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/tachiha/ - たちは板κ

リレー小説用
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0be5aaed No.3680

0be5aaed No.3684

湯煙の向こうで、キヨヒコが満足そうに目を細めている。
高級老舗旅館の、一晩の宿泊費だけで俺の月収が吹き飛ぶような特別客室。
部屋付きの露天風呂から上がった俺は、今、鏡の前で浴衣の帯を締め直していた。
ただし、映っているのは「トシオ」という冴えない男の姿ではない。
流れるような黒髪に、吸い込まれそうな大きな瞳。完璧なプロポーションを誇る、最近流行りのRPGに登場する絶世の美女キャラクターだ。
「いやぁ、本当に完璧だな、トシオ。グラフィックからそのまま抜け出してきたみたいだ」
畳の上で高級な地酒のグラスを傾けながら、キヨヒコが感嘆の声を漏らす。
この旅の費用は、老舗企業の御曹司であるキヨヒコが交通費から宿泊費、食事代に至るまで全額を負担している。その額、数十万円。
凡人の俺には到底払えない贅沢な時間をタダで楽しませてもらっているわけだが、当然、世の中に美味いだけの話転がっているわけじゃない。
彼が財布を出す見返りは、俺の「どんな女性にでも変身できる能力」を、彼の好みのままに披露すること。
「喜んでくれて何よりだよ。でも、この格好で浴衣を着るの、胸元が妙にスースーして落ち着かないんだけどな」
口から出たのは、自分でもゾクッとするほど鈴を転がすような美声だった。
「それがいいんじゃないか。なぁ、こっちに来て隣で注いでくれよ」
キヨヒコの視線が、いつになく熱を帯びている。
普通なら、男友達にそんな目を向けられれば鳥肌が立つところだろう。だが不思議なことに、この能力で女性の身体になっている間は、男からどんな視線を向けられようが、その後にどんな風に抱かれようが、驚くほど自然に、違和感なくそれを受け入れることができてしまう。
むしろ、この滑らかな肌に触れられることを、身体の奥がかすかに期待し始めている。
「もう、人使いが荒いんだから……」
俺はわざとらしく妖艶に微笑むと、しなやかな足取りでキヨヒコの待つ寝室へと歩み寄った。

a24c4615 No.3686

「本当にお前は俺の理想そのものだよ、モルガン」
寝室へと移動し、敷かれたばかりの真っ白な布団の上。
キヨヒコは、俺――いや、今はゲームの世界から現れた気高き女王『モルガン』となった姿を、組み敷くようにして見下ろしていた。
妖艶で、どこか冷徹な美しさを湛えたプラチナブロンドの髪が、乱れた枕元に散らばる。
「ふふ、そんなにがっつかないで、キヨヒコ。この姿の私は、そう簡単に跪く女ではないのだけれど?」
口から突いて出たのは、冷徹でありながらも酷く男を昂らせる、モルガン特有の傲岸な声音。
だけど、そんな台詞とは裏腹に、俺の身体はキヨヒコの熱い吐息を浴びて、芯から火照り始めていた。
この身体になっている時の感覚は、本当に不思議だ。
トシオとしての理性はどこか冷ややかに状況を眺めているはずなのに、女性としての肉体は、キヨヒコの逞しい指先が浴衣の合わせに掛かるだけで、期待に小さく震えてしまう。
男である彼に組み伏せられ、荒々しく求められることに、嫌悪感どころか甘美な悦びすら覚えている。
「知ってるさ。そのプライドの塊みたいな女王様が、俺の腕の中でどんな顔をするのか……ずっと見たかったんだ」
キヨヒコの手が浴衣の帯をほどき、滑らかな白い肌が露わになる。
彼の手のひらが、モルガンの豊かな胸の膨らみに触れた瞬間、俺の口から「んっ……」と、熱い吐息が漏れた。
「っ、人使いが荒いと言ったでしょう。でも、今夜は貴方の望むままにしてあげる」
トシオとしての意識が、モルガンの快楽に溶けていく。
俺は細い腕をキヨヒコの首に絡め、さらに深く、彼を布団の中へと引き込んだ。

e2f53f8d No.3714

「ふん……そんなに私の身体が珍しいのですか?」
組み敷かれたまま、俺は冷徹なモルガンの笑みを浮かべ、キヨヒコをじっと見据えた。
トシオとしての意識は、この高慢な女王の仮面を被ることで、かえって大胆に昂り始めている。
キヨヒコは、モルガンの圧倒的な美貌と、その冷たい声音にすっかり呑まれ、喉を鳴らして身体を強張らせていた。
彼が何を求めているのか、その熱い視線を見ればすぐに分かる。金持ちの御曹司である彼が、今この瞬間、ただの「跪く臣下」になりたがっているのだ。
「仕方ありませんね。旅行の費用をすべて免じて、今夜は私の寛大さを見せてあげましょう」
俺はキヨヒコの首に絡めた腕に少し力を込め、耳元で妖しく囁いた。
「さあ、まずはその大きな手で、私の胸を揉みなさい」
「モルガン……っ」
命令を待っていたと言わんばかりに、キヨヒコの手がモルガンの豊かな胸を包み込む。
吸い付くような滑らかな肌の感触に、彼は歓喜の吐息を漏らしながら、貪るようにその肉身を揉み解し始めた。
「んっ……ふふ、良い手つきですね。ですが、それではまだ足りません」
女性の身体がもたらす快感に脳を灼かれながらも、俺はさらに言葉を紡ぐ。
支配的な命令こそが、彼への最高のご褒美だと分かっているからだ。
「もっと私を昂らせてごらんなさい。……ほら、その指先で、私の乳首を強くつまみなさい」
「あぁ、クソ。本当に最高だ……!」
キヨヒコの指先が、胸の頂点にある、すでに小さく硬くなり始めていた突起を捉え、容赦なくつまみ上げる。
「ひゃうっ……!?」
頭のてっぺんまで突き抜けるような甘美な激痛と快感に、モルガンの凛とした声が、一瞬で艶っぽい悲鳴へと変わった。
男にこんなところを責められているのに、身体の奥からは信じられないほどの熱い蜜が溢れそうになっている。
「どうした、モルガン。女王様がそんな声を出すのか?」
「黙り、なさい……っ。私が、良いと言ったのです……もっと、激しく、私を乱しなさい……!」
俺はキヨヒコの背中に爪を立て、自らその熱い胸へと身体を押し付けた。

e2f53f8d No.3721

「んぁっ……、あ……っ」
指先で執拗に胸の尖りを弄られ、モルガンの身体はすでに熱く、ぐずぐずに火照りきっていた。
口から漏れるのは、女王としての威厳を保ちきれない、甘く高い、可愛らしい喘ぎ声ばかり。
キヨヒコは、その声を聞くたびに興奮を極まらせ、獰猛な獣のような目で俺を見つめている。
トシオとしての理性が、彼のその支配されたがっている欲望を完全に理解していた。
だからこそ、俺はさらに彼を奈落の底へ突き落とすような、至高の命令を下す。
「まだ……足りません……。おい、キヨヒコ……跪きなさい」
俺は乱れた髪を枕に散らばらせたまま、脚をゆっくりと左右に開き、秘部を惜しげもなく晒した。女性の身体の奥が、彼を求めてひくついているのが自分でもよく分かる。
「その汚い舌で……私のあそこを舐めなさい。一滴残らず、味わい尽くすことを許します……っ」
「モルガン……っ、あぁ、喜んで……!」
キヨヒコは狂喜の声を上げ、俺の股間へと顔を埋めた。
容赦なく割り込んでくる熱い舌が、敏感な割れ目を、そして一番の弱点を容赦なく這い回り、 貪るように吸い上げる。
「ひゃぁああっ!? んんっ、あ、アンた、どこを……っ、だめ、そこぉっ!」
あまりの快感の強さに、一瞬トシオの素が出そうになるほどの、可愛い悲鳴が部屋に響く。
男の舌で最奥を弄くられているのに、身体は歓喜に震え、脳が快楽で真っ白に染まっていく。
「あ、はぁっ……ん、もう、限界、です……っ」
激しい愛撫に身体を弓なりに反らせ、俺はキヨヒコの髪を掴んで、無理やりその顔を引き上げた。
彼の視線の先にあるのは、快感に涙を浮かべ、完全に雌の顔になった女王の姿。
「……これ以上、私を焦らすな。キヨヒコ、お前のその、醜く猛り立ったものを……」
俺は自分の手で、限界まで熱くなった秘部をさらに押し開き、彼を誘うように腰をくねらせた。
「私のここに、根元まで突き刺しなさい。……お前のすべてで、この私を 満たしなさい……!」

5d59b184 No.3726

「くっ……あぁ、モルガン……っ!」
限界まで昂ったキヨヒコが、俺の命令に従うようにして、その熱い質量を最奥へと一気に突き込んできた。
「ひゃぁあああっ……!? ん、んんーっ!」
引き裂かれるような衝撃と、それを遥かに凌駕する圧倒的な充足感。
モルガンの身体が大きくのけぞり、指先がシーツを狂ったように掻きむしる。
男のモノが自分の中に深く埋まっているというのに、トシオとしての脳はそれを極上の快楽として貪欲に受け入れていた。
「はぁ、はぁ……すごい、締まりだ……。なぁ、トシオ、いや、モルガン……! 本当に最高だよ……っ」
キヨヒコが狂おしげに腰を動かし始める。肉と肉が激しくぶつかり合う、淫らな音が寝室に響き渡った。
「あ、あぁっ! つ、強い、強すぎます……っ、キヨヒコ……っ!」
「お前の、その声が、もっと聞きたい……!」
「だ、黙りなさい……っ。誰が、そんなに激しくしろと、言いましたか……っ!」
俺は涙目で睨みつけながらも、溢れ出る快感に抗えず、切なげな声を上げて腰を震わせる。
その高慢な態度と、雌として 開発されていく身体のギャップが、キヨヒコをさらに狂わせるのだ。
「言ったじゃないか、お前が『すべてで満たせ』って!」
「それはっ、あぁんっ! んぉっ、そこ、そこは、駄目……狂って、しまう……っ!」
「ここか? ここがいいのか、モルガン!」
キヨヒコが容赦なく、俺の一番弱い部分を抉るように突き上げてくる。
頭の中が真っ白になり、女王としての威厳が、快楽の波にどんどん押し流されていく。
「ひゃああっ、あ、あ、いやぁっ! あそこに、響く……脳みそが、溶けちゃう、ぅっ……!」
「もっと、もっと俺の名前を呼べよ! お前は俺のモノだろ!」
「く……っ、不遜な、男……っ。ですが、認め、てあげます……。お前の、その太いもので、私は……私は今、最高に、 汚されていますっ!」
「モルガン……っ!!」
「あぁっ、キヨヒコ……いい、もっと、もっと奥まで……っ! 私のなかに、お前の熱いものを、全部……全部吐き出しなさい……っ!」
互いの汗が混ざり合い、シーツが激しく乱れる中、俺たちは互いを貪り合うように、一気に絶頂へと駆け上がっていった。

5d59b184 No.3727

「んんっ……あぁ、あ、あああっ……!」
「モルガン、出す、出すぞ……っ!」
キヨヒコが最後の一突きを深く見舞うと同時に、俺の身体の内側を、熱い塊が何度も何度も跳ねるように満たしていく。
瞬間、頭の芯が焼き切れるような凄まじい快感が駆け巡り、俺は声を枯らして絶頂を迎えた。
「はぁ、はぁ……っ、キ、ヨヒコ……」
視界が激しく明滅する中、キヨヒコが俺の胸元に崩れ落ちてくる。
重みと、身体の奥に残る余韻が酷く心地いい。俺はモルガンの長いプラチナブロンドの髪を彼の手につゆわらせたまま、心地よい疲労感に身を任せ、泥のように深い眠りへと落ちていった。

翌朝。
障子越しに差し込む柔らかな朝の光で、俺は目を覚ました。
「う、ん……」
身体を動かそうとすると、まだ腰の奥に昨日植え付けられた熱の気配が残っていて、小さく声を漏らしてしまう。
隣を見ると、キヨヒコはまだ幸せそうな顔をしてぐっすりと眠っていた。
ふと自分の手を見る。
まだ細く、白い、モルガンのままだ。
「流石にこの姿のままチェックアウトするのは、色々と目立ちすぎるな……」
旅館の従業員や他の客に見られたら、コスプレ大会か何かと勘違いされるか、あらぬ騒ぎになりかねない。
何より、チェックインした時の姿と違いすぎる。
俺は布団から抜け出し、鏡の前に立った。
頭の中で、昨日この旅館にチェックインした時の「設定」を思い浮かべる。
(よし、戻るか……いや、あの『若妻』の姿に、な)
じわじわと身体が熱を持ち、骨格と肉肉が組み変わっていく。
プラチナブロンドのロングヘアはみるみるうちに縮み、清潔感のある、少しウェーブがかった黒髪のショートカットへと変化していく。
身長は少し低くなり、しかし出るところは出た、出産の経験を感じさせないほど引き締まった抜群のプロポーション。
落ち着きがありながらも、どこか人妻の放漫な色気を纏った、美しい日本人の「若妻」の姿が鏡の中に現れた。
「よし、これでよし、と」
自分の滑らかな二の腕をさすりながら、俺はふふっと微笑んだ。
「キヨヒコ、朝だよ。早く起きないと、せっかくの美味しい朝食が冷めちゃうよ?」
昨日までの高慢な女王の声とは打って変わった、優しく、包み込むようなソプラノの声で、俺はまだ夢の中の旦那様(仮)の肩を優しく揺すり始めた。

45f74877 No.3735

「ん……、あれ、モルガン……?」
肩を揺すられたキヨヒコが、まだ眠気の残る目をこすりながら身体を起こした。
枕元を見回し、昨夜までそこにいたはずの気高き女王の姿がないことに一瞬戸惑ったようだが、俺の顔を見るなり、すぐにすべてを察して破顔した。
「あぁ、なるほど。チェックアウトのために姿を変えたんだな」
キヨヒコは布団から這い出すと、鏡の前に立つ俺の背後にゆっくりと歩み寄ってきた。
そして、引き締まった俺の腰に後ろから力強く腕を回し、そのまま自分の胸へと引き寄せるようにして、深くハグしてきた。
「ふふ、ちょっと、キヨヒコ? 急にどうしたのよ」
不意打ちの抱擁に、俺は若妻らしい、少しはにかんだ声を漏らす。
背中から伝わってくる彼の体温が、昨夜の情事を思い出させて気恥ずかしい。
キヨヒコは俺のうなじあたりに顔を埋め、ショートカットの髪から香るシャンプーの匂いを愛おしそうに嗅ぎながら、満足げに呟いた。
「いや、モルガンも最高に刺激的だったけどさ……。朝起きて見るなら、やっぱり日本人の顔が落ち着くな」
「もう、勝手なことばっかり言って。昨夜はあんなに女王様に跪いてたくせに」
俺はクスクスと笑いながら、彼の腕に自分の手を重ねた。
トシオとしての意識はどこへやら、この若妻の身体は、彼の包容力のあるハグをすっかり心地よく受け入れてしまっている。
「それはそれ、これはこれさ。なぁ、朝食の前に、もう一回だけ、今度はこの『可愛い奥さん』を可愛がらせてくれないか?」
「だーめ。ほら、早く着替えて。美味しいご飯が待ってるんだから」
そう言いながらも、俺は腰をすり寄せるようにして、彼の胸の中にさらに深く収まった。

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ac2235db No.3810

朝の軽いひとときを終え、キヨヒコと二人で豪華な和朝食を平らげた。
身体を動かした後のお粥や焼き魚は格別で、若妻の姿のまま「はい、あーん」なんて言いながら食べさせ合っているうちに、あっという間にチェックアウトの時間が近づいてくる。
部屋に戻り、俺たちは荷物をまとめ始めた。
「ねえ、キヨヒコ。帰りの新幹線はどうする? どんな姿がいい?」
俺は荷物を鞄に詰めながら、ふと気になって尋ねてみた。
新幹線となれば、多くの人の目に触れる。
周囲の視線を楽しみたいキヨヒコのことだ、また突拍子もないリクエストが飛んでくるかと思ったのだが。
「うーん、そうだな……。パパ活だと思われるのも嫌だから、あんまりキャピキャピした若い女性はNGで。……あ、おしとやかな和服姿の美女なんてどうだ? 温泉帰りの風情があって最高じゃないか」
「いやいや、ちょっと待ってよ」
俺は思わず苦笑した。
「和服なんて持ってきてないし、そもそも俺に着付けの技術なんてないよ? 姿形は変えられても、服まで本物の着物に着替えるのは無理だって」
能力で肉体や髪型は変えられても、衣服までは無から生み出せない。服はあらかじめ用意しておく必要があるのだ。
「あー、そっか。着付けはハードル高いな……」
キヨヒコは腕を組んでうなり、しばらく考え込んでいたが、やがてニヤリと悪巧みするような笑みを浮かべた。
「じゃあさ、落としどころとして……グラビアアイドル風の、スタイル抜群の美女ってのはどうだ? 服装はちょっと露出多めのやつで!」
「パパ活に見えるのは嫌だって言ったの、どこの誰だよ」
呆れつつも、大富豪のスポンサー様の要望だ。俺は鞄の中から、以前キヨヒコに買って貰っていた「露出の多い私服(タイトなミニワンピと薄手のカーディガン)」を引っ張り出した。
「わかったよ。じゃあ、とりあえずその美女のイメージ、見せるね」
俺は目を閉じ、脳内に「誰もが振り返るような、圧倒的プロポーションのグラビアアイドル風美女」を強く思い描く。
じわじわと身体が変化していく。
ショートカットの黒髪が、ゆるやかに波打つ明るいブラウンのロングヘアへと伸びていき、若妻の落ち着いた体つきから、さらに胸とお尻の主張が激しい、砂時計のようなボン・キュッ・ボンの完璧なボディラインへと再構成されていく。
「――どう? こんな感じで」
目を開け、少し首を傾げてキヨヒコに微笑んでみせる。
声も、男を無自覚に誘惑するような、少し鼻にかかった甘いハニーボイスに変わっていた。
「うおっ……! やばい、想像以上だ。それだよそれ!」
キヨヒコは目を輝かせて大興奮している。
「よし、新幹線に乗る直前にその服に着替えられるよう、すぐ取り出せる位置に準備しとこ」
俺は一旦、チェックイン時の若妻の姿に戻ると、グラビア美女用のきわどい服をボストンバッグの一番上に丁寧にしまい直した。
周囲の視線を独占する準備は万端だ。

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旅館を後にし、駅へと向かうタクシーの車内。
俺たちは、昨日からの余韻を漂わせつつも、端から見れば「幸せの絶頂にいる新婚夫婦」を完璧に演じきっていた。
若妻の姿のまま、俺はキヨヒコの肩にこてりと頭を乗せ、窓の外に流れる田園風景を眺めている。キヨヒコもまた、俺の腰に自然に手を回し、時折愛おしそうに俺の髪を指で梳いた。
運転手はバックミラー越しに、そんな俺たちを時折微笑ましく見ている。
まさに最高のカモフラージュだ。
「……ねえ、キヨヒコ」
俺は運転手に聞こえないよう、小さな声で甘えるように囁いた。
その瞬間、俺は若妻のスカートの裾をゆっくりとまくり上げ、キヨヒコの大きな手を俺の太ももへと導いた。
「んっ……」
キヨヒコの手が、ストッキング越しに俺の柔らかな肌を直接捉える。
車内という密室、そして前席には他人がいるという背徳感が、俺の身体を急速に熱くさせた。
キヨヒコは、運転席からは決して見えない位置で、俺の太ももの内側をゆっくりと、執拗に撫で回す。
彼の指が、快楽のツボを心得たように、しっとりと火照った肌の上を滑る。
「お前、随分と大胆だな」
「だって……昨日の夜から、ずっとキヨヒコの熱を感じていたいんだもの」
俺はあえて潤んだ瞳で彼を見つめ返し、甘い吐息を漏らした。
スカートの中で太ももを撫で回されるたび、身体の奥がじくじくと疼き、蜜が滲むような感覚に襲われる。
「バレないか、心配じゃないの?」
キヨヒコが耳元で低く笑いながら、指を少しずつ上へと這わせていく。
俺はあえて身体をくねらせ、彼の指を奥へと誘い込むように腰を少し浮かせた。
「ふふ……バレるわけないじゃない。私たちは、ただの仲睦まじい夫婦なんだから……」
運転手から見えるのは、夫に甘える幸せな若妻の横顔だけ。
しかし、そのスカートの下では、俺はすでにキヨヒコの指の熱さに耐えかね、口元を緩ませて喘ぎ声を必死に堪えていた。

f681bd23 No.3818

「少し、お手洗いに行ってくるわね」
駅に到着し、人混みを縫うようにして、俺はキヨヒコにそう告げた。
少し申し訳ない気もしたが、あらかじめ調べておいた多目的トイレの扉を閉めると、俺は鍵をかけた。
誰にも見られない空間で、俺は意識を集中させる。
先ほどボストンバッグから取り出した、露出の多いグラビア風の衣装。
その服に袖を通すため、まずは理想の肉体へと変身を始めた。
若妻の落ち着いたプロポーションが、瞬く間に膨れ上がり、より扇情的で、どこか非現実的なほどに完璧なボディラインへと組み変わっていく。
豊かな胸の重みが鎖骨を圧迫し、細く引き締まったウエストから、柔らかな曲線を描く臀部へのラインが、鏡の中の自分でもドキリとするほど妖艶だ。
手早く用意していたタイトなミニワンピースに着替え、仕上げに髪をブラウンのロングへ。
鏡の中には、いま流行りの「顔面偏差値最高レベル」のグラビアアイドルが立っていた。
トイレを出て、人々の視線が突き刺さるのを感じながら合流地点へ向かう。
キヨヒコは、俺の姿を見るなり、隠しきれない独占欲と歓喜の表情を浮かべた。
「……完璧だな。周りの男たちの視線が痛いほどだ」
俺たちはホームを歩き、予約していた新幹線のグリーン車へと乗り込んだ。
静かな車内、一番奥の座席。
周囲に気兼ねする必要はほとんどない。
座席に腰を下ろすと、俺はキヨヒコのすぐ隣へと身を寄せた。
グラビアアイドルとしての誇張された豊かな胸を、わざとらしく彼の腕に押し付け、俺は妖しく耳元で囁いた。
「ねえ、キヨヒコ。今回の旅行は、こうして駅に着いたら本当にお別れね」
鼻にかかった甘い声が、狭い座席に響く。
俺は彼の耳たぶを唇でかすめ、トロリと甘い視線を送った。
「……ねぇ、最後にもう一度だけ。駅に着くまで、私にしておきたいこと、ない?」
彼の手を、俺の胸元に誘導しながら。
新幹線のシートという閉鎖空間で、俺は彼の瞳を潤ませるような、最高に淫らな提案をした。

138172a0 No.3835

「……新幹線の中でなんて、お前、本当に大胆になったな」
キヨヒコは周囲を気にするように一瞬だけ視線を泳がせたが、腕に押し付けられた圧倒的な胸の感触と、耳元で囁くハニーボイスに、すぐに理性を狂わされたようだった。
いくらグリーン車の贅沢なシートとはいえ、ここは公共の場だ。
そのスリルが、彼のアドレナリンをさらに沸騰させている。
「だって……せっかくのこの身体だもの。新幹線が目的地に着くまで、ただ座っているだけなんて退屈でしょう?」
俺はわざとらしく小悪魔のように微笑むと、彼の上着の裾を指先で弄んだ。
グラビアアイドルの肉体と同調した俺の精神は、彼を翻弄すること自体に、形容しがたい快感を覚え始めている。
キヨヒコはごくりと喉を鳴らし、ブランケットを膝の上に広げて周囲からの死角を作ると、その下から俺のタイトなミニワンピースの裾へと手を滑らせてきた。
「じゃあ……お前の言う通り、最後のご褒美をもらうとするか」
ストッキング越しに伝わる彼の大きな手の熱さに、俺の身体はすぐにビクンと反応した。
「んっ……ふふ、いいよ……。でも、声が出ちゃったらキヨヒコのせいだからね?」
窓の外を高速で流れる景色を横目に、俺たちはコートの下で、密やかに、そしてどこまでも淫らに指先を絡ませ合う。
東京までの数時間、周囲に悟られないよう息を殺しながら、俺たちはこの贅沢な旅の、本当のフィナーレを貪り尽くすように楽しんだ。

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「まもなく、終点、東京です――」
車内アナウンスが流れ、新幹線はゆっくりとホームへ滑り込んでいく。
周囲の乗客たちが荷物をまとめ始める中、俺とキヨヒコは、お互いに顔を赤らめたまま、どこか気まずく、そしてひどく熱い視線を交わしていた。
コートの下で、目的地に着くまでずっと、人目を忍んでお互いの陰部を執拗に弄り合っていたのだ。
寸止めの生殺し状態を続けられた俺たちの身体は、東京駅に着いた今、完全に爆発寸前の欲求不満に陥っていた。
グラビアアイドルの肉体の奥は、新幹線の揺れと彼の指の感触で、じくじくと熱く疼きっぱなしのままだ。
「じゃあ、キヨヒコ。ここで今回の旅行は終わり、だね」
名残惜しさを隠すように、俺はわざとツンとしたハニーボイスで告げ、ボストンバッグを持ち上げた。
ここで解散――のはずだった。
「待てよ、トシオ……いや、モルガン、じゃなくて……」
ホームに降り立ち、改札へと向かう人混みの片隅で、キヨヒコが俺の細い手首を掴んで引き留めた。
彼の目は、完全に理性が焼き切れかかった男のそれだった。
「……なぁ、この後、もし予定がないなら……近くのホテルに行かないか? 新幹線の中じゃ、全然足りなかったんだ。……もちろん、今回の報酬とは別に、手当もたっぷりはずむから」
大富豪の御曹司が、恥じらいも外聞もなく、必死な顔で俺に懇願してきている。
その言葉を聞いた瞬間、俺の身体の奥が歓喜でキュンと跳ね上がった。本当は俺だって、この昂った身体を早く彼にめちゃくちゃにしてもらいたくて仕方がなかったのだ。
だけど、ここで簡単に安売りしては、グラビアアイドル風美女のプライドが許さない。
「……ちょっと、キヨヒコ。東京駅に着いたらおしまいって約束だったじゃない」
俺はわざとらしくため息をつき、困ったように眉をひそめてみせた。
唇を少し尖らせ、しぶしぶ付き合ってあげる、というポーズを完璧に演出する。
「もう……本当に人使いが荒いんだから。……まぁ、キヨヒコがそこまで言うなら、仕方がないなぁ」
俺はふふっと妖艶に微笑むと、掴まれたままの手を今度は自分から握り直し、彼の腕に豊かな胸をむぎゅっと押し付けた。
「その代わり、報酬は期待してるからね? さあ、早く行こ……。私、もう我慢できないよ……」
甘く、とろけるような声を彼の耳元に吹きかけながら、俺たちは東京駅の喧騒を抜け出し、吸い込まれるようにタクシー乗り場へと向かった。

33fc7050 No.3858

「まさか、こんなところをいつの間に……」
タクシーが滑り込んだのは、ネオンが煌めくようなラブホテル街ではなく、誰もが知る都内最高峰の5つ星外資系ホテルだった。
キヨヒコは新幹線の車中でスマホを弄っていたと思ったら、裏でこっそりこの超高級ホテルのスイートルームを押さえていたらしい。
流石は本物の金持ち、やることがスマートで容赦ない。
フロントでの面倒な手続きはスマートに済んでいたらしく、俺たちは他の宿泊客とほとんど顔を合わせることなく、専用のエレベーターで一気に最上階の客室へと直行した。
電子ロックが静かに解錠され、重厚な扉を開ける。
目の前に広がったのは、お昼過ぎの明るい太陽の光が全面の大きな窓から降り注ぐ、息を呑むほどに広大なスイートルームだった。
眼下には大都会のビル群がミニチュアのように広がっている。
だが、部屋の豪華さに感動する暇なんてなかった。
扉が閉まった瞬間、キヨヒコは荷物を床に放り出し、後ろから俺の細いウエストを強く抱きしめてきたからだ。
「はぁ……やっと二人きりになれた。もう、限界だ……」
背中越しに伝わる、彼の激しい鼓動と硬い熱量。
新幹線の中でずっと焦らされ、欲求不満を極限まで溜めた彼の息遣いは、獣のように荒い。
グラビアアイドルの肉体を持つ俺は、その情熱的な抱擁にゾクゾクと身体を震わせながら、ゆっくりと振り返った。
豊かな胸を彼の胸板にぴったりと押し付け、明るいブラウンのロングヘアを指先で弄びながら、妖艶に微笑む。
「ふふ、本当にせっかちなんだから……」
お昼過ぎの眩しい木漏れ日が、俺たちの身体を白く照らし出す。
俺は彼の首に滑らかな両腕を絡め、鼻にかかった甘いハニーボイスで、その耳元にそっと囁いた。
「ねえ、キヨヒコ……。ここから先は、どんな私を抱きたいの? このままの私? それとも……また別の私に変身してほしい?」
挑発するように腰をくねらせ、彼の視線を釘付けにする。
外はまだ真っ昼間。
遮るもののない贅沢な空間で、俺たちの本当の秘密の時間が、ついに幕を開けようとしていた。

98292f86 No.3938

「どんな私って、そうだな……」
キヨヒコは熱い吐息を漏らしながら、俺のグラビアアイドル風の豊かな胸に顔を埋めるようにして、子供のように呟いた。
「今度は……包容力のある、お姉さんみたいなキャラがいい。優しく微笑んで、俺のことを思いっきり甘えさせてくれるような……」
そう言いながら彼が口にした特徴や雰囲気は、直接的な名前こそ出さないものの、彼が大好きなアイドルのゲームに出てくる、本を愛するお淑やかで文学的なお姉さんアイドル――『鷺沢文香』を完全に意識しているのが丸分かりだった。
暗に「あの彼女になってくれ」と強烈にねだっているのだ。
「ふふ、お姉さんに甘えたいんだ? 本当に可愛いところがあるんだから」
俺は彼の要望を察し、クスクスと微笑みながら彼の背中を優しくポンポンと叩いた。
「わかったわ。じゃあ、まずはその汗を流してきて。ほら、先にシャワーに行ってきなさい?」
「あぁ……すぐ戻るから、待っててくれよ」
欲求不満で焦れる身体を引きずるようにして、キヨヒコは嬉々としてバスルームへと向かっていった。
彼がシャワー室に入り、水の音が聞こえ始めたのを見計らって、俺は意識を集中させた。
脳裏に浮かべるのは、豊満なプロポーションでありながらも、どこか儚げで知的、そして包み込むような優しさを湛えた、あの文学系お姉さんアイドルの姿。
じわじわと肉体が組み変わっていく。
明るいブラウンのロングヘアは、しっとりとした夜の闇のような黒髪へと変わり、前髪が少し目元にかかる上品なスタイルへ。
瞳は深く、知的な光を宿し、全身からは大人の女性の落ち着いた色香が立ち上る。
「よし、変身完了……って、うわ」
鏡を見て、俺は思わず苦笑してしまった。
お淑やかな文香の姿のまま、先ほどのグラビアアイドル風の露出の多いタイトなミニワンピースを着ているのは、あまりにもギャップが強すぎて、なんだか酷くアンバランスで変な感じがしたからだ。
「これじゃ、せっかくの雰囲気が台無しね……」
どうせこの後、キヨヒコにめちゃくちゃに脱がされるのだ。
俺は潔くワンピースのジッパーを引き下げ、下着もすべて脱ぎ捨てて、一糸まとわぬ完全な全裸になった。
鏡に映る文香の身体は、白く滑らかで、驚くほど豊かな胸が果実のように実っている。
「キヨヒコ、待たせちゃってごめんなさいね……」
お姉さんらしい、少し控えめで、だけど芯のある極上のソプラノボイスで独りごちると、俺はガラス張りのバスルームのドアを静かに開け、湯気の中にいる彼の元へとゆっくり歩を進めた。

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すりガラスの向こうで、シャワーの温水に打たれていたキヨヒコの影がピタリと止まった。
扉を静かに開け、湯気が溢れ出すバスルームへ足を踏み入れる。
一糸纏わぬ全裸の姿。
湿り気を含んだ黒髪の前髪が少し目元にかかり、豊満な胸が湯気に濡れて艶やかに光っていた。
「……トシオ……? いや……」
シャワーを止め、振り返ったキヨヒコが目を見開く。
そこに立っているのは、派手なグラビアアイドルではなく、彼が密かに憧れていた、静けさと溢れんばかりの包容力を纏ったあの文学系お姉さんそのものだった。
「ふふ、キヨヒコ……。待ちきれなくて、入ってきてしまいました……」
俺は少し照れたように目元を緩め、控えめで、だけどどこか温かい、落ち着いたお姉さんの声音で囁いた。
両手で豊かな胸を隠すでもなく、ただ優しく彼を見つめる。
「な、なんで服着てないんだよ……」
「だって……グラビアアイドルさんの派手なお召し物は、この姿には少し合わない気がして……。それに、どうせ貴方にすぐ脱がされてしまうのでしょう?」
「っ……!」
キヨヒコが息を飲んだ。
その目の色が一瞬で変わる。
俺は一歩、彼の方へと歩み寄ると、シャワーで温まった彼の広い胸に、自らの柔らかい素肌と豊満な胸をそっと押し当てた。
しっとりとした肌と肌が合わさり、密着した部分から互いの体温がじわじわと伝わっていく。
「新幹線でも、ずっと我慢させてしまいましたね……。可哀想に……」
俺は爪を立てず、包み込むような優しい手つきで彼の背中に回し、お姉さんらしく彼をしっかりと抱きしめた。
「もう我慢しなくていいのですよ。……私に、存分に甘えてくださいね、キヨヒコ」
耳元で優しく囁きながら、俺は彼を導くように、ゆっくりと滑らかな腰をすり寄せた。

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「ですが……まずは、ちゃんと綺麗に洗いましょうね?」
キヨヒコが手を伸ばしかけた瞬間、俺はすっと身をかわし、彼に魅せるようにしてシャワーの前に立った。
お姉さんらしい上品でしなやかな所作を意識しながら、ゆっくりと頭から温水をかぶる。濡れた黒髪がうなじや背中にへばりつき、白い素肌を際立たせる。
「ん……っ」
泡立てたボディソープを手に取り、豊満な胸を包み込むようにして撫で洗っていく。
手のひらで揉みほぐすように滑らせ、引き締まったウエストから、豊かなお尻のライン、そしてすらりと伸びた太ももへ。
キヨヒコが固唾をのんで視線を注いでいるのが、背中越しにも痛いほど伝わってきた。
「ふふ、そんなにじっと見つめられると……少し照れてしまいますね」
わざとらしく振り向き、潤んだ瞳で微笑んで見せる。
焦れったさにキヨヒコの吐息がどんどん荒くなっていくのがわかるが、俺はわざと彼に触れさせないよう、素早く泡を洗い流した。
「はい、おしまい。綺麗になりました」
「あ、おい……待てよ!」
手伸ばす彼を制するように、俺はふわりと優しく微笑むと、バスタオルを身体に巻きつけて先にバスルームを出た。
焦らしに焦らされた彼の生殺し状態は、もう限界突破寸前だ。
広々とした洗面台でドライヤーを手に取り、濡れた黒髪をかるく乾かす。
あまり時間をかけず、半乾きの艶やかな状態のまま、俺は備え付けの真っ白なバスローブに袖を通した。
前はあえて深く結ばず、はだけた胸元から豊満な谷間が覗く程度のゆるい結び目にしておく。
ふかふかのキングサイズベッドへ向かい、お昼過ぎの柔らかい光が差し込むシーツの上に、俺はゆったりと身体を横たえた。
「ん……っ」
少し腰をくねらせ、バスローブの裾からすらりと伸びる白い脚をのぞかせる。
ベッドの上で寝転がりながら、俺はお姉さんらしい包容力に満ちた笑みを浮かべ、ドアの方をじっと見つめて彼の出てくるのを待った。

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バスタオル一枚を腰に巻いたキヨヒコが、荒い息を吐きながらバスルームから飛び出してきた。
ベッドの上に横たわる俺――しっとりと黒髪を濡らし、白いバスローブの胸元をはだけさせた文香の姿を目にした瞬間、彼の足がピタリと止まる。
その目は完全に理性を失い、渇望に満ちていた。
「文香、お前、焦らしすぎだろ……!」
「ふふ……そんなに慌てないでください、キヨヒコ。私は逃げたりしませんよ」
俺はベッドの上でゆっくりと身を起こし、バスローブの隙間から滑らかな太ももを惜しげもなく覗かせた。
文香特有の、静かで包み込むようなソプラノボイスがスイートルームに心地よく響く。
「新幹線からずっと、私のことで頭がいっぱいだったのでしょう? 可哀想に……こんなに熱くしてしまって」
「当たり前だろ! お前が車内であんなことするから……もう限界なんだよ!」
キヨヒコはベッドに膝を突き、俺の上に覆いかぶさってきた。
その大きな手が、バスローブの結び目を引っぱって解く。
はらりと肌から生地が滑り落ち、豊かな胸と白い素肌が昼の光の中に露わになった。
「あぁ……なんて綺麗な身体なんだ……」
「はい。今の私は、すべて貴方のものです。だから好きなだけ、甘えていいのですよ」
俺は彼の首に優しく両手を回し、その頭を自分の豊満な胸の谷間へと抱き寄せた。
トシオとしての意識はどこへやら、この身体と精神は、彼を全力で甘やかし、甘受することに歓喜している。
「んっ……ふふ、大きな子供みたいですね。私の胸、気持ちいいですか?」
「最高だ、文香、お前の匂いがする」
「いいですよ……もっと深く、私に埋もれてください。昨日からの疲れも、全部私が癒して差し上げますから」
俺は彼の頭を優しく撫でながら、耳元で耳鳴りがするほど甘い声で囁いた。
「さぁ、欲しいのでしょう? 遠慮はいりません。貴方のその熱いもので、私を壊れるほど愛してくださいな」

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「あっ、キヨヒコ……待ってください」
今にも力任せに覆いかぶさってこようとする彼の胸に、俺はそっと細い手を当てて押し留めた。
「文香? どうしたんだよ、もう我慢できないって……」
血走った目で困惑するキヨヒコを見つめ、俺はお姉さんらしい優しさと、どこか小悪魔的な色気を混ぜ合わせた微笑みを浮かべた。
「ふふ、ダメですよ。そんなに焦って勢いだけで済ませてしまっては勿体ないでしょう?」
俺は彼の頭をもう一度引き寄せ、その唇にちゅっと柔らかく口づけを落とした。
甘い吐息が彼の唇に触れる。
「新幹線の中からずっと、私を欲してくれていたのでしょう? でしたら、私をもっと焦らして、じっくりと味わってくださいな。貴方のその優しい手で、私をたくさん愛撫してほしいのです」
「愛撫……って、お前……」
「ええ。貴方の指先で触れられるたび、私がどんな声を出すのか一つひとつ、確かめたくはありませんか?」
俺は自らバスローブを完全に肌から滑り落とし、一糸纏わぬ白い肢体をシーツの上に晒した。
お昼過ぎの光を浴びた文香の肉体は、柔らかい曲線を描いて彼の目の前に横たわっている。
「ほら……まずは、この胸から。貴方の手で、優しく包み込んでください」
「文香っ、ああ、分かった……っ!」
キヨヒコの理性のタガが少し外れ、今度はゆっくりと、溢れんばかりの愛おしさを込めて手が伸びてきた。大きな手のひらが、文香の豊かな胸を包み込み、指先が吸い付くように素肌を撫でる。
「んぁっ、ふふ、いい手つきですっ。あ、そんな風に指を回されたら……あっ」
「すごい……柔らかい……。文香、ここ、もうこんなに硬くなってるぞ」
キヨヒコが親指と食指で、胸の尖りを優しくつまみ上げ、転がすように弄り始めた。
「ひゃうっ……!? ん、んんっ……あ……だめ、です……そんなに優しく、捏ねられたら……私、おかしくなって……っ」
冷徹なモルガンの時とは違う、包容力を保とうとしながらも快感に解けていく文香の甘い喘ぎ声。
それがキヨヒコのサディスティックな欲求と愛撫の精度をさらに高めていく。
「おかしくなればいいよ。ほら、首筋も、お腹も……お前の全部を俺の手で熱くしてやる」
「んっ、あぁっ、キヨヒコの手、すごく暖かいっ。あ、そこ、太ももの内側は……はぁっ、あんっ!」
キヨヒコの手が胸から滑り降り、引き締まったウエストを撫で、柔らかい太ももの内側へと這い上がってくる。
「ふふ、文香……ここ、もう凄く熱いぞ。しっとり濡れてる……」
「い、言わないでください……恥ずかしい……っ。ですが、もっと……もっと私を撫でてください。貴方の指先で、私をぐちゃぐちゃになるまで愛してくださいな……」
俺は彼の首にすがりつき、快感に震える身体を押し付けるようにして、さらなる濃密な愛撫を強だりした。

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「んんっ、あぁっ、はぁっ、だ、だめ……っ。そんな、そこばかり、擦られたらっ!」
キヨヒコの執拗で、それでいてひどく優しい指先の愛撫。
時間をかけてじっくりと開発される快感に、包容力のあるお姉さんでいようとした自分の理性は、あっという間にドロドロに溶かされてしまった。
身体の奥が、彼を求めてどうしようもなく疼いている。
これ以上焦らされたら、頭がおかしくなってしまいそうだ。
「ふふ、キヨヒコ。もう、我慢できません。お姉さんをこんなに焦らすなんて、本当に悪い子ですね」
「えっ? わっ……文香!?」
私は熱い吐息を吐きながら、キヨヒコの肩を押してベッドに仰向けに倒れさせた。
そして、しなやかな脚を広げ、彼に跨るようにして腰を下ろす。
「ごめんなさいね。私、もう待てないみたいです」
潤んだ瞳で見下ろしながら、私は彼の上にゆっくりと腰を沈めていった。
「あ、んっ! ん、あぁぁっ……!」
彼の一番熱いところが、私の最奥へとゆっくりと、しかし確実に満たしていく。
自ら跨り、すべてを受け入れた瞬間、脳髄が痺れるような強烈な快感が全身を駆け巡った。
「文香っ! お前、自分から……すごい、奥まで!」
「あぁ、はぁっ……キヨヒコのが、全部、入って…っ。あ、ああんっ! これ、すごく……いいです!」
私は彼の上に跨ったまま、自分から腰を動かし始めた。
ただ上下するだけでなく、一番感じるところに彼の熱を擦り付けるように、円を描きながらじっとりと腰を回す。
「ひゃああっ! あ、あ、そこ……っ! こすれる、私の奥に、キヨヒコの熱いのが、ごりごりって……っ!」
「くそっ、文香……お前、そんなに動いたら……っ!」
「んぁっ、だめ、止まらない! キヨヒコ、キヨヒコぉっ! 私、こんな、はしたない声、出ちゃってっ」
お淑やかな文香の姿からは想像もつかないような、甘くて、高くて、可愛らしい喘ぎ声がスイートルームに響き渡る。
豊かな胸が腰の動きに合わせて激しく揺れ、その重みすらも快感に変わっていく。
「ふふ、キヨヒコ……見て、ください……っ。お姉さん、貴方のもので、こんなに……こんなに気持ちよくなってます!」
「あぁっ、文香、最高だ! その顔、もっとよく見せてくれ!」
「いやぁっ、あ、ああっ! そんなに見つめない。でも、もっと……もっと私のお腹の奥を、こすって! んんっ、あぁああっ!」
キヨヒコが下から突き上げるように腰を返し始めると、擦り付けられる快感はさらに倍増した。
私は乱れた黒髪を振り乱し、キヨヒコの広い胸板に手をつきながら、彼が与えてくれる快楽の波にただひたすらに身を委ねていった。

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「ああっ! んんっ、はぁっ、はぁっ」
激しい絶頂の波が通り過ぎると、全身の力が抜け、そのままベッドの上に仰向けに倒れ込んだ。
シーツの上に黒髪が散らばり、豊満な胸が荒い呼吸に合わせて大きく上下している。
額に滲んだ汗が、昼下がりの光にキラキラと反射していた。
「はぁ、はぁっ。もう、だめ……。キヨヒコ、私、疲れちゃいました」
先ほどまでの激しい騎乗位で完全に体力を使い果たした私は、とろんとした目で彼を見上げた。
これで少しは休ませてもらえると思ったのだ。
しかし、私の横に膝をついたキヨヒコは、息を整えながらもニヤリと笑った。
「文香はすごいな……。でもさ、見てよ。俺の方は、まだ全然収まる気配がないんだけど」
「え……?」
視線を下に落とすと、彼のそこは先ほど激しく果てたはずなのに、まだビクンビクンと脈打ち、完全に反り立っていた。
「うそっ。あんなに出したのに、まだそんなに元気なんて本当に、底なしなんですね……」
呆れるような、でもどこか喜んでしまうような声を漏らす私をよそに、キヨヒコは私の広げられた足の間にスルスルと潜り込んできた。
「文香が上からあんなに頑張ってくれたんだから、今度は俺からたっぷりご褒美をあげるよ」
「えっ? ちょ、ちょっとキヨヒコ、何をっ、ひゃあっ!?」
私の太ももを両手でガッチリと掴んで広げると、彼は躊躇うことなく、絶頂を迎えたばかりで最高に敏感になっている私の秘所に、直接顔を埋めた。
彼の温かくて這うような舌が、私の最も弱い部分をペロリと舐め上げたのだ。
「あ、ああんっ! だ、だめですっ、そこは……っ! さっき、いったばかりで……すごく敏感に、なってるからっ!」
「すげぇ、さっきより濡れてる。甘い匂いがして、最高だよ、文香」
「んぁっ! 恥ずかしい……見ないで、それに、そんなに直接舐められたら……ひゃああっ!?」
チュッ、ジュルルッ……という水音が静かなスイートルームに響く。
キヨヒコの器用な舌先が、敏感な小さな突起をピンポイントで弾き、絡めとるように吸い上げた。
「あ、あ、あああっ! ぃ、いくっ、キヨヒコ、またいっちゃう…っ! んんっ!」
ビクンッと背中が反り返り、私は一度目の軽い絶頂を迎えた。
しかし、キヨヒコの舌は止まらない。
ビクビクと震える自分のそこを、さらに優しく、けれど執拗に責め立ててくる。
「ひゃあんっ! んぁっ、あ、ちょっ、やめ……っ! ああっ! き、キヨヒコの舌、あったかくて……っ、だめ、また……ああっ!」
「ふふ、文香……可愛い声出して、またいっちゃったの? 敏感すぎだろ」
「はわっ、あぁんっ! い、言わないで……っ! やぁっ、ひ、ひゃああっ! ああっ、んんっ!」
休む間もなく与えられる舌の刺激に、私の身体は小さな波を何度も何度も強制的に引き起こされる。
頭の中が真っ白になり、お姉さんとしての理性もすっかり吹き飛び、ただ快感に翻弄されるだけの可愛い喘ぎ声が止まらなくなっていた。
「や、ああっ、もう、許して……っ! おかしく、おかしくなっちゃうからぁっ! あ、あ、ああっ! またぁっ!!」
ベッドのシーツを両手でギュッと握りしめ、首を横に振りながら、自分は彼の手の中で何度も何度も甘い絶頂を繰り返し、すっかり骨抜きにされていった。

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度重なる快感の波に、俺の思考は完全にショート寸前だった。
もはや、お淑やかで包容力のある「文香お姉さん」を演じる余裕なんて、これっぽっちも残っていない。
「あーっ、くそっ、キヨヒコ! お前、マジで加減ってモンを知らねぇのかよ!」
乱れた黒髪をシーツに散らしながら、俺はついに素の「トシオ」の口調で叫んでしまった。
極上のソプラノボイスと、豊満な美女の身体。それなのに、言葉遣いだけが完全に男の地に戻ってしまっている。
「ははっ、やっと素が出たな、トシオ。その言葉遣い、待ってたよ」
キヨヒコは顔を上げると、ニヤリと底意地の悪い、けれど最高に嬉しそうな笑みを浮かべた。そして、俺の脚の間に自分の身体を滑り込ませ、両手を俺の手のひらに重ねて指を絡め、シーツにぐっと押さえつける。
お互いの顔が正面から向き合う、密着した正常位の体勢。
キヨヒコは俺の目を見つめたまま、再びその熱く硬いものを、今度は真正面から、容赦なく最奥まで沈み込ませてきた。
「ひぐっ!? ぁ、くっ……ばか、お前、一気に入れすぎだろっ……! ああっ!」
「痛かったか? でも、お前の中、俺をめちゃくちゃきつく締め付けてるぜ?」
「うるせぇっ! んんっ、ああっ! 待て、お前、腰動かすの早……っ、んぁっ!」
正面から体重をかけられ、容赦なく突き上げられるたび、俺の身体はベッドの上で大きく跳ねた。
文香の豊かな胸が、キヨヒコの広い胸板に何度も打ち付けられ、形を変える。
「くそっ……ああっ! なんで、こんなっ、気持ち、いいんだよ! キヨヒコぉっ!」
「トシオ……お前、最高だよ。その文香の顔で、男の言葉で喘いでるの……ゾクゾクするほどエロい」
キヨヒコは荒い息を吐きながら、俺の唇を塞ぐように深くキスをしてきた。
舌が絡み合い、唾液が混ざり合う。
息が詰まるほどのキスの合間にも、彼の下半身は激しく俺を打ち据え続けている。
「んむっ……ぷはっ! ああっ! ばか、やめ……っ、頭、おかしくなるっ……!」
「おかしくなればいい。お前の全部、俺がぐちゃぐちゃにしてやるから」
「あ、あ、あああっ! 好きに、しろよ! んぁっ! もっと……もっと強く、奥まで突けよ! キヨヒコぉっ!!」
もう羞恥心なんてなかった。
俺は自分から彼に脚を絡みつけ、腰を浮かせながら、男の粗野な言葉と甘いソプラノボイスを混じらせて、情けないほど激しく喘ぎ続けた。高級ホテルのスイートルームには、昼下がりだというのに、ただひたすらに二人の荒い息遣いと、肌がぶつかり合う卑猥な音だけが響き渡っていた。

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身体の芯まで突き抜けるような怒涛の快感の余韻のあと、俺たちはどちらからともなく深い眠りへと落ちていった。
静まり返ったスイートルーム。
遮光カーテンの隙間から差し込む昼下がりのやわらかな光が、散らかったシーツと俺たちの身体を静かに照らしていた。
どれくらい眠っていたのだろう。
「……ん……っ」
ふと目を覚ますと、枕元の時計はちょうど二時間が経過したことを示していた。
隣ではキヨヒコが静かな寝息を立てて熟睡している。
俺はゆっくりと身を起こした。
文香の姿のままの身体は、全身が心地よい倦怠感に包まれており、肌には汗と愛液が混ざり合った名残がしっとりと残っている。
「ふぅ……ちょっと流してこよう」
起こさないよう静かにベッドを抜け出し、俺は広々としたバスルームへと向かった。
シャワーをひねり、温かい湯を全身に浴びる。濡れた黒髪が顔にへばりつき、洗顔フォームで顔を洗いながら、さっきまでの激しすぎるやり取りを思い出して思わず顔が熱くなった。
結局、最後は文香のお姉さんキャラも吹き飛んで素のトシオに戻ってしまったわけだが……まあ、あいつが満足そうだったから良しとしよう。
ボディソープをしっかり泡立て、火照った身体を優しく洗い流していく。
シャワーを浴び終わり、バスローブを羽織ってバスルームのドアを開けると、ちょうどベッドの上でキヨヒコが身体を起こし、眩しそうに目をこすっているところだった。
「ん……あ、トシオ……? もう起きてたのか」
「うん。流石に汗ばんでたから、先にシャワー浴びてきたよ。キヨヒコも浴びてきたら? すっきりするよ」
「そうだな……じゃあ、俺も借りるよ」
キヨヒコは少し重そうな足取りでベッドを出ると、まだどこか名残惜しそうに俺の腰にポンと手を置いてから、バスルームへと入っていった。
入れ替わりで洗面台の前に立ち、ドライヤーで文香の豊かな黒髪を乾かす。
鏡に映る自分の顔は、二時間の睡眠とシャワーのおかげかすっかり落ち着いていたが、首筋にはうっすらと赤い名残が残っていた。
髪を乾かし終え、部屋のソファに腰掛けて贅沢な眺望をぼんやり眺めていると、バスルームからシャワーの音が止み、さっぱりとした顔のキヨヒコが出てきた。
彼は備え付けのガウンを羽織ると、俺の隣にドサリと腰を下ろし、深くソファに背もたれた。
「はぁー……生き返った。でもさ……」
キヨヒコは天井を見上げながら、苦笑いを浮かべて言った。
「今回の旅行、最後は高級ホテルでゆっくり過ごして締めくくるはずだったのに……逆に体力的にはめちゃくちゃ疲れたな」
俺はその言葉に思わず吹き出してしまい、文香の上品な声でクスリと笑った。
「誰のせいだと思ってるのさ。新幹線の中でもホテルに着いてからも、猛スパートで責め立ててきたのはキヨヒコでしょ? こっちこそ全身ガタガタだよ」
「いやぁ、だってあの時の文香(お前)がエロすぎるのが悪いんだろ。……まあでも、確かに身体はぐったりだけどさ」
キヨヒコは満足げに目を細め、俺の方を振り向いて悪戯っぽく微笑んだ。
「気持ちは、最高にリフレッシュできたさ」
「はいはい、それなら良かったよ。大富豪様のストレス解消に貢献できたなら、頑張った甲斐があったってものだね」
俺たちは顔を見合わせ、どちらからともなく可笑しそうに笑い合った。
豪華なスイートルームに、少し遅れて訪れた静かで穏やかな時間が、心地よく流れていっていた。

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都内の洗練された商業ビルの中、俺たちは並んで歩いていた。
あれから一ヶ月。
今日の俺は、上品で清潔感のある若奥様風の美女に変身している。
清潔感のある真っ白な膝丈のフレアスカートに、涼しげなノースリーブのシャツ。
その上から、さらりと透け感のあるシアー素材のカーディガンを羽織っていた。
歩くたびに柔らかい生地が揺れ、すれ違う買い物客たちが思わず振り返るのがわかる。
「ねえ、キヨヒコ。次はどのショップに行く?」
俺は若妻らしい、少し落ち着いた甘い声音で問いかけながら、彼の腕にそっと自分の腕を絡めた。
「そうだな……次はあっちのセレクトショップにしよう。……それにしてもトシオ、今日も完璧だな。本当にどこからどう見ても、自慢の綺麗なお嫁さんだ」
「ふふ、ありがとう。キヨヒコがそうやって褒めてくれるなら、この姿になった甲斐があったわ」
俺たちは目的のショップへと足を踏み入れた。
次の旅行の予定はまだ決まっていない。
だが、キヨヒコが「いつどんな旅行が決まってもいいように」と、事前に衣類を買い揃えておこうと提案してきたのだ。
店内に並ぶ最新のコレクションを眺めながら、俺は手際よく服を選んでいく。
「旅行先がリゾート地になるか、はたまたクラシックな洋館になるか分からないからね。……これなんか、清楚な雰囲気で良さそうじゃない?」
「いいな。じゃあ、それのSサイズとMサイズ、両方買っておこう。……あ、あとお前が『別の姿』になった時用に、Lサイズも一着頼む」
「ええ、分かってるわ。どんなオーダーにも一瞬で答えられるようにしておかないとね」
俺たちはデザインが気に入った服があれば、サイズ違い、さらには色違いまで迷わず次々とピックアップしていった。
もちろん、清楚なワンピースから、少し露出度の高い艶やかなドレス、果てはスポーティーなカジュアルウェアまで種類も様々だ。
店員が「お客様、そちらのサイズ違いもご用意いたしましょうか?」と驚いた顔で駆け寄ってくる。
「ええ、お願いします。気に入ったものは全部いただきたいので」
俺が微笑みながら伝えると、キヨヒコはポケットからブラックカードを取り出し、スマートに店員へ差し出した。
「これ、まとめて会計で。後でホテルまで配送の手配も頼むよ」
「かしこまりました! いつもありがとうございます!」
店員は目を丸くしながらも、極上のスマイルで深々と頭を下げた。
店を出て、次の店へと向かう廊下を歩きながら、俺はくすりと笑い声を漏らした。
「ふふ……毎回思うけど、お金の使い方が本当ダイナミックよね。全部パトロン持ちだなんて、なんだか悪い気もしてきちゃう」
「何を言ってるんだ。俺はお前に投資してるんだよ。次はどんなお前と旅ができるか、そのための準備だと思えば安いもんさ」
キヨヒコは頼もしく胸を張り、俺の手をぎゅっと握り直した。
「さて……次は下着と水着のショップに行こうか。もちろん、いろんなデザインとサイズを『全種類』な」
「もう……本当に人使いが荒いんだから。でも……楽しみにね、キヨヒコ」
俺は若妻の顔で彼の頬に軽く自分の肩を寄せ、次のショップへと仲良く歩き出した。

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「よし、一通り買い終わったな!」
大量のショッパーを配送に回し、両手を自由にしたキヨヒコが、満足そうに息を吐いた。
そして、隣を歩く俺の顔を伺うように覗き込むと、どこか期待を込めたようなニヤリとした笑みを浮かべた。
「なぁ……このあと、時間あるか? この近くに、また景色のいいホテルがあるんだけどさ」
その提案の意図なんて、聞くまでもなくお見通しだ。
この前のスイートルームでの出来事がよほど味を占めたらしい。
「だーめ。今日はもう帰るよ」
俺は若妻の姿のまま、両手でバツ印を作ってみせた。
「えー、なんでだよ。せっかくこんなに綺麗な格好してるのにさ」
「私だって暇じゃないんだから。明日は普通に仕事なの。夜更かしして遅刻でもしたらどうするのよ」
「そう言わずにさぁ……ちょっとだけだから。な?」
なおも食い下がろうと、キヨヒコは甘えるような手つきで俺のシアー素材のカーディガンの裾を引っぱってくる。
まったく、大企業の御曹司のくせに、俺の前では途端に我が儘な子供みたいになる。
俺はフッと苦笑すると、彼の鼻先を指先で軽く突っついた。
「だめなものはだめ。……でもさ」
少しだけ声をトーンダウンさせ、若妻らしい艶っぽい笑みを浮かべて彼の耳元に顔を近づける。
「次の週末、土日なら両方とも丸々空いてるから。そしたら、またたっぷり付き合ってあげる」
「……っ! マジで!? 土日どっちも!?」
一瞬でキヨヒコの顔がパッと明るくなった。現金な奴だ。
「ええ、本当よ。だから今日は大人しく我慢すること。……わかった?」
「……わかったよ。来週の土日、絶対に空けておけよな! 今から最高なホテル探しておくから!」
すっかり機嫌を良くしたキヨヒコを見て、俺はひとつ息を吐き出すと、変身した姿ではなく、いつもの友人としての「俺」の視線で彼を見つめた。
「ったく、お前さぁ……」
俺は繋いでいた手を優しく解き、彼の肩をポンと叩いた。
「お前もさ、いつまでも俺(こんな奴)に付き合ってないで、普通に本物の可愛い彼女作りなよ。金も顔もあるんだから、探せばいくらでもいるだろ?」
「なっ……余計なお世話だろ、それは!」
キヨヒコは急に照れくさそうに顔を赤くして、そっぽを向いた。
「お前みたいな、どんなワガママも理想も叶えてくれる都合のいい『彼女』なんて、他にいるわけないだろ」
ボソッと呟かれたその言葉に、俺は若奥様風の綺麗な顔を歪めて、くすくすと声を上げて笑った。
「はいはい、光栄なことね。それじゃあパトロン様、来週を楽しみにしてるわ」
夕暮れ時の街並みの中、俺たちは来週末の約束を交わし、それぞれの帰路へとつくのだった。



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