる疲労感が、どこか心地よかった。
バスローブに着替え、スマートフォンを操作する。
画面に表示された『達也さん』の文字をタップし、ビデオ通話をかけた。
二回のコールで、画面に夫の顔が映し出される。
自宅のリビングで、少し寂しそうな表情を浮かべた達也だ。
「太刀葉? お疲れ様、無事にホテル着いたんだな」
「うん、さっきチェックインしたところ。達也さん、晩ごはんはちゃんと食べた?」
画面越しの俺は、首を少し傾けて可憐に微笑んでみせる。
カメラに映る自分の顔をチェックするが、少し乱れた髪とバスローブの胸元が、計算し尽くされた完璧な艶っぽさを演出していた。
「ああ、適当に済ませたよ。……なんかさ、昨日まで太刀葉がいたのに、一人だと部屋が広く感じて寂しいよ」
「ふふ、なに言ってるの。たった一泊じゃない。明日には帰るわよ?」
(ハッ、たった一泊で寂しがるとか、本当に俺(太刀葉)にメロメロだな……)
画面の向こうで達也が照れくさそうに鼻をかき、それから少し声を低くして画面に顔を近づけてきた。
「なぁ、昨日のこと、まだ思い出してんだ」
「えっ……昨日のことって……?」
知らぬふりをして、パチパチと大きな瞳やまばたきしてみせる。
「とぼけんなよ。顔の上に乗ってくれたり、騎乗位で激しく責めてくれたり……あんな激しい太刀葉、初めてだったからさ。今日も思い出して仕事中ソワソワしちゃっただろ」
「もうっ! 達也さんたら、何を思い出してるのよ……恥ずかしい……っ」
俺は両手で顔を覆い、頬を染めて見せた。
だが、指の隙間から覗く自分の口元は、ニヤリと歪んでいる。
(思い出してソワソワしてたのは、お前が愛する太刀葉じゃなくて、元引きこもりニートの俺が演出したプレイだけどな!)
「でも……達也さんが喜んでくれたなら、私、すごく嬉しいな。また明日帰ったら、もっと可愛がってくれる?」
「勿論だろ! 飛んで帰ってきてくれよ。明日、羽田まで迎えに行こうか?」
「ううん、気持ちだけで十分よ。お仕事忙しいんだから無理しないで? ……早く達也さんに逢いたいな」
「太刀葉……本当にお前、可愛くなったな。愛してるよ」
「私も……愛してるわ、達也さん」
甘い言葉を交わし、画面の向こうの旦那が名残惜しそうに電話を切るのを見届けた。
暗転した画面に映ったのは、勝ち組の余裕と狂気的な悦びを湛えた斉藤太刀葉の美しい顔だった。
「ふふ……っ、あはははっ!」
スマートフォンをベッドに投げ出し、俺は天井を見上げて低く笑った。
誰一人として疑わない。
旦那も、同僚も、世間も、すべてが俺の演じる「斉藤太刀葉」に踊らされている。
奪い取ったこの優雅で淫らな人生を、明日はどんな風に楽しんでやろうか。
太刀葉の滑らかな肌を自分で愛でながら、甘い夜の静寂に身を委ねた。
110039e0 No.4088
ホテルの静寂が、心地よく部屋を満たしていた。
(美咲ちゃんをこの部屋に呼び出して、先輩の権力で可愛がってやるのも一興かと思ったが……)
俺はふっと可憐な鼻から息を吐き、落ち着くことにした。
(まあ、急ぐ必要もないか。俺が斉藤太刀葉である限り、あの素直で可愛い後輩なんていつでも手料理みたいに召し上がれる。焦ってボロを出すより、この立場と権力をじっくり噛みしめる方がずっとスマートだ)
本物の太刀葉はもうどこにもいない。
この輝かしいキャリアも、ハイスペックな夫も、可愛い後輩たちも、これからの何十年という未来も――すべてが俺のものなのだから。
時間はいくらでもある。
「ふふ……今夜は、自分をたっぷり甘やかしてあげようかしら」
太刀葉の声で独りごちると、俺はホテルの着心地の良いバスローブの紐を緩めた。
前をはだけさせると、エアコンの冷気が火照った肌を優しく撫でる。
姿見の鏡に映る自分の姿――白い肌、引き締まったウエスト、そして昨夜の余韻がほんのりと残る艶やかな肉体。
ベッドへとしなやかに横たわり、ゆっくりと瞼を閉じた。
(自分の手で触ってるのに……やっぱり、女の体の感触ってすごすぎるな)
指先を滑らせ、胸の膨らみを下からゆっくりと揉み上げる。
手のひらに伝わる柔らかさと、脳へダイレクトに届く甘い痺れ。
自分自身の身体を愛撫しているはずなのに、まるで極上の美少女を思いのままに弄んでいるかのような錯覚と錯乱。
「んっ……あふ……」
口から漏れるのは、間違いなく太刀葉の艶っぽい吐息だ。
細い指先をゆっくりと降ろし、下腹部からさらに奥へと滑らせていく。
肌が擦れ合う微かな音が、高級ホテルの静寂に淫らに響いた。
(たまらないな。昼間はみんなの憧れの『完璧な客室乗務員』。夜は夫に愛される『健気な妻』。そして誰の目もないホテルの一室では自分の快楽に溺れる『淫らな女』)
頭の中で、太刀葉の記憶と俺の征服感がドロドロに溶け合っていく。
「太刀葉、本当にお前は最高の身体をしてるよ。声も、肌も、感じる場所も……全部、俺の思い通りだ」
かすれ声で囁きながら、指の動きを早めていく。
太刀葉の肉体がキュッと緊張し、背筋を突く強烈な熱波が脳髄を白く染め上げていく。
「あッ! んあぁっ! 気持ちいい! 太刀葉の身体……すごぃっ!!」
波打つ快感に身を任せながら、俺は心の中で昏い歓喜を叫んでいた。
誰も俺の正体を知らない。
誰もこの部屋で起きている狂気に気づかない。
世界中を騙し切り、勝ち組の絶頂で自らの快楽を貪っている。
「はぁッ……あぁぁぁっ!!」
大きく背中を反らせ、太刀葉の全身が歓喜の震えに包まれた。
静まり返った部屋で、荒い息を整えながら天井を見つめる。
指先に残る温もりと、身体を包む圧倒的な充足感。
俺は太刀葉の美しい顔で、満足気に口角を吊り上げた。
「さて。明日もフライトだ。早く寝て、お肌のコンディションを整えないとね」
バスローブを軽く整え、シーツを被る。
引きこもりだった男の新しい人生――斉藤太刀葉としての輝かしい毎日は、まだまだ始まったばかりだ。
59fa105c No.4097
アラームが鳴る前に、パチッと目が覚めた。
カーテンの隙間から差し込む朝日に照らされ、上質なシーツの感触を肌で確かめる。
驚くほど頭が冴え渡り、全身に満ち満ちるエネルギッシュな感覚。
暗い六畳間で昼夜逆転の生活を送り、重苦しい絶望とともに泥のように目覚めていたあの頃とは、何もかもが違っていた。
(良い目覚めだ。働いているからか、それとも誰からも羨ましがられる勝ち組の人生を生きてるからか。フフッ、きっとその両方だな)
ベッドの上に体を起こし、軽くストレッチをする。
背筋が美しく伸び、豊かな胸が揺れた。
この肉体は、ただ存在しているだけで世界から愛されるようにできている。
「さて……着替えるとしますか」
太刀葉の声で可憐に呟き、クローゼットへ向かう。
キャリーケースから取り出したのは、シックだが大胆な透け感のある黒のレースランジェリーだ。
繊細なレースが肌の白さを際立たせ、引き締まったウエストと優美なヒップラインを完璧に引き立てる。
鏡に映る自分の下着姿は、俺から見ても溜息が出るほどセクシーだった。
(これでよし……っと。旦那様にサービスしてあげないとね)
俺は下着姿のままスマートフォンを手に取り、達也の番号へビデオ通話をかけた。
画面が切り替わり、寝ぼけ眼の達也の顔が映し出される。
「ん、太刀葉……? おはよう……」
「達也さん、おはよう! もう朝だよ、ちゃんと起きられた?」
カメラのアングルを計算し、胸元から太ももにかけてのラインが画面にバッチリ映り込むようにスマホを構える。
「う、うわッ!? 太刀葉、お前……! なにそんな格好してんだよ!?」
画面の向こうで達也が一気に目を覚まし、ベッドの上で跳ね起きた。画面を食い入るように見つめ、鼻の下を伸ばしているのが手に取るように分かる。
俺はわざとらしく「あ……!」と声を上げ、恥ずかしそうに胸元を手で隠す仕草をしてみせた。
「ご、ごめんなさい! まだ着替えてる途中だったんだけど……達也さんの顔が見たくて、焦って通話ボタン押しちゃったの……」
「っ~~~! お前なぁ……朝からそんな刺激強い画像見せられたら、目のやり場に困るだろ……!」
「ふふ、困ってないじゃない。画面、すごく真剣に見つめてるよ?」
上目遣いで小悪魔のように微笑むと、達也は「くっ……」と呻き声を漏らし、顔を真っ赤にした。
「……昨日の電話といい、今朝といい、太刀葉は最近サービス精神が凄すぎるよ。早く帰ってきてくれ、マジで耐えられない」
「もう、達也さんたら。フライトが終わったら、急いで帰るからね? だからお仕事、がんばってね……私の大好きな旦那様♡」
「ああ! 最高のモーニングコールだったよ。気をつけて行ってこいよ、太刀葉!」
通話を終え、画面が暗転する。
暗いディスプレイに映ったのは、夫を完全に手のひらで転がし、優越感に満ち溢れた斉藤太刀葉の妖艶な笑みだった。
「ふふっ、くははっ! さーて、今日も完璧なCAを演じてきますか!」
俺は黒いレースの上から制服を身に纏い、最高に煌びやかな一日へと踏み出した。
2ed77943 No.4099
ホテルの重厚なエントランスロビーに降りると、すでに新人CAの美咲がパリッとした制服姿で待っていた。
「あ、斉藤先輩! お疲れ様です!」
姿勢良くお辞儀をする美咲。
だが、彼女が振り返って歩き出した瞬間、俺の目はタイトスカートの尻元に釘付けになった。
(おいおい、美咲ちゃん。下着のラインがうっすら浮き出ちゃってるぞ)
清楚な制服の生地越しに分かる、丸みを帯びたかわいらしいお尻の輪郭と、そこにクッキリと残るパンティライン。
ちなみに俺自身は、ホテルの部屋を出る前にぬかりなくTバックへと履き替え済みだ。
CAとしてのプロ意識……というよりは、お尻を包み込む独特の心許なさと背徳感を楽しむためだったのだが、図らずも「完璧な先輩」としての説得力を補強することになった。
「空港までタクシーで向かいましょうか」
「はいッ! ご一緒させていただけて光栄です!」
手配したタクシーに乗り込み、俺と美咲は後部座席に並んで座る。
移動中、車内の密閉された空間に、美咲の髪からふんわりと甘いシャンプーとコンディショナーの香りが漂ってきた。
朝の光を浴びた新人のフレッシュな匂いに、隣に座っているだけで胸の奥がソワソワと高鳴る。
(ふぅ、いい匂いだなぁ。制服の下にあの可憐なお尻が隠れてると思うと、たまらんね)
空港のプレミアムクラス専用降車場に到着し、タクシーを降りる。
ドライバーに礼を言って美咲が荷物を取り出したタイミングで、俺はすっと彼女の背後に回った。
そして――美咲のタイトスカート越しに、その柔らかいお尻へそっと手を添えた。
「ひゃあッ!?」
美咲が小さな悲鳴を上げて身体を跳ねさせる。
俺は優しく、だが逃がさないように腰のラインを撫で下ろしながら、彼女の耳元に顔を寄せた。
「美咲ちゃん、ちょっといいかしら?」
「さ、斉藤先輩!? あの、お尻……」
真っ赤になって狼狽える美咲に、俺は至極真面目で優しい「教育係」の表情を向けて微笑んだ。
「制服を着るときは、下着のラインに気をつけなくちゃダメよ。今、後ろから見たらパンティラインがクッキリ浮き出ちゃっていたわ。お客様は後ろ姿もよく見ているの」
「えっ! 嘘、本当ですか!? すみません、私、全然気づかなくてっ!」
恥ずかしさのあまり顔を両手で覆う美咲。
俺は指先でお尻の丸みをなぞり、ラインの境界線をなぞるように優しくポンポンと叩いて教え込んでやる。
指から伝わる、新人のプリッとした弾力。
(くぅ、触り心地最高だな。指導っていう名目があれば、どんなに触っても『感謝』されるんだから笑いが止まらねぇよ)
「こういうタイトなスカートの時はね、ラインが出ないシームレスか……私みたいに、Tバックを履くのがプロとしての嗜みなの」
そう囁きながら、自分の腰元をチラリと意識させてみせる。
「T、Tバックですか! 斉藤先輩、そこまで徹底されているんですね! 私、恥ずかしいです……ご指導ありがとうございますッ!」
「いいのよ。美咲ちゃんにはもっと素敵になってほしいから言っているの。今度、おすすめのTバック教えてあげるわね?」
「はいッ! ぜひ教えてください……!」
恐縮しながらも、瞳を輝かせて尊敬の視線を向けてくる美咲。
俺は太刀葉の美しい顔で優雅に微笑みながら、心の中で暗い征服感を爆発させていた。
(誰も気づかない。セクハラどころか、頼れる先輩からの愛の助言だと思われてるんだからな!)
「さあ、行きましょうか。今日のフライトも、完璧にこなすわよ」
「はいッ、斉藤先輩!」
Tバックの心許ない感触を臀部に感じながら、俺は可愛らしい後輩を従え、ターミナルビルへと堂々と足を踏み入れた。
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機内へと足を踏み入れると、そこは斉藤太刀葉が長年磨き上げてきたホームグラウンドだった。
ファーストクラスのキャビン。
落ち着いた照明と上質なレザーシートが並ぶ空間で、俺は立ち振る舞いひとつ、視線の配り方ひとつに至るまで、完璧な「トップCA」として振る舞った。
「お客様、本日はご搭乗ありがとうございます。お上着をお預かりいたしますね」
VIP客への接客は、思考するより先に身体が動く。
太刀葉の洗練されたマナーと記憶が淀みなく引き出され、客たちは俺(太刀葉)の極上の微笑みと美しい立ち振る舞いに、一瞬で魅了されていくのだった。
(くふっ……凄ぇな。ファーストクラスの客なんて、元ニートの俺なら直視すらできない雲の上の一流人物ばかりなのに、今や俺の笑顔ひとつでデレデレしてやがる!)
だが、俺にとっての本当の「お楽しみ」は、客の見えないギャレー(厨房エリア)で待っていた。
ドリンクの準備や軽食のセッティングを行うギャレーは、CAたちだけの密室空間だ。
「斉藤先輩、ファーストクラスのお客様全員のウェルカムドリンク、準備完了しました!」
テキパキと動いていた美咲が、少し汗をかいた額を拭いながら報告してくる。
「ありがとう、美咲ちゃん。手際が良くなったわね」
俺は優しく微笑むと、彼女に近づいた。
「でも、ちょっと待って。エプロンの紐が少し曲がっているわよ?」
「えっ! あ、すみませんっ!」
恐縮する美咲の背後に回る。
指導を装いながら、俺は彼女の細い腰に両手を回した。エプロンの紐を結び直すフリをして、手のひらで彼女のしなやかなウエストのくびれを滑らせ、背中から腰にかけて優しく撫でまわす。
「っ……あ……っ」
「よし、これで完璧。それと……少し頑張りすぎて汗をかいちゃったかしら? ほら、首筋に髪が張り付いているわよ」
俺は美咲の首元に指先を滑らせ、彼女の柔らかい後頭部の髪をそっと持ち上げた。
そして、耳元に顔をギリギリまで近づけ――ふーっと息を吹きかけながら、彼女の首筋から漂うフレッシュで甘い香りを深く吸い込んだ。
「ひゃんっ!? さ、斉藤先輩……ッ!?」
美咲の背筋がピクッと跳ね、耳まで真っ赤に染まる。
「あら、ごめんなさい。髪を整えてあげようと思っただけよ。……でも、美咲ちゃん、すごく良い匂いがするわね」
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太刀葉の艶っぽい声で耳元で囁いてやると、美咲は恥ずかしさと胸の高鳴りで完全にパニックになりながら、うっとりとした瞳で俺を見つめてきた。
「は、はいッ。斉藤先輩にそんな風に言っていただけるなんて……わたし、すっごく嬉しいです!」
(完全に『親身になって可愛がってくれる憧れの美貌の先輩』だと思われてやがる! 女性同士のスキンシップっていう免罪符、マジで無敵すぎるだろ)
さらに、通りかかった同僚の由紀に対しても手が緩むことはない。
カートを押し出そうとする由紀の横をすれ違う瞬間、わざと少し身を寄せて彼女のプリッとしたヒップラインに自分の太ももをそっと擦り付けた。
「あら、ごめんなさいね由紀。狭くて当たっちゃったわ」
「ううん、大丈夫! ていうか太刀葉、スタイル良すぎてすれ違うだけでドキドキしちゃうんだけど〜!」
「ふふ、そんなこと言って。由紀だって、今日の制服の着こなし、すごくセクシーで素敵よ」
そう言いながら、俺は由紀の肩に手を置き、指先で滑らかに彼女の二の腕から胸の横のラインへと優しく撫で下ろした。
「キャッ、もう〜! 太刀葉ってば、今日はなんかすごく積極的じゃない? 触り方がエッチなんだから〜!」
由紀は冗談めかして笑っているが、まさかその手つきが「26歳引きこもり男の欲望」によるものだとは夢にも思っていない。
ただの女子同士の仲の良いスキンシップとして、上機嫌で受け入れている。
(触り心地最高。美咲ちゃんのフレッシュな柔らかさも良いし、由紀の成熟した大人の身体もたまらん)
客室に出れば、完璧な接客でVIP客を骨抜きにする「伝説のCA」。
ギャレーに引っ込めば、可愛い同僚たちの身体を合法的にタッチし、甘い匂いを堪能する「女の皮をかぶった欲望の塊」。
仕事はそつなく、完璧以上にこなしてしまうのだから、誰からも文句は言われないどころか「さすが斉藤さん!」「憧れの先輩!」と絶賛の嵐だ。
(あはははっ!最高すぎるだろ、太刀葉の人生!!)
フライトが無事に終了し、羽田空港に降り立った頃には、俺の胸はかつてない充実感と優越感で満たされていた。
着替えを済ませ、姿見の鏡の前でシニヨンを解く。
ハラリと肩に落ちるサラサラの髪。
鏡の中の斉藤太刀葉は、今日も世界で一番美しく輝いていた。
スマートフォンを取り出すと、旦那の達也からメッセージが入っている。
『太刀葉、フライトお疲れ様! 今日の夜、お前の大好きなイタリアン予約したから、早く帰ってきてくれよ!』
画面を見つめながら、俺は太刀葉の美しい唇を満足げに歪めた。
(さて、昼間は可愛い同僚たちとイチャイチャ楽しんだし、夜は旦那様を手のひらで転がして、甘い夜を過ごすとしますか)
俺はスマートフォンをバッグに収め、ヒールの音を優雅に響かせながら、愛する旦那と最高の生活が待つタワーマンションへと帰路についた。
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タワーマンションの自室に足を踏み入れると、まずはドレッサーに向かい、クレンジングで丁寧にメイクを落とした。
鏡を覗き込む。
クレンジングで塗りを剥がしたあとの「すっぴん」の顔――それでも肌はキメ細やかで白く、パーツの配置も完璧だ。
(すっぴんでもこのレベルかよ。本当に非の打ち所がない顔だな)
そのままバスルームへ直行し、シャワーでフライトの汗と疲労をさっぱりと洗い流す。
温水が肌を滑り落ちる感覚に、ふと指先が股間へ伸びそうになった。
(いや、待て待て)
一瞬、脳裏をよぎったオナニーの衝動を、俺はぐっと踏みとどまって我慢した。
(今夜は達也とイタリアンディナーだ。その後、部屋に帰ってきたら間違いなく激しく求められる。ここで一人で出してしまうより、お預けを食らわせておいた方が、夜のプレイが何倍も激しく、気持ち良くなるはずだ……)
シャワーを上がり、バスタオルで髪を拭きながら脱衣所へ出ると、スマートフォンが短い電子音を鳴らした。
画面を見ると、達也からのメッセージが入っている。
『太刀葉、お疲れ様! ごめん、会社の用事で一度家に戻ると予約の19時に間に合いそうにないんだ。お店で現地集合にさせて!』
文章の下には、都心の高級イタリアンレストランの名前と住所、そしてマップのリンクが添えられていた。
『わかった、気をつけて来てね。現地で待ってる』
太刀葉らしい愛らしい文章で返信を打つ。
(よし……時間まで、じっくり準備を整えるとしようか)
クローゼットを開け、今夜着ていく勝負服と下着を選ぶ。
太刀葉自身が好むシックで大人っぽいデザインではなく、あえて達也の好みに全振りしたコーディネートをチョイスした。
下着に選んだのは、清楚さと甘さが同居した薄ピンクの繊細なレースランジェリー。
達也がこういう可憐な色合いに弱いのは、太刀葉の記憶から百も承知だ。
(ふふ……服を脱がせた瞬間、このピンクが見えたら旦那の奴、どんな顔するかな)
そして、プライベート用のメイクを施していく。
仕事用のきちんとしたCAメイクとは違う、肌の透明感を活かした柔らかいナチュラルトーン。リップも少し潤いを持たせ、男が「キスしたい」と思わせるような魅惑的な唇に仕上げた。
仕上げに、上品で甘い香水を首筋と手首にひと吹き。
鏡の中に現れたのは、仕事モードをオフにした、最高に可憐で色っぽい「愛される妻・斉藤太刀葉」の姿だった。
(完璧だ。さあ、達也さん。最高の夜を始めようか)
バッグを手に取り、俺はヒールの音を響かせて、約束のレストランへと向かった。
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「本当に美味しかったね、達也さん。特にあのアカザエビのパスタ、ソースがすごく濃厚で美味しかった……」
ワイングラスの脚を細い指先で弄りながら、俺は太刀葉の可憐な笑みを浮かべた。
テーブルマナーなんて元ニートの俺には縁のないものだったが、太刀葉の頭の中に刻まれた記憶と知識をトレースすれば、ナイフやフォークの扱いも、グラスの傾け方も、上品そのもの。達也は何の疑いも持たず、心底満足そうに目を細めている。
「だろ? ここのシェフ、本場イタリアで修行してたらしくてさ。太刀葉が喜んでくれて良かったよ」
そう言って、達也は少し名残惜しそうにグラスに残った赤ワインを飲み干すと、熱を含んだ視線を真っ直ぐにこちらへ向けてきた。
「……さて。お腹も膨らんだし、この後の時間、どうしようか?」
「え?」
「そのまま家に帰るのもいいけど……近くにさ、すごく景色のいい高級ホテルのラウンジがあるんだ。もう一杯だけそこで飲むか、それとも……」
達也がテーブルの下で、俺の膝の上にそっと自分の手を重ねてきた。
指先から伝わってくる熱量。
彼の瞳の奥には、昼間のモーニングコールの残像と、今夜の可憐なピンクの下着姿――まだ見ぬそれへの露骨な期待と欲望がメラメラと燃え上がっているのが分かる。
(ふふ、出たな。どっちを選ばせても、結局最後は俺の体を貪る気満々じゃないか)
俺はわざとらしく少し頬を染め、重ねられた達也の手を自分の両手で優しく包み込んだ。
「ねえ、達也さん……」
「ん?」
上目遣いで彼を見つめ、テーブルの下で太ももを少し擦り寄せる。
「お店で飲むのも素敵だけど……私、早く二人きりになりたいな」
「……っ」
「お家で、達也さんにたくさん甘えたいの。ダメ……かな?」
耳元で甘く囁くようなトーン。
夕食前、シャワーの時にオナニーをグッと我慢しておいたおかげで、太刀葉の身体自体も奥の方で疼き始めているのが自分でも分かった。
達也の喉がゴクリと鳴り、彼の手が力強く俺の手を握り返してきた。
「ダメなわけないだろ! すぐ帰ろう。タクシー呼ぶよ!」
「ふふ、うん……っ」
伝票を掴んで急いで立ち上がる達也の後ろ姿を見送りながら、俺は唇に指先を当て、誰にも見えないように黒い笑みを浮かべた。
(さあ、帰ろうか。お前が愛する完璧な妻の姿で、今夜もたっぷり狂わせてやるからさ)
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タクシーを降りてマンションのエレベーターに乗り込んだ瞬間から、達也の視線は熱を帯びていた。
部屋のドアを閉め、鍵がかかった次の瞬間――。
「太刀葉……もう無理、我慢できない!」
達也が待ちきれない様子で俺の細い腰を抱き寄せ、唇を奪おうと顔を近づけてくる。
(ふふっ……相変わらず余裕がない旦那様だな)
俺はクスッと可憐に笑うと、彼の胸元にそっと両手を当てて押し止めた。
「ちょっと待って、達也さん。焦りすぎよ? ねえ、一緒にお風呂に入らない?」
「お風呂? でも、今すぐ――」
「お外から帰ってきたばかりでしょ? キレイさっぱりしてから……ね? 私が全身、洗ってあげるから」
耳元で甘く囁き、上目遣いで覗き込む。
それだけで、達也は「分かったよ。すぐ入ろう」と素直に頷いた。
広々とした高級感のある脱衣所。
俺は達也の視線を背中に心地よく感じながら、ゆっくりとワンピースのジッパーを下ろしていった。
さらりと服が床に落ち、露わになるのは――今夜のために仕込んできた薄ピンクの繊細なレースランジェリー。
「っ! 太刀葉、その下着!」
「ふふ、気づいた? 達也さん、こういうの好きでしょう?」
わざとらしく腰を捻り、ピンクのレースで包まれた豊満な胸と引き締まったウエスト、そしてしなやかなヒップラインを全身で見せつける。
達也の目が釘付けになり、生唾を飲み込む音が聞こえた。
俺は可憐な微笑みを浮かべたまま、ゆっくりとショーツの脇に指をかけ、滑らかに脚を滑らせて脱ぎ捨てる。
完璧な肉体を惜しげもなく晒し、戸惑う達也の手を引いてバスルームへと踏み入れた。
湯気が立ち込める広い浴室。
俺は達也をバスチェアに座らせると、シャワーを温かい温度に調整し、スポンジにボディソープをたっぷり泡立てた。
「はい、じっとしててね? 達也さん……」
「あぁ……太刀葉に洗ってもらえるなんて、なんだか照れるな……」
「ふふ、夫婦なんだから今さら照れなくてもいいのに」
優しく肩から胸元、そして引き締まった背中へと、泡立ったスポンジと滑らかな手つきで洗い上げていく。
太刀葉の繊細な指先が肌を撫でるたび、達也の身体が気持ちよさに強張るのが分かった。
そして、手元をゆっくりと下腹部へと滑らせていく。
「んッ! 太刀葉……そこは自分で……」
「ダメよ、ちゃんと全身キレイにしないと。……ここも、丁寧に洗ってあげる」
俺は手で濃密な泡をすくい取ると、達也の脚の間にそっと手を伸ばした。
すでに熱を帯びて大きくなりつつあるそこを、指先で優しく包み込み、ゆっくりと泡で包み込むように撫で上げていく。
「あっ……くぅっ……! 太刀葉、指つきが……やばいってっ!」
「ふふ、気持ちいい? 隅々までキレイにしてあげるからね……」
(ははっ! 泡越しに指先を絡めてやると、顔を真っ赤にして耐えてやがる。引きこもりだった俺が、ハイスペ旦那のモノを優しく洗って手玉に取ってるんだから笑いが止まらねぇな!)
丁寧にすすぎ流すと、達也のものはすっかり硬く立ち上がっていた。
「はぁ……はぁ……太刀葉、次は俺がお前を洗う番だ」
荒い息を吐きながら、達也が立ち上がる。
スポンジを受け取ると、今度は俺の身体を包み込むように泡を滑らせてきた。
「んっ……あ……っ」
達也の大きな手が、泡越しに太刀葉の豊満な胸を包み込み、優しく揉みほぐしてくる。
首筋から鎖骨、そして胸の先端へと指先が掠れるたび、太刀葉の肉体が甘く反応して背筋がゾクゾクと痺れた。
「太刀葉……肌、すごくスベスベで……最高の匂いがするよ……」
「あふっ……ん……達也さんの手……すごく温かくて、気持ちいい……っ」
(くそっ……身体が勝手に感度上げてやがる! 旦那に洗われてるだけなのに、奥が熱くなってきやがった!)
「もう我慢できない……! 太刀葉、湯船に入る前に……ここで抱かせてくれ!」
「あっ……達也さんっ……!」
全身を泡と温水で清められた二人。
湯気の中で輝く太刀葉の美しい身体を抱き寄せ、達也の瞳には欲望の炎が激しく燃え上がっていた。
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濡れたタイルの上、俺はゆっくりと身をかがめ、バスルームの大きな鏡に両手をついた。
背後から迫る達也の熱い吐息を感じながら、腰を軽く落とし、豊満なお尻を彼の方へと突き出す。
立ちバックの体勢。
湯気で少し曇った鏡には、赤く火照った太刀葉の顔と、水滴を弾いてピンと固く尖った乳首が鮮明に映し出されていた。
(くくっ、見ろよ。鏡の中の『完璧な妻』のこの淫らな姿を……)
「太刀葉……お前、なんて格好してるんだ……っ。美しすぎて、狂いそうだ……!」
達也の掠れた声が耳元に届き、彼の手が太刀葉の細い腰を力強く掴み取る。
夕食時の我慢と、さっきの全身の愛撫によって、太刀葉の身体はすでに準備万端だった。
溢れ出る蜜で濡れそぼった部位は、熱を帯びて激しく蠢いている。
「達也さん……早く、いれて。もう待てないの」
太刀葉の甘い声で乞うと、達也は待ちきれないように自らの熱い肉根をあてがい、ゆっくりと体重をかけてきた。
ズ……と、滑らかな感触とともに、太い塊が抵抗もなく奥へと滑り込んでくる。
「あッ……! んぁあああッ……!」
愛液で満たされた内部が、彼の大きさをあますところなく包み込んでいく。
あまりの密着感とダイレクトな刺激に、俺は思わず背中を反らせ、鏡に向かって甲高い喘ぎ声を漏らした。
(っ~!? 入って……きたッ! スムーズすぎて、奥の奥まで一気に届きやがる……ッ!)
「はぁ、はぁ……太刀葉……すごいぞ、お前……! すごく濡れてて、最高に締め付けてくる……っ!」
「あふっ……んッ! 達也さんの……大きいの、全部入ってきたっ! すごぃ、奥まで叩かれてるみたい」
鏡越しに視線が交差する。
そこに映っているのは、夫からの愛に歓喜し、快楽に頬を染める可憐な妻の表情。
だが、その瞳の奥で揺らめいているのは、このハイスペックな男を完全に手玉に取り、人生を根底から奪い去った俺の勝ち誇った笑みだった。
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「あッ……! あぁぁッ、そこっ……達也さんっ、ダメぇッ!」
達也が腰の位置を少し低く落とし、下から突き上げるような角度へと軌道を変えた瞬間、太刀葉の膣内の最も敏感な天井部分――Gスポットへ、硬い先端がズドンと深く叩きつけられた。
(っ~~~!? な、なんだこれっ!? 脳みそが沸騰する……ッ!!)
体の奥底から突き上げる強烈な痺れに、俺は思わず鏡に手をついたまま背中を大きく反らせた。
鏡に映る太刀葉の顔は、あまりの快感に目尻に涙を浮かべ、口を大きく開けて可憐な悲鳴を上げている。
「太刀葉……っ! ここか? ここが気持ちいいのか……っ!?」
「あぁッ! はぁっ、そう……っ! そこッ、達也さんのすごいの当たってる……ッ! 狂っちゃう、頭おかしくなっちゃうよぉっ……!」
達也は俺の悲鳴のような歓喜の声にさらに煽られ、激しく腰を叩きつけ始めた。
パン、パンと、濡れた肉体がぶつかり合う淫らな音が浴室のタイルの壁に反響する。
押し付けられるたびに、角度を合わせた突き上げが的確にGスポットをグリグリと擦り上げていく。
「あッ! あッ! あッ! んぁあああッ!! すごぃ、すごぃよ達也さんっ! 私のナカ、壊されちゃうぅっ!」
(くそっ……! 太刀葉の体の感度、どんだけ高いんだよ……ッ! 男の時には絶対に味わえなかった、全身の細胞が一斉に弾けるような快感が押し寄せてきやがる……)
「太刀葉……お前、最高だ……ッ! こんなに締め付けて、俺を狂わせる気か……ッ!」
「ひぁっ……! 達也さんっ、私……っ! 私、もうダメ……っ! またいっちゃう……っ! 一緒にいかせてぇッ!!」
俺は可憐な声で狂ったように叫びながら、太刀葉の肉体の奥をぎゅっと締め付けた。
鏡の中で自分の情けないほど乱れた表情と、それを見て独占欲を剥き出しにする達也の顔が交錯する。
(ははっ……。気持ち良すぎておかしくなりそうだ……。お前が愛する太刀葉の体を、お前自身の手で極上の感度に開発して、俺に捧げてるんだよッ!)
「あぁぁあッ! 達也さんっ! 達也さぁぁんッ!!」
激しい衝撃と絶頂の波が押し寄せ、太刀葉の体は大きな震えとともに激しく跳ね上がった。
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「ん……あ……っ」
激しい余韻に包まれたままシャワーで身体を流すと、俺たちは広々とした浴槽に並んで身を沈めた。
たっぷりの湯が波打ち、火照った肌を優しく包み込む。
達也は背後から俺をそっと抱きかかえるようにして腰掛け、俺の背中を自分の胸にぴたりと密着させていた。
「ふぅ……太刀葉、温かいな……」
「うん……すごく気持ちいい……」
達也の太い腕が俺の胴体に回され、その手が滑るようにして豊満な胸へと伸びる。
優しく包み込むように撫で、指先で柔らかい弾力を確かめるように揉みほぐしてきた。
「はぁ、太刀葉の胸、いつ触っても柔らかくて最高だな。肌もスベスベだし、お前とこうしてお風呂に入ってるだけで幸せだよ」
「もう、達也さんったら、さっきあんなに激しくしたのに、まだ触り足りないの?」
俺は首を少し傾け、太刀葉の甘い声でくすくすと微笑んでみせた。
「足りるわけないだろ。お前が可愛すぎるのが悪いんだよ」
そう言って、達也は俺の肩口に優しくキスを落とす。
(相変わらず俺(太刀葉)に夢中だな、この男は……)
お湯の温かさと達也の愛撫に身を任せながら、俺は自分の身体の奥に意識を向けた。
激しい絶頂の波は引き引いたものの、達也に深く突き上げられた膣の奥は、まだ熱を帯びてジンジンと痺れるように疼いている。
(くそっ、興奮は落ち着いたはずなのに、奥のジンジンした感覚が消えねぇ。男の時には絶対に知らなかった、身体の奥底から込み上げるようなこの感覚、クセになりそうだ)
一度あの強烈なGスポットへの刺激と快楽を知ってしまうと、太刀葉の肉体がもっとそれを欲しがっているのがよく分かる。
(せっかくの出張明けの夜だ。このままお風呂だけで終わらせるなんて勿体なさすぎるだろ。お風呂を出たらベッドでおねだりして、もう一度あの頭が真っ白になるような感覚を味わわせてもらうとするか)
俺は湯船の中でくるりと向きを変え、達也の胸に自分からすがりついた。
「ねえ、達也さん……」
「ん? どうした?」
上目遣いで彼を見つめ、濡れた瞳でじっと微笑みかける。
「お風呂から上がったらベッドで、もっと私を愛してくれる?」
「太刀葉! お前、まだそんな元気残ってるのか?」
達也の瞳に、再びメラメラと怪しい熱が灯るのが見えた。
「だって……達也さんのさっきの、すごく気持ちよかったから……。お腹の奥が、まだ熱くてソワソワしちゃうの。ね? お願いっ♪」
「っ~~~! 当たり前だろ! 今夜は朝まで逃がさないからな!」
達也が感極まったように俺を強く抱きしめ返してくる。
その胸の中で、俺は可憐な妻のフリをしながら、ニヤリと黒い笑みを浮かべた。
(今夜は斉藤太刀葉として、この極上の肉体と夫の愛を……骨の髄まで貪り尽くしてやるよ)
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湯上がりのほてった身体をシルクのガウンで包み、俺たちは静かな寝室へと移動した。
間接照明の柔らかな光が届くベッドの上。
俺は達也の胸に体を預け、彼の指先が俺の濡れた髪を弄る感触を愉しんでいた。
(さて、そろそろ本番と行きますか。今の俺は『旦那様を愛してやまない可憐な妻』。達也をさらに俺の奴隷にするためなら、よほど狂った注文でもない限り、喜んで受けて立つつもりだ)
俺は太刀葉の可憐な声で、彼の耳元に吐息を吹きかけた。
「ねえ、達也さん。今夜はどんな風にされたい? 達也さんのしたいこと、私になんでも教えて?」
「太刀葉……本当になんでも聞いてくれるのか?」
達也の瞳が一瞬で怪しく輝く。
彼は少し照れくさそうに視線を泳がせながら、躊躇いがちに口を開いた。
「実はさ……ずっと気になってたんだけど、ちょっとしたコスチュームとか……着てくれたりしないかなって」
「えっ、コスチューム……?」
予期せぬ提案に、俺は少し驚いたフリをしてパチパチと目を瞬かせた。
「どんなものを着てほしいの、達也さん?」
「あ、いや……ほら、覚えてるか? 数年前のハロウィンの時、二人で部屋でパーティーしただろ? あの時に太刀葉が着てくれた……ナース服」
「昔のハロウィンの……ナース服?」
(ナース服!太刀葉の記憶を検索すると……あぁ、あった!胸元がかなり深く開いた、白地にピンクのラインが入ったあのミニスカナースか!)
太刀葉の記憶の中から鮮明に引っ張り出されたその衣装は、清楚な見た目の割に丈が極端に短く、露出度の高い代物だった。
(くくっ、男の願望丸出しじゃねぇか! 最高のオーダーだろそれ!)
心の中で黒い歓喜を叫びつつも、俺は頬を染めて困ったように上目遣いで達也を見つめた。
「もう、達也さんったら、あんな昔のこと覚えてたの? 恥ずかしいなぁ」
「ダメか? 急にヘンなお願いしてごめんな」
「ううん、ダメなんて言ってないよ? ……達也さんが喜んでくれるなら、私、着てあげたいな。クローゼットの奥に、まだしまってあると思うから……探してくるね?」
「太刀葉!本当にか!?」
ぱっと顔を輝かせる達也。
俺はガウンの裾を揺らしながらベッドを降り、クローゼットへと向かった。
(待ってろよ、達也さん。完璧な『お仕置きナース』になって、今夜も限界まで狂わせてやるからさ!)
7d2bb7b2 No.4160
ウォークインクローゼットの奥をかき分けると、目当ての衣装が入った小さな箱が見つかった。
フリルがあしらわれた極小のミニ丈スカートに、胸元がV字に深く開いた白いナース服。
付属のナースキャップと薄手の白ストッキングを取り出し、姿見の前で手早く着替えていく。
(うわ!凄っ。丈が短すぎてお尻の下のラインがギリギリ見えそうだし、胸元も谷間が丸見えじゃねぇか!)
解いたサラサラの髪にナースキャップを乗せ、細い脚に白ストッキングを滑らせる。
鏡に映ったのは、清純なナース服に身を包みながらも、圧倒的な露出度で見る者を狂わせる斉藤太刀葉の姿だった。
(元引きこもりの俺が、こんな格好でハイスペ旦那をお手玉にする立場になるなんてな。太刀葉のこのボディ、使えば使うほど威力がヤバすぎるだろ)
コンコン、と軽く寝室のドアを叩き、少し恥ずかしそうにドアノブを回した。
「達也さん……着替えてきたよ? どうかな、変じゃない?」
ベッドの上で待ち構えていた達也が、一瞬で息を呑んだ。
その瞳が限界まで見開かれ、顔中に熱い血が上っていくのが分かる。
「た、太刀葉ッ!? お前……凄すぎる……! 当時よりずっとセクシーで……俺、頭がおかしくなりそうだ!」
「もう、そんなにじろじろ見ないで……恥ずかしいじゃない。でも……達也さんが喜んでくれて良かった」
俺は裾を少し手で押さえる仕草をしながら、上目遣いで可憐に微笑んだ。
そして、ベッドの縁へと静かに歩み寄ると、しなやかに達也の体の上に跨がった。
V字に開いた胸元から覗く豊満な胸が、達也の視界を覆い尽くす。
俺は太刀葉の甘く優しい声で、彼の耳元にそっと吐息を吹きかけた。
「ねえ、患者さん……どこがそんなに辛いの? 太刀葉看護師が……優しく、お手当してあげますね……?」
「っ~~~!! 太刀葉……! もう耐えられない、今すぐお前を抱かせてくれ!」
(完璧にかかったな!お前が愛する太刀葉の皮を被って、今夜もその理性を木っ端微塵に砕いてやるよ)
興奮で熱くなった達也の胸に自分からしがみつき、俺は勝ち誇った笑みを暗闇に潜ませながら、甘く淫らな夜の深みへと身を投じていった。
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「まずはお薬を飲みましょう」
俺はナース服の胸元をさらにだらしなくはだけさせ、ピンと固く尖った乳首を達也の目の前につき出した。
「お薬って、おい、それは……!」
「ほら、お口を開けて? いい患者さんは、看護師さんの言うことを聞くものよ?」
潤んだ瞳で見つめながら、太刀葉の柔らかく甘い声でそう囁く。
達也はすでに理性を蒸発させ、狼狽えながらも言われるがままに大きく口を開けた。
俺は自分の胸をそっと押し広げ、その先端を達也の熱い口内へとスライドさせるように深くくわえさせた。
「んむっ!?」
「あぁっ、そう……上手。お薬、いっぱい吸ってくださいね」
ずるりと口の中に収まった柔らかい肉感に、達也の喉がゴクリと大きく鳴る。
舌先が敏感な先端を舐め回し、吸い上げるようにして強く吸引し始めた。
「んちゅっ、れろ、じゅるっ……。あぁ、太刀葉の……っ、甘い……っ!」
「はぁっ……んんっ……! そんなに強く吸ったら、お薬が出すぎちゃう」
下から突き上げるような吸着と、熱い舌の刺激。
服を着たままのプレイだというのに、胸元から直接脳髄まで痺れるような強烈な快感が這い上がってくる。
(ただの乳首吸いなのに、太刀葉のこの体の敏感さは異常だろ。口の中が温かくて、吸われるたびに奥が勝手にキュンキュン締まりやがる)
鏡文字のように脳内で渦巻く征服感と、女の肉体がもたらす容赦ない快楽の波。
俺は達也の髪を両手で優しく愛おしそうに掴みながら、さらに腰を揺すって彼の顔を胸元に押し付けた。
「お薬の効き目はどうですか? もっともっと、たくさん吸って……私をいっぱい感じてね、達也さん」
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「んっ、じゅるっ。ちゅーっ……! あぁ、たまらない。美味いよ、太刀葉」
達也はすっかり理性を取り戻す暇もなく、俺の胸にむしゃぶりついていた。
舌でねっとりと愛撫され、吸い上げられるたびに、乳首の先から全身の神経がビリビリと痺れていく。
(普段の真面目な旦那が、こんなに必死になって俺の胸にしゃぶりついてやがる。元引きこもりの冴えない俺が、こんな最高の勝ち組ライフを思うままにしてるなんて、いつ考えても最高すぎるだろ)
俺は艶やかな黒髪を優しく撫でるふりをしながら、心の中で黒い笑みを弾ませた。
「ふふ、そんなに夢中になって、いい患者さんね。でも、お薬はまだこれだけじゃないわよ?」
ナース服のミニスカートをさらにたくし上げ、生足の太ももを達也の腰に絡みつかせる。
すでに我慢の限界を超えて硬く熱くなっている彼の股間の膨らみが、薄手のショーツ越しに俺の下腹部にゴツゴツと押し付けられた。
「太刀葉……薬なんていらないから、今すぐお前が欲しい!」
「ダメよ、看護師さんの言うことは絶対なんだから。それとも、お仕置きされたいのかしら?」
そう言って、俺はナースキャップを少しずらし、挑発的な小悪魔の笑みを浮かべてみせた。
達也はもう言葉を失い、血走った目で俺の身体を見上げる。
その首筋を引き寄せ、俺は彼の唇に自分のそれを重ね合わせた。
「んっ……ぶ……っ!」
濃厚なキスを交わしながら、俺はゆっくりと腰を浮かせ、彼の熱い突起をその受け皿へと導いていく。
「ぁっ! あぁぁあッ!!」
一気に突き入れられた強烈な感触に、寝室の天井が白く染まったような錯覚に陥る。
ナース服の白とピンクのレースが激しく揺れ動き、静かな夜の部屋に、甘ったるい喘ぎ声と淫らな水音が響き渡っていくのだった。
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(はぁ……はぁ……、まったく、あの旦那め……)
息を整えながら、横たわる達也の寝顔を横目で見やる。
あの後、俺のナース服姿に完全に狂わされた達也は、まるで獣のように何度も俺に覆い被がり、結局一晩で3回も激しく果てていった。
途中からはもう好きにさせてやったが、どんな体位で攻められようとも、太刀葉のこの肉体は底知れない感度と熱を放ち続け、何度も脳髄を焼き尽くすような絶頂を味あわせてくれた。
お互いに限界まで搾り出し合ったのだろう。
最後はいつの間にか、絡み合ったままの状態で深い眠りに落ちていたらしい。
静まり返った寝室には、規則正しい達也の寝息だけが響いている。
俺はゆっくりと上半身を起こし、シーツが滑り落ちて露わになった自分の肌に視線を落とした。
あちこちに残る赤い痕や、全身を包む心地よい気だるさ。
(元引きこもりだった俺が……今やハイスペックな勝ち組CAの体を完全に自分のものにして、イケメンの夫を毎晩こんな風に骨抜きにしてるんだよな……)
鏡に映るすっぴんの太刀葉の顔は、昨夜の快楽の余韻でどこか妖艶に、そして満ち足りた美しさを放っていた。
この生活のすべてが、俺の手の中にある。
薬の効果と、この体で積み重ねていく記憶が、俺を本物の「斉藤太刀葉」よりも完璧な存在へと仕立て上げていく。
「……お疲れ様、旦那様」
眠る達也の髪を指先でひと撫ですると、俺は満足感に浸りながら、再び心地よい眠気の中へと身を委ねた。
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目覚まし時計が鳴る少し前、陽の光がカーテンの隙間から差し込むのを感じて目を覚ました。
隣のベッドを見ると、すでに達也の姿はない。
枕元に残されたスマートフォンに視線をやると、数分前に届いたメッセージ画面が光っていた。
『急なトラブルで、休日出勤になった。せっかくの休み一緒に過ごせなくてごめん!昼過ぎには戻れるように頑張るから、待っててくれ』
「ふふ、相変わらず忙しい人ね。休日なのに会社に呼び出されるなんて、稼ぐ男は大変だこと」
ベッドの上で軽く伸びをすると、昨日までの激しい営みの名残が、全身の筋肉の心地よい気だるさと共に蘇ってきた。
あのタフな達也を3回もイカせ、自分も何度も果てたというのに、今の俺の身体には不思議と淀んだ疲れがない。
むしろ、みなぎるような生命力と、この「太刀葉」の肉体で生きること自体への高揚感に満ち溢れていた。
(さて……旦那がいない今日は、どうやって過ごそうか)
選択肢はいくらでもある。
ショッピングに行って、話題のブランドやコスメを買い漁り、街ゆく人の視線を独り占めする優越感に浸る。
それとも、散歩に行って、美しい身なりで高級住宅街やカフェを歩き、すれ違う男たちの目を釘付けにする。
いや、家でゆったりして誰にも邪魔されず、この極上のボディの感触を自分で隅々まで愛でながらまったり過ごす。
どれを選んでも、「ニートだった俺」ではなく「完璧なキャリアウーマン・斉藤太刀葉」として体験するのだから、退屈なはずがない。
(この身体で感じるすべてのことが、今は新鮮で、楽しくて仕方がない。さて、まずはどうしようかしらね)
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(女になった特権をフルに味わうなら、スパで決まりだな)
太刀葉の記憶を検索すると、すぐに行きつけの高級スパ&サウナの情報が頭に浮かんできた。
都心の超高層ビルに入っている、完全会員制プライベートスパだ。
VIPやセレブ御用達の場所で、元の俺の人生なら一生入り口すら跨げなかったような最高級の施設である。
スマートフォンの画面を指先で滑らせ、専用アプリから予約状況を確認する。
(お、ラッキー。ちょうど1時間後にメインサウナとトリートメントの枠が空いてるじゃないか)
すかさず予約ボタンをタップし、手際よく手続きを完了させた。
「ふふ、やっぱり日頃の行いがいいからかしらね」
太刀葉の可憐な声でひとりごちると、俺はクローゼットからスパ用の着替えと高級ブランドのバッグを取り出した。
洗練されたナチュラルメイクを施し、髪を軽くアップにまとめる。
鏡の中に映るのは、休日の開放感に包まれた完璧な美女の姿だ。
(自分の体を極上のスパで磨き上げて、サウナでととのう。女の身体で味わうサウナと水風呂の快感って、一体どんな感じなんだろうな?)
想像するだけで、下腹部の奥がうずうずと期待に震えた。
俺は軽やかな足取りでマンションを後にし、タクシーに乗り込んで目的地の高級スパへと向かった。
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高級スパの更衣室に足を踏み入れると、そこはラグジュアリーなアロマの香りと、非日常的な空間が広がっていた。
ロッカーの周囲には、いかにも裕福そうなマダムから、モデルのようにスタイルの良い若い女性まで、幅広い年齢層の美女たちが集っている。
だが、誰もが自分のスタイルや身に着けているものに絶対の自信を持っているかのように、悠然とした仕草で服を脱ぎ進めていた。
あえて隠す素振りも見せず、しなやかな裸身を惜しげもなく晒し出している。
(へぇ、なるほどな。ここはリラックスする場所であると同時に、女たちの無言のプロポーション自慢の場ってわけか)
俺は心の中でニヤリと黒い笑みを浮かべた。元ニートの男の目線から見れば、視界のすべてが眩しすぎるほどの楽園だ。
周囲の美しい肌やしなやかなボディラインを横目で密かに堪能しつつ、俺も自分のロッカーを開け、着ていた服のボタンをひとつずつ外していく。
服を脱ぎ捨て、下着一枚になった瞬間――周囲の視線が、かすかにこちらへ集まったのを肌で感じた。
引き締まったウエスト、ふっくらと豊かな胸の膨らみ、そしてすらりと伸びた手足。
斉藤太刀葉のこの肉体は、どんな若い美人が相手だろうと、一歩も引かないどころか圧倒的な存在感を放っている。
(見ろ見ろ。どんなに自分に自信がある女たちだって、この太刀葉の身体には勝てねぇだろ)
鏡に映る自分の美しさを確信しながら、俺は堂々と下着も脱ぎ捨てた。
生まれたままの姿になり、濡れたような白く美しい肌を露出させると、俺はヒールのないスリッパを鳴らして、湯気が立ち込める大浴場とサウナエリアへと足を向けた。
女の身体で味わうサウナと、この極上の空間。これから始まる「最高のご褒美時間」に、期待で身体の奥がじんわりと熱を帯びていくのを感じていた。
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ととのい椅子から立ち上がると、俺はわざとらしくゆっくりとした足取りで歩き出した。
サウナ室から出てきたばかりの火照った体。
水滴を弾く白く引き締まった肌と、歩くたびにしなやかに揺れる豊かな胸、そしてきゅっと引き締まったヒップライン。
周囲のセレブ美女たちが、一瞬言葉を失って俺の身体を目で追っているのが分かる。
(ふふ、見ろ見ろ。どんなに高価なドレスで飾ったマダムも、生まれ持ったこの完璧なプロポーションの前じゃ形無しだろ)
俺は心の中でニヤリと嘲笑いながら、今度はチラリと周りの女たちに視線を送った。
スラリと伸びた脚を持つモデル風の美女、豊満なボディラインを隠そうともしないマダム――。
(へぇ、あの人もなかなかいい体してんな。でも、太刀葉のこの感度とスタイルには勝てねぇよ。女の身体で女を品定めするなんて、元ニートの俺からしたら贅沢すぎる遊びだな)
視線の優越感を存分に味わった後、俺はガウンを羽織って個室のエステサロンへと向かった。
落ち着いたアロマの香りが漂うプライベートブース。
ベッドにうつ伏せになると、熟練の女性エステティシャンが恭しく頭を下げた。
「斉藤様、本日もよろしくお願いいたします。お仕事でお忙しかったのではないですか? 肩から背中にかけて、少しお疲れが出ているようですね」
「ええ……ここ最近、フライトが続いていて。でも、こちらでほぐしていただくのをずっと楽しみにしていたの」
太刀葉の記憶にある声をトレースし、品のある落ち着いたトーンで答える。
「まあ、国際線のフライトは本当にお体を使いますものね。それにしても斉藤様、相変わらずお肌がツヤツヤで、ウエストのラインも本当に理想的です。何か特別なケアをされているんですか?」
エステティシャンの温かい手が、オイルを滑らせながら背中から腰へ、そして太ももへと吸い付くように揉みほぐしていく。
「ふふ、特別なことなんて……。主人がとても愛してくれているから、そのおかげかしら?」
「まあステキ! 旦那様と本当に仲がよろしくて羨ましい限りです。お体全体がすごく柔らかくて、愛されている女性の肌って本当に違いますね」
(はは! まさかこの『斉藤太刀葉』の中身が元ニートの男で、昨夜も旦那を骨抜きにした挙げ句、いまアンタの言葉をニヤニヤしながら聞いてるなんて夢にも思ってないだろ!)
エステティシャンの心地よい愛撫のようなマッサージと、「完璧なCA・太刀葉」として完璧に会話を成立させている背徳感。
「あ……ん……そこ、すごく気持ちいいわ……」
「お力加減、大丈夫ですか? 斉藤様は本当に筋肉のつき方がしなやかで、触らせていただいている私までうっとりしてしまいます」
「ありがとう……。あなたの上手な施術のおかげで、すっかりほぐれていくわ」
騙されているとも知らず、プロの技術で俺の身体を極上にケアしてくれるエステティシャン。
ばれていないという圧倒的な快感と優越感が、マッサージの気持ちよさと混ざり合い、脳髄をじわじわと痺れさせていく。
(最高だ! 誰一人として俺の正体に気づかない。この完璧な女の皮を被って、世界中を騙し続けてやるよ!)
俺はトリートメントの心地よい快楽に身を任せながら、ゆっくりと目を閉じた。