8c53053e No.3248
「海魅。お願いだ、もっと、もっと……恥ずかしいところ、見せてください。君の、その黒い……奥まで」
隆明が、屈辱に顔を染めながらも、絞り出すように言葉を紡いだ。
(言わせたぜ。令嬢を相手に、そんな下品な懇願を。お前の理性は、もうこの紐より先にズタズタだ)
「ふふ、よく言えました。本当に、隆明くんはエッチな人。でも……そんなに見たがるなら、見せてあげるね」
俺はゆっくりと腰を浮かせ、彼の目の前で黒いレースのクロッチを指先でそっと横にずらした。
露わになる、熱を帯びて赤く染まった海魅の最奥。
そこから溢れた蜜が、漆黒のレースに滴り落ちて、夜の闇に妖しく光る。
「あ、はぁっ! …隆明くん、見て……? こんなに、ぐちゃぐちゃだよ……っ」
俺はわざと足を震わせ、ガーターベルトの金具をチャリチャリと鳴らした。
隆明の瞳は、目の前の「禁断の果実」に釘付けになり、縛られた腕は、引きちぎらんばかりに痙攣している。
「あ、あぁっ! もう、無理だ。舐めさせて……いや、入れさせてくれっ!」
「だめ。……まだ、お仕置きの途中だもん。隆明くんは、ただ、見てるだけ。私が、自分で……こうするのを……」
俺は自分の指を、彼の視線の先にある秘部へとゆっくりと這わせた。
隆明の目の前で、自分自身を弄り、快感に顔を歪める海魅。
「んんっ、あ、ぁっ! すご、い……。隆明くんに、見られてると思うと、いつもより、……感じちゃうっ!」
(さあ、隆明。お前の目の前で、俺が俺自身で絶頂に昇り詰める姿を、その目に焼き付けろ。手も出せず、口も出せず、ただお前を置いていく……この最高に贅沢な『地獄』をな)
俺はわざと激しく腰を振り、彼の顔のすぐ上で、海魅の可憐な喘ぎ声を部屋中に響き渡らせた。
d5461890 No.3347
隆明の鼻先に、海魅の秘部がこれでもかとばかりに押し付けられる。
指先がその奥へと滑り込むたびに、漆黒のレースが擦れる「しゃりっ」という音と、そこから溢れ出す愛液が奏でる「じゅぷっ、ちゅるり……」という淫らな水音が、静かな寝室に際どいリズムを刻んだ。
「あ、っ……んんっ!隆明くんっ。見てる、の? こんなところ、……触ってるとこ」
俺はわざと恥じらうように、潤んだ瞳で彼を見下ろしながら、指をゆっくりと深く沈めた。
わざとらしく肩を震わせ、海魅特有の、か弱くて可愛い喘ぎ声を喉の奥から絞り出す。
「ひぁっ、あんっ……! ダメ、……そんなに見ないでぇ……、恥ずかしくて、おかしくなっちゃう……」
指先が秘部のひだを丁寧に広げ、隆明の唇に、びしょ濡れの真実をこれ見よがしに塗りつけた。
(縛り上げられて何もできないお前の顔のすぐ前で、俺はこんなに無防備に、自分の快楽を貪っている。お前の欲望が、鼻先で揺れるこの水音一つで極限まで掻き立てられているのが分かるよ)
「んっ、ぁっ! ねぇ、隆明くん……。海魅の、ここ……。お昼よりも、ずっと、ずっと、……びしょびしょ、だね……」
俺はわざと指を激しく動かし、自分の蜜が隆明の唇と鼻筋に垂れるのを放置した。
黒いレースの隙間から覗く、充血しきった果実は、今にもはち切れんばかりに主張している。
「あ、ぁぁっ! やだっ! こんな恥ずかしい姿……、隆明くんに! 見られたまま、あっ、……っ! いっちゃう……っ!」
「ひぁっ! あ、あんっ! だめぇ、……隆明くんの、前で……っ、我慢できないっ!!」
俺はわざと腰を激しく振り、指先で自分の核を弾き続けた。
じゅぷ、ちゅる、と甘い音を立てて指が抜き差しされるたび、海魅の体はビクンビクンと小刻みに痙攣する。
演技と本能が混ざり合い、本当に羞恥に耐えかねているような可愛らしい泣き声を、これでもかと隆明の耳元に響かせる。
「あっ! あ、あああぁっ!! い、いっちゃうっ! 見てて! 私の、私の……っ!」
俺は指先を抜かずに、そのまま彼の唇に蜜を擦り付けたまま、全身を強張らせて絶頂の渦へとダイブした。
震える腰が彼の頬に何度も打ち付けられ、黒いガーターがチャリと鳴る。
寝室には、俺の可憐な嬌声と、隆明の荒い鼻息だけが満ちていた。
d0fb0d0c No.3355
俺は、まだ絶頂の余韻で震える身体をゆっくりと隆明の顔から引き離した。
シーツには、俺が撒き散らした情熱の跡が、黒いレース越しにうっすらと染みを作っている。
「ふふ、隆明くん。……いい子だったね。ずっと、じっと待っててくれて」
俺はベッドサイドで固く結ばれた漆黒の組紐に指をかける。
スルリ、と解ける感触。隆明の手首から縄目が消えるのと同時に、彼は獣のような息を吐き出しながら、しびれた腕を無様に投げ出した。
「海魅っ、もう、限界だ……っ!」
「わかってるよ。ご褒美、欲しかったんでしょ?」
俺は立ち上がり、黒いガーターベルトの金具を外すふりをして、わざとらしく腰を落とした。
床に座り込んだ彼の目の前に、俺の濡れた秘部を突き出すように座り直す。
シースルーのショーツと、漆黒のレースの隙間。
先ほどまで彼に擦り付けていた、俺の甘い「ご褒美」が、まだしっとりとそこに残っている。
(縛り上げられて飢えに飢えたお前の喉が、今、何を求めているか、分かりきってるよ。その誇り高い『夫』のプライドなんて、この味で完全に塗りつぶしてやる)
「いいよ。……食べて。海魅の、一番熱いところ……」
俺は腰を浮かせ、彼の顔を俺の脚の間に引き寄せた。
隆明の瞳には、理性など微塵も残っていない。ただ、獲物を捕らえた飢えた獣の光だけが宿っている。
彼は震える手で俺の太ももを掴み、迷いなくその唇を俺の蜜に押し当てた。
「んぐっ……っ!」
「あ、ぁ……っ! ふふ、すごい……。舌、……そんなに……っ」
湿った音が寝室に響く。
お風呂上がりの石鹸の香りと、俺の濃厚な体液が混ざり合い、彼の口内へと消えていく。
縛られていた時の焦燥が、今は執拗な愛撫となって、俺の敏感な場所を容赦なく責め立てた。
「あ、っ……! 隆明くん、……っ! ……そこ、……だめ、っ、そんなに、激しく……っ」
俺は彼の髪に指を絡め、快感に身を反らせる。
「あ、あ、ダメ、また……っ、そんなに綺麗に食べてくれるから……っ、また、……おかしくなりそう……っ!」
(見ろ、隆明。あんなに余裕ぶっていたお前が、今では俺の蜜に溺れて、無様に喘いでいる。これが、お前が欲しがった『海魅』の正体だ。その舌の先で、俺という『黒い深淵』を、骨の髄まで味わい尽くせよ)
「隆明くん。もっと、……汚して。……私のこと、あなたの匂いで……いっぱいにして……っ!」
俺は彼の頭を抱き寄せ、黒いレースの隙間をさらに押し広げた。
夜はまだ、終わらない。
縛られた記憶を上書きするように、彼はただ無心に、俺という「甘い檻」を貪り続けた。
21ada5d9 No.3373
俺は隆明の胸元に腰を下ろしたまま、シーツの上に投げ出された彼の両手首を見つめた。
黒い組紐が、彼の肌に生々しい赤みを残している。俺はその赤い跡を、指先でゆっくりとなぞった。
「ねぇ、隆明くん。この紐、外してほしい?」
俺はわざと解きかけの結び目に爪をかけ、すぐには解かずに指を滑らせた。
彼は自由を求めて腕をねじり、俺の腰を掴もうとするが、まだ組紐はそれを許さない。
そのもどかしさに、彼の荒い呼吸がさらに早くなる。
「海魅、もういいだろ。手を使わせてくれ。君を、……もっと強く抱きしめたいんだ……っ」
「ふふ、いいよ。……そんなに我慢できないなら、解いてあげる」
俺は唇を歪め、焦らすようにゆっくりと紐の末端を引いた。
ほどけた組紐がシーツの上に滑り落ちる。隆明は自由になった両手を大きく振り上げようとしたが、その手は空を切ることはなかった。
俺がその両手を掴み、あえて俺の腰回りに強引に引き寄せたからだ。
「さぁ、自由だよ。でも、逃がさない。その手で、私をもっと壊してみて?」
「海魅……!」
隆明の瞳には、飢えた獣のような光が宿っていた。
解き放たれたばかりの手が、俺の背中を、お尻を、ガーターベルトのレースを、まるで獲物を貪るように荒々しくなぞり始める。
「そう、それだよ。お昼のお上品な隆明くんはどこにもいないね。……今の君、最高にエッチだよ」
俺は彼の荒い指使いを受け入れながら、全身を彼に預けた。
縛られた記憶を上書きするように、彼は俺の体中に自分の痕跡を残そうと、執拗なキスを刻んでくる。
「ねぇ、隆明くん。もう、私のこと……どこにいても、離さないでよね?」
俺は彼の耳元でそう囁き、彼の両手を俺の胸元へと導いた。
束縛から解放された彼の手は、今度は俺を支配するために使われる。
寝室には、服の擦れる音と、二人の熱い吐息が混ざり合い、夜の闇に吸い込まれていった。
cb4be683 No.3382
組紐が解け落ちた瞬間、空気に触れた隆明の手首が、怒涛のような力強さを取り戻す。
俺が先ほどまで支配していたはずの主導権は、一瞬にして彼の両手に奪い取られた。
「あ、っ! 隆明、くん……?」
彼の手が俺の細い手首を掴み、ベッドへと強引に叩きつける。
先ほどまでの「甘やかしてくれる夫」の影は消え失せ、目の前には、飢えた獣のように光る瞳をした男がいるだけだった。
「ひ、あぁっ!!」
彼は何も言わず、俺の上へと覆い被さる。
その重みが、シーツの白さを掻き消すように俺を圧倒する。
逃げ場なんて、どこにもない。
「だ、だめっ、そんなに、強くっ! ……怖いよ、隆明くん、そんな顔で見ないで……」
俺はわざとか弱く、震える声で懇願する。
彼は俺の腰を片手でねじ伏せ、もう片方の手で黒いレースの縁を、乱暴に、指先で引き裂くように広げた。
「あ、あんっ!! そこ、ダメぇ!! ……壊れちゃう、っ、そんなに激しく、突いたら……っ!!」
「ごめん、海魅……。もう、我慢できない。君が僕を、こんなに狂わせたんだ」
彼の低い声が、耳元で震える。
俺は彼の肩に爪を立て、まるで捕食される獲物のように身体を反らせた。
「やだぁっ! 強すぎる! 隆明くん、っ、あ、あ、ぁっ!! もう、っ、全部、……壊されちゃうっ!!」
黒いガーターが、彼の激しい動きに合わせてチャリチャリと悲鳴を上げる。
俺の足は宙をかき、シーツを涙で濡らしながら、ただただ彼に蹂躙されるままになるしかなかった。
「あんっ、っ、あ、ぁ!! っ、ひぁっ、……た、隆明くん、ッ!! もう、ダメ!!、隆明くんにっ、……っ!!」
(いいぞ……。理性を捨てて獣になったお前の俺の身体の隅々まで、刻みつけてくれ)
俺は海魅の細い声で、泣きじゃくるように叫び続けた。
清楚な令嬢が、その全てを蹂躙され、黒いレースと愛欲の海に溺れ果てていく。
離れの寝室は、俺たちの狂おしい愛の音で、夜が明けるまで満たされ続けていた。
cfb049b0 No.3403
隆明の突き上げは、もはや理性を完全に焼き切っていた。
ベッドが軋む大きな音が、深夜の離れに暴力的なほど響き渡る。
俺が身につけている黒いガーターベルトの金具が、彼と俺の身体が激しくぶつかるたびに、チャリ、チャリと金属的な悲鳴を上げる。
「あ、ぁぁぁぁーーっ!! 隆明くんっ!! だ、ダメっ、壊れるっ……っ!!」
俺は枕に爪を立て、シーツが涙でぐしゃぐしゃになるのも構わず、喉が張り裂けんばかりに絶叫した。
か弱い海魅として、彼の強すぎる愛欲を全て受け止める。
「はぁっ、っ!、んぐっ!! 海魅っ! 可愛い、もっと鳴いてくれ……っ! お前のその声、全部俺のものだっ!」
隆明の雄叫びにも似た低い声と、俺の震える嬌声が混ざり合い、静かな温泉街の夜を支配していく。
彼は俺の腰を片手で強引に引き寄せ、逃げ場を塞ぐように、容赦なく最奥を突き上げた。
「あ、ぁああっ!! っ、た、隆明くんっ!!、っ、あ、あぁぁ!! そこ、……だ、ダメぇっ!! そんなに、……奥までっ!!」
「っっ、!! あぁ、海魅っ!! っ、……ッ!!」
彼の身体が、激しい愛撫の中で大きく跳ねた。
俺の視界は、彼に蹂躙される快感で真っ白に塗りつぶされていく。
部屋中を満たす、肌と肌が弾ける生々しい音。
俺たちはまるで、互いの魂をぶつけ合うように、息も絶え絶えに叫び続けた。
「あ、あんっ!! っ、隆明くん!! ッ!! ……っ!! う、ぅ、……っ、っ!!」
(聞こえるか、隆明。お前のその『獣』の顔と、俺の『令嬢』の悲鳴。このまま、夜が明けるまで二人で壊れちまおうぜ!!)
俺は海魅の姿のまま、愛欲の渦に飲まれながら、この最高の「獲物」の情熱を、全身全霊で貪り尽くした。
37af91bc No.3410
窓の外からは、黒川温泉の清々しい朝を告げる鳥のさえずりが聞こえてくる。
「……う、……ん……っ」
重い瞼をゆっくりと開けると、網膜に飛び込んできたのは、昨夜の狂乱を物語る無残に散らばった黒いレースの残骸と、シーツの汚れだった。
身体中が重い。
特に、何度も執拗に貫かれた股間には、ズキリとした鋭い痛みが走る。
(ククッ。流石にやりすぎたか。清彦としての理性まで吹き飛ぶような夜だったぜ)
隣を見ると、隆明が大きな、幸せそうないびきをかいて泥のように眠っている。
あんなに獣のように俺を貪っていた男が、今は無防備な子供のような顔だ。
その時、枕元でスマートフォンの着信音がけたたましく鳴り響いた。
画面を見ると、本館のフロントからだ。
「は、はい。もしもし……」
俺はわざと、寝起きの、そして情事の余韻が残る掠れた「海魅」の声で電話に出た。
「あ、海魅様! おはようございます。……あの、朝食のお時間がだいぶ過ぎておりますが、何かございましたでしょうか? 」
仲居さんの心配そうな声。
お客様が朝食に現れないとなれば、騒ぎになりかねない。
「すみません。長旅の疲れが出たみたいで、……少し寝坊してしまいました。……あの、あと30分……。30分後には必ず行きますので、お待たせして申し訳ありません」
「さようでございましたか。承知いたしました。では、お支度がお済みになりましたら、お越しくださいませ」
電話を切ると、俺は深くため息をついた。
隣では、まだ隆明がグーグーといびきをかいている。
「ねぇ、隆明くん。起きて。朝食食べに行こう」
俺は痛む股間をさすりながら、彼の肩を揺すった。
(さあ、隆明。朝食の席では、また『清楚な新婚夫婦』の仮面を被らなきゃならないんだ。……お前のその、満足げな寝顔もここまでだぜ)
俺はベッドから這い出し、重い足取りで浴室へと向かった。
鏡に映った俺の首筋には、昨夜彼が残した、隠しきれないほどの真っ赤な痕が点々と刻まれていた。
f57f38ff No.3477
鏡に映る自分の姿を見て、思わず苦笑いが漏れた。
(こいつはひどいな。清楚なワンピースで隠しきれるレベルじゃないぜ、隆明……)
首筋から鎖骨にかけて、まるで縄張りを示すかのように刻まれた、濃い紅色の痕。
指で触れると、昨夜の激しい衝撃を思い出したかのように、下腹部の奥がズキリと疼いた。
「んっ、……海魅……?」
背後から、ようやく覚醒した隆明の掠れた声が聞こえる。
彼はベッドの上で上半身を起こし、目を細めて俺の後ろ姿を見つめていた。
「あ、隆明くん。やっと起きた。さっき本館から電話があったの。朝食で私たちが来るのを待ってるって」
「あ。そうか、もうそんな時間か……」
彼はまだ夢の中にいるような顔で、のそりとベッドから這い出してきた。
そして、洗面台の前に立つ俺の背後に回り込むと、迷いなくその太い腕を俺の腰に回す。
「っ! 隆明くん、だめだよっ。もう行かなきゃいけないのに……」
「……悪い。でも、昨夜の君が、あまりに綺麗だったから……」
彼は俺の首筋の痕にそっと唇を寄せた。
その感触に、俺は思わず「海魅」として小さく声を上げてしまう。
「ひぁっ、だ、め……っ。そこ、痛いんだから……っ。隆明くん、昨夜……すごく激しかったよ?」
俺はわざとらしく潤んだ瞳で鏡越しに彼を睨んだ。
股間の鈍い痛みを意識しながら、少しだけ足元をふらつかせてみせる。
「あぁ、ごめん。……海魅、歩けるか?」
「わかんない。でも、行かなきゃ。……30分で行くって言っちゃったんだから。……ねぇ、隆明くん。お化粧、手伝ってなんて言わないから、……せめて着替え、手伝ってくれる……?」
(さあ、隆明。お前がめちゃくちゃにしたこの体を、今度は優しく包み込んでくれよ。……俺たちはこれから、何食わぬ顔で『幸せな新婚さん』を演じなきゃならないんだからな)
俺は彼の腕の中で、甘えるように体重を預けた。
外では、朝の光を浴びた鳥たちが、さらに騒がしくさえずり始めていた。
f57f38ff No.3482
「もう、本当に困った人」
俺はわざとらしく溜息をつきながら、彼の手を引いてクローゼットへと向かった。
一歩踏み出すたびに、内腿に走る重い痛みと、昨夜の「熱」がまだ身体の奥に残っているような違和感が、俺を現実に引き戻す。
「海魅、顔が赤いぞ。まだ、しんどいか?」
隆明が心配そうに覗き込んでくる。
その真っ直ぐで誠実そうな瞳を見ると、昨夜、俺を縛り上げ、獣のように貪っていた男と同一人物だとは到底思えない。
「誰のせいだと思ってるの? ……でも、大丈夫。隆明くんに愛された証拠だもん。ねぇ、それ。その白いハイネックのブラウス、取って?」
「あぁ、これか」
彼に渡されたブラウスを羽織り、一番上のボタンまで丁寧に留める。
鏡を確認すると、あの真っ赤なキスマークは綺麗に隠れた。
だが、服の下には、まだあの黒いレースの残骸がベッドに転がっている。
「隆明くん、あっち……片付けておいて。仲居さんがお掃除に来ちゃうから」
「あ、あぁ。わかった。すぐやる」
(慌てて黒い下着を隠す『誠実な夫』か。滑稽だな、隆明。お前が昨夜、俺のその下着をどんな顔で引き裂こうとしていたか、俺は一生忘れないぜ)
俺は手早く化粧を整えた。
目元の赤みをコンシーラーで消し、唇には少しだけ血色のいい紅を差す。
鏡の中にいるのは、どこからどう見ても、少し寝坊しただけの、幸せいっぱいの若奥様だ。
「……よし。完璧。隆明くん、準備できた?」
「あぁ。行こうか」
隆明も着替え終わり、いつもの「頼れる男」の顔に戻っている。
部屋を出る直前、俺は彼の手をぎゅっと握りしめた。
「ねぇ、隆明くん。朝食の席では、あんまり私を見つめないでね? 昨夜のこと、思い出して……顔に出ちゃいそうだから」
俺は悪戯っぽく微笑んで、彼を促した。
痛む身体を引きずるようにして、俺たちは新緑の眩しい廊下を抜け、本館の食事処へと向かった。
f57f38ff No.3483
本館の広々とした大広間は、朝の柔らかな光に包まれていた。
畳の香りと、出汁の芳醇な匂いが立ち込める中、俺たちは仲居さんに案内され、一段高い場所にある座敷の席へと着いた。
周囲には数組の観光客が、穏やかに談笑しながら朝食を楽しんでいる。
薄い屏風の仕切りはあるものの、少し視線を外せば隣の老夫婦と目が合ってしまうような、開放的で、それゆえに緊張感の漂う空間だ。
「お待たせいたしました。こちら、当館自慢の釜炊きご飯でございます」
「わあ……美味しそう! ありがとうございます」
俺は「海魅」として、完璧な微笑みを仲居さんに向けた。
薄紅色の唇を上品に動かし、背筋をピンと伸ばして座る。
首元のレースブラウスは、昨夜隆明がつけた鮮烈な「愛の痕跡」を一枚の布の下に封じ込めている。
(誰も想像できまいよ。この清楚な令嬢が、数時間前には漆黒のガーターを身に纏い、獣のように咆哮する男の下で絶叫していたなんてな)
「隆明くん、お腹空いたね。さあ、いただこう?」
向かい合う隆明は、いかにも「真面目で誠実な夫」という面持ちで箸を手にした。
だが、その瞳の奥には、まだ隠しきれない熱が沈殿しているのを俺は見逃さなかった。
「ああ。……昨日は、よく眠れたからな」
隆明が平然とした顔で嘘をつく。
俺はその言葉に、わざとらしく頬を赤らめて俯いてみせた。
周囲の客からは、新婚旅行中の初々しい夫婦が照れ合っているようにしか見えないだろう。
だが、味噌汁の椀を口に運ぼうとした、その時だった。
テーブルの下で、隆明の大きな足が、俺の足をそっと探り当てた。
そして、昨夜の激しい衝撃でまだヒリヒリと疼いている俺の膝を、布越しにゆっくりと、執拗になぞり始めたのだ。
「……っ!?」
俺の身体が小さく跳ねる。
手に持った箸が、カチリと茶碗の縁に当たった。
隆明は、何食わぬ顔で焼き魚の身を解している。
だが、テーブルの下の彼の足は、さらに大胆に、俺のスカートの裾を押し上げ、ストッキングに包まれた太ももの内側へと侵入してきた。
(この男……! こんな場所で、何を考えてやがる。周囲にはあんなに人がいるんだぞ)
「海魅? どうしたんだい。手が止まっているけれど」
隆明が、冷徹なほどに穏やかな声で問いかけてくる。
彼の足先は、今まさに、昨夜彼が散々弄んだ「最も敏感な場所」へと、じわりと近づいていた。
「う、ううん。なんでもないの。ちょっと……昨日の疲れが、足にきてるみたいで……」
俺は必死に声を震わせないように答え、湯呑みを握りしめた。
すぐ隣の席からは、子供の笑い声と食器の触れ合う音が聞こえてくる。
見ようと思えば、誰でも俺たちの下半身の隠密な接触に気づくことができるかもしれない、そんな極限の状況。
股間の奥が、隆明の足の圧迫を受けるたびに、ズキリとした痛みと、それを上書きするような熱い拍動を繰り返す。
俺は海魅の仮面を剥がされそうになるのを必死に堪え、彼を上目遣いで睨みつけた。
「隆明くん。……ご飯、冷めちゃうよ……?」
声に微かな「制止」のニュアンスを込める。だが、彼はそれを受け流すように、口角をわずかに釣り上げた。
テーブルの上では、箸を運ぶ音だけが静かに響く。
だがテーブルの下では、解放された「獣」の欲望が、再び俺を蹂躙しようと牙を剥いていた。
(やるじゃないか、隆明。この衆人環視の静寂こそが、お前にとって最高の『焦らし』なんだな。いいぜ、この『完璧な夫婦』の仮面がいつまで保つか、最後まで付き合ってやるよ!)
1dcb6ec9 No.3491
隆明の足先は、もはや偶然を装うことすらやめていた。
ロングスカートの奥深く、ストッキングの柔らかな感触を確かめるように滑り上がり、昨夜の熱を帯びたままの「そこ」を、足の親指でピンポイントに捉えた。
(っ! こ、この野郎……よりによって、そこを!)
隆明の足が、クリの尖端を円を描くように執拗に、集中的に弄り始める。
テーブルの上では、彼は涼しい顔で出汁巻き卵を口に運び、「美味しいね」などと爽やかに宣っている。
だが、テーブルの下から突き上げられる刺激は、容赦なく俺の理性を削り取っていく。
「んっ……、ふ、ぅ……っ」
不意に喉から漏れかけた声を、俺は慌てて咳払いで誤魔化した。
隣の席の老夫婦が、一瞬こちらを優しく見守るような視線を向けたのが分かる。
「あ、ごめんなさい。ちょっと、お出汁が喉に……ふふ、隆明くん、本当においしいわね、これ」
俺は必死に顔を綻ばせ、完璧な「海魅」の笑顔を作った。
だが、膝の上で握りしめた拳は、快感と屈辱で小刻みに震えている。隆明の足は、わざと力を強めたり、弱めたりして、俺の反応を楽しんでいる。
「あ、はぁ……っ、……んんっ……」
我慢しようとすればするほど、鼻にかかった可愛い喘ぎ声が、隙間からこぼれ落ちてしまう。俺はその度に、お茶を啜ったり、小皿を並び替えたりして、カチャカチャという音でその淫らな声をかき消した。
(ククッ……。隆明、お前……いい度胸してやがる。こんな大勢の前で、俺をイカせるつもりか!?)
数分が経ち、さらに調子に乗った隆明の足先は、今度は割れ目に沿って上下に、ぬるりと擦り付けられた。
布越しでも伝わる、硬くて熱い足の感触。俺の最奥は、昨夜のダメージも忘れて、再び蜜を滴らせ始める。
「っ、……っ!、……あ……」
俺の腰が、ガタりと小さく浮いた。
もはや限界だった。
俺はテーブルの下に手を伸ばし、自分の秘部を蹂躙し続ける隆明の、むき出しになった足首を、指先に力を込めて思い切りつねり上げた。
「っ!!、いっ、……!!」
静かな座敷に、隆明の短い悲鳴が響いた。
隣の客が驚いたようにこちらを向く。
隆明は箸を落とし、顔を引きつらせて固まっている。
「隆明くん? どうしたの、大きな声を出して」
俺はわざとらしく小首を傾げ、この上なく無垢で心配そうな、聖母のような微笑みを彼に向けた。
だが、テーブルの下では、彼の足首をまだギチギチとつねり続けている。
「い、いや。なんでもないんだ。……急に、足が吊ってしまって……あはは」
「まあ、大変。昨日の疲れかしら? ……お部屋に戻ったら、私がじっくり『マッサージ』してあげるから、今はしっかりご飯を食べてね?」
俺は「マッサージ」という言葉に、冷徹な殺気と夜の続きの予告を込めて囁いた。
隆明は額にうっすらと汗をかきながら、「……ああ、楽しみにしてるよ」と、ひきつった笑いで答えるしかなかった。
1dcb6ec9 No.3492
朝食の席に漂う静寂は、今や俺たちの間で繰り広げられる、音のない「戦争」の戦場へと変わっていた。
隆明は、自分の足首を俺につねられた痛みに耐えながら、何食わぬ顔で焼き魚の小骨を外している。
その落ち着いたチノパンとポロシャツの着こなしは、いかにも清潔感のあるエリート夫そのものだ。
(やられっぱなしで終わると思うなよ、隆明。お前のその涼しい顔が、いつまで保つか試してやる)
俺は海魅としての淑やかな微笑みを保ったまま、ロングスカートの裾を密かに捌き、右足の親指と人差し指を器用に使って彼の足元へと忍ばせた。
「ねぇ、隆明くん。このお豆腐、大豆の味がしっかりしていて本当に美味しいわ。一口、食べてみる?」
俺は箸で湯豆腐を掬い、彼の口元へと運ぶ。
その優雅な動作の裏で、俺の足先は彼のチノパンの股間の膨らみを、真っ向から捉えていた。
「あ、ああ。いただくよ。……っ!?」
隆明が豆腐を口に含んだ瞬間、俺は足の親指と人差し指で、彼の「そこ」を優しく、だが確実な圧を込めて撫で上げた。
チノパンの硬い生地越しでも、中にある熱い塊が、一瞬にして跳ねるように反応するのが足の裏に伝わってくる。
「ふふ、どう? 美味しいでしょう? 隆明くん、お顔が少し赤いけれど、やっぱりまだお疲れが残っているのかしら」
「いや。……海魅が、あまりに……甲斐甲斐しくしてくれるから、照れているだけだよ」
隆明は豆腐を飲み込み、喉仏を大きく動かした。
彼は必死に平静を装っているが、テーブルの下では俺の足が、ゆっくりと、そして大きく、彼の中心を上下に愛撫し始めている。
(ほう……。これまで疲れがあるはずなのに、もうこんなに元気になってやがる。お前の身体は、俺の刺激に対して正直すぎるんだよ)
俺は親指と人差し指を使い、固く、そして熱く膨張していく彼の質量を、包み込むように、じわりと締め付けた。
隆明の肩がピクリと跳ね、彼が持つ箸の手がわずかに震える。
「海魅。……もう、そのくらいで……」
「あら、何のこと? ……あ、そういえば、さっき仲居さんがおっしゃっていた『地元の隠れスポット』、朝食の後に二人で行ってみない? 隆明くんと二人きりで、静かな場所に行きたいな……って」
俺はわざとらしく小首を傾げ、周囲の客に聞こえるような通る声で、甘い誘いを口にした。
だが、テーブルの下では、俺の足指はさらに執拗に、彼の亀頭の輪郭をなぞるように円を描き、中心をぎゅっと圧迫し続けている。
「っ、っく。……ああ、……いいな。二人きり……なら……どこへでも……」
隆明の声が、快感と忍耐で低く、掠れていく。チノパンの布地が、中からの圧力に耐えかねてパンパンに張り詰め、俺の足裏には、ドクドクと力強く打つ彼の鼓動がダイレクトに響いてきた。
「よかった。ふふ、隆明くん。……そんなに、奥歯を噛み締めなくてもいいのに。……美味しい朝食を食べている時くらい、……リラックスして? ……ほら、……もっと、……力、抜いて……っ」
俺は足の指をさらに深く潜り込ませ、彼の最も敏感な部分を、まるで指先で愛撫するかのように、ゆっくりと、そしていやらしく揉みしだいた。
(ククッ。周りの客は、お前が今、こんなに顔を真っ赤にして、股間を俺の足に弄ばれているなんて、夢にも思わないだろうな。……さあ、隆明。お前のその立派な『欲望』が、朝食会場で爆発しないように、必死に耐えてみせろよ)
俺は冷めたお茶を一口啜り、完璧な令嬢の微笑みを浮かべたまま、テーブルの下でさらなる追い打ちをかけるべく、足の指に力を込めた。
23d86009 No.3493
俺は片方の手で頬杖をつき、うっとりと夢見るような、それでいてどこか挑発的な「海魅」の笑顔を隆明に向けた。
だが、テーブルの下ではもはや遊びの域を超えた、冷徹かつ情熱的な愛撫が繰り広げられている。
右足の指先で彼の先端を弄りながら、今度は左足をスルスルと忍ばせ、彼の股間を両側から挟み込んだ。
ポロシャツとチノパンという清潔感あふれる彼の装いの中で、膨らみきった質量が俺の両足の裏に、熱く、硬く、確かな存在感を持って収まっている。
「ねぇ、隆明くん。そんなに難しい顔をしてどうしたの? このお魚、冷めないうちに召し上がれ。ほら、あーんして?」
「海魅、君は……っ。はぁ、あ、ああ。いただくよ……」
俺が差し出した一切れを、彼は苦悶の表情を隠しきれないまま口にする。
俺は両足の裏を密着させ、彼の中心を上下に、力強く、そして「ぬるり」とした摩擦を感じさせるように擦り上げた。
チノパンの生地が擦れる「シュッシュッ」という微かな音が、俺たちの間だけで淫らに響く。
(いいぞ、隆明。その喉元まで出かかっている喘ぎ声を、必死に飲み込め。隣の家族連れも、後ろの老夫婦も、お前が今この瞬間、妻の足で絶頂の縁まで追い込まれているなんて、これっぽっちも思っていないんだからな)
「ふふ、美味しい? あ、見て。隆明くんの好きな、おぼろ豆腐もあるわよ。ねぇ、そんなに身体を強張らせて……そんなに、私の『おもてなし』が嬉しいの?」
俺はわざと足を交互に動かし、彼の裏側と表側を波打つようなリズムで責め立てた隆明の手は今やテーブルの縁を白くなるほど握りしめており、額には大粒の汗が浮かんでいる。
「海魅、もう、……っ。限界だ、っ。ここじゃ……」
「あら、何が限界なの? ふふ、そんなに汗をかいて。少し、お外の空気に当たった方がいいかしら? それとも、……もう、お腹いっぱい?」
俺は足の指で、彼の熱い鼓動が伝わるそこをギュッと締め付けた。
隆明の腰が小さく跳ね、彼は「っ、……!」と声を押し殺して天を仰いだ。
その無防備な首筋には、俺がつけたわけではない、彼自身の昂ぶりによる赤みが差している。
「ああ、……もう、十分だ。ご馳走様。……海魅、部屋へ……戻ろう」
「ええ、そうね。私も……隆明くんと二人きりになりたくなっちゃった。仲居さん、ご馳走様でした。とっても美味しかったです」
俺は優雅に立ち上がり、何事もなかったかのように着崩れたスカートの裾を整えた。
隆明はポロシャツの裾を引き、股間の「証拠」を必死に隠しながら、ぎこちない足取りで俺の後に続く。
廊下に出た瞬間、彼は周囲に人がいないのを確認して、俺の腕を強引に引き寄せた。
「海魅、お前……っ。あんな場所で……」
「ふふ、だって隆明くんが、とっても可愛かったんだもの。さあ、急いで? 続きは、誰にも邪魔されない……私たちの、あのお部屋で……」
俺は彼の耳元で悪戯っぽく囁き、痛みと疼きが残る股間を意識しながら、離れへと続く回廊を足早に駆け抜けた。
部屋の重い扉を閉めた瞬間、本当の「蹂躙」がまた始まることを、俺たちは確信していた。
23d86009 No.3494
離れの重厚な扉が閉まり、静寂が訪れた瞬間。隆明は飢えた獣のような足取りで俺の間近まで詰め寄り、その太い腕を俺の腰へと伸ばそうとした。
しかし、俺は蝶が舞うような軽やかな足さばきで、彼の指先がブラウスに触れる直前にその場をすり抜けた。
「おっと。隆明くん、少し気が早すぎるんじゃないかしら?」
俺は窓際まで進み、朝の光を背に受けて優雅に振り返った。
驚きで手を伸ばしたまま固まっている隆明に、小悪魔のような微笑を投げかける。
「な……海魅? 部屋に戻ったら、続きをさせてくれるんじゃ……」
「続き? 何の続きかしら。私はただ、朝食を終えてお部屋で一休みしましょう、と言っただけよ」
俺はわざとらしく小首を傾げ、彼の困惑を楽しむように、指先で自分の唇をそっとなぞった。
物理的な距離を保ちつつ、彼の「雄」としての熱量をさらりといなす。
昨夜あんなに激しく乱され、今朝もテーブルの下であれほど彼を煽っておきながら、今は何事もなかったかのように「清純な令嬢」の仮面を完璧に被り直している。
「そんな……生殺しじゃないか。君だって、あんなに……」
「あら、心外だわ。最初にテーブルの下でいたずらを仕掛けてきたのは、あなたの方でしょ?」
俺は少しだけ唇を尖らせ、拗ねたような、それでいて艶やかな声で彼を咎めた。
自分が昨日からどれほど彼を焦らし、翻弄し続けてきたかという事実は、都合よく記憶の隅へ追いやって。
「それは……君があまりに綺麗だったからで……」
「言い訳は聞きたくないわ。いたずらっ子な旦那様には、少し頭を冷やしてもらう必要があるみたい」
俺はクローゼットから、上品な刺繍の入ったハンドバッグを取り出し、腕にかけた。
そして、呆然と立ち尽くす彼の隣を通り過ぎ、玄関のノブに手をかける。
「さあ、隆明くん。せっかく黒川温泉に来たんだもの。親戚や職場の皆さんに、素敵なお土産を買いに行かなきゃね?」
俺は振り返り、最高に華やかで、反論を許さない「完璧な妻」の笑顔を向けた。
「お買い物中、あなたがずっと『紳士』でいてくれたら……また夜に、いいことがあるかもしれないわよ?」
23d86009 No.3495
隆明が運転する車の助手席は、適度な揺れと心地よい阿蘇の香りに包まれていた。
窓を少しだけ開けると、熊本の山あいを抜ける新緑の風が、俺の頬を優しく撫でる。
(流石に昨夜の激しさと、今朝の攻防で体力が削られたか……)
いつの間にか、俺は「海魅」としての緊張を解き、深い眠りへと落ちていた。
……ふと、意識の端に違和感を覚えた。
鳥のさえずりと、アイドリングを続けるエンジンの低い振動音。
どうやらどこかの景色の良い駐車場に車を止めたらしい。
だが、それよりも確かな違和感は、膝元に感じる「涼しさ」だった。
(隆明、お前……)
閉じた瞼の裏で、俺は状況を冷静に分析する。
さらりとしたロングスカートの生地が、ゆっくりと、音を立てずに太ももの方へと手繰り寄せられている。
隆明の視線が、露出していく俺の脚を舐めるように動いているのが、肌に刺さる熱で分かった。
俺は寝たふりを続けた。
規則正しい呼吸を崩さず、頭を少しだけ窓側に傾け、無防備な寝顔をさらけ出す。
「海魅……」
隆明の、掠れた、押し殺したような声が狭い車内に響いた。
次の瞬間、彼の大きな掌が、ストッキングに包まれた俺の膝にそっと置かれた。
指先が太ももへと、じわり、じわりと這い上がってくる。
(お土産を買いに行くはずが、我慢できずに車を止めたわけか。紳士の仮面が剥がれ落ちる音が聞こえるようだぜ)
彼は、俺が本当に眠っているのかを確かめるように、一度動きを止めた。
俺はわざとらしく「……ん、……ぅ……」と小さく寝返りを打つふりをして、さらにスカートがめくれやすいように足を少しだけ開いてみせる。
その誘いに乗るように、隆明の指がストッキングの伝線を恐れるような繊細さで、内腿の最も柔らかい場所へと侵入した。
「こんなに、可愛い寝顔をして……。朝食の時は、あんなに僕を苦しめておきながら……」
彼の指先が、昨夜の情事と今朝のいたずらで熱を持ったままの「核心」に、薄い布越しに触れた。
エンジン音が、俺の心臓の鼓動を隠すように重低音を響かせている。
(さあ、どうする、隆明? 寝ている俺を相手に、お前はどこまで一線を越えてくるつもりだ?)
俺は睫毛を震わせたい衝動を必死に抑え、完璧な「眠り姫」を演じながら、彼の手がもたらす背徳的な刺激を全身で受け止めた。
e215636f No.3499
隆明の指先が、ストッキング越しに俺の最も敏感な場所に到達した。
エンジン音の微振動と、彼の指が描く執拗な円の動きが重なり合い、下腹部の奥から熱い奔流が込み上げてくる。
(寝たふりをしている間に、身体の方が先に『海魅』の本能を曝け出しちまってる。ストッキングが湿り気を帯びていくのが、自分でもはっきり分かるぜ……)
「海魅……。こんなに、濡れて……。寝ている間も、君は僕を誘っているのか……」
隆明の掠れた呟きが、耳元に熱く吹きかかる。
彼は確信したのだろう。
眠っているはずの俺が、その実、彼の指先一つでこれほどまでに淫らに反応していることに。彼はついに、スカートを完全に腰まで捲り上げ、その奥で蜜に濡れて色を変えたストッキングのクロッチを露わにした。
指が布地を押し込み、昨夜の蹂躙で柔らかくなっていた核心を、じりじりと、力強く圧迫する。
「あ、……ん……っ」
俺はわざと、寝言のような、だが抗えない快感に負けたような可愛らしい声を漏らした。
身体を弓なりに反らせ、太ももをわずかに震わせる。
絶頂の予感――彼の指が、その「いいところ」を捉え、一気に押し潰そうとしたその刹那。
「……ん、……ぅ……? ……ぁ、た、隆明……くん……?」
俺は長い睫毛をゆっくりと震わせ、霧が晴れるように瞳を開けた。
焦点が定まらないふりをして、目の前にある彼の、欲望に歪んだ顔をじっと見つめる。
「な、……海魅……っ!」
隆明が弾かれたように手を引こうとしたが、俺はその手首を、海魅の細く、だが逃がさない強さを持った指先でそっと押さえた。
捲り上げられたスカート、露わになった下半身、そして彼の指にべっとりと付着した、俺の愛液の証拠。
「あ、……隆明くん……? 私……寝ちゃって……。っ、ひぁっ! な、なに……、……っ!?」
俺は自分のスカートの状態と、股間に感じる生々しい熱に気づいたフリをして、顔を真っ赤に染め上げた。
信じられないものを見るような、それでいて潤んだ瞳で彼を見つめる。
「はずかしい、はずかしいよぉ……っ! 隆明くん、私が寝てる間に……こんな……っ! ……あ、んっ……、まだ、……ジンジンしてる……」
俺は彼の手首を掴んだまま、自分の秘部へとさらに強く押し付けた。
逃がさない。彼が仕掛けたこの背徳的な悪戯を、今度は俺が「被害者」という名の支配者として、徹底的に利用してやる。
「だめだよ、隆明くん……。お買い物に行くって言ったのに……。こんなに、ぐちゃぐちゃにされちゃったら……、私、……もう歩けない……っ」
(ククッ。絶頂の直前で引き戻された気分はどうだ、隆明? お前の指は、俺の蜜でこんなに汚れちまってるんだ。……さあ、目覚めた俺に、この落とし前をどうつけるつもりだ?)
俺は震える声で喘ぎながら、彼の手を離さず、狭い車内を濃密な愛欲の香りで満たしていった。
bf020697 No.3589
「あ、あぁ……っ、隆明くん……指、動かさないで……っ。でも、……やっぱり動かして……っ、もう、どうにかなっちゃいそう……っ!」
俺は涙目で彼の顔を見つめながら、太ももをぴったりと閉じ、彼の捕らえられた手を自分の股間でぎゅっと挟み込んだ。
ストッキングの繊維を通して、彼の指先へと俺の体温と、溢れ出た熱い蜜が容赦なく染み込んでいく。
「海魅……っ、すまない……。寝顔を見ていたら、どうしても抑えがきかなくなって……っ」
隆明は言い訳を口にしながらも、指先をさらに深く、俺の割れ目へと押し込んできた。
覚醒した俺の熱い愛液に包まれたことで、彼の理性を繋ぎ止めていた最後の糸が、完全にぷつりと切れたのが分かった。
「ひぁああっ……!、ん、んんっ……!! ……だめっ、車の中なのに……っ! 外から、誰かに見られちゃう……っ、あ、あぁっ!」
俺は助手席の背もたれに頭を押し付け、声を殺そうと自分の唇を噛んだ。
だが、車内の狭い空間に響く、肌と布地が擦れ合う生々しい音と、彼が荒く吐き出す吐息が、いやが上にも背徳感を煽り立てる。
「誰も見やしないさ……。ここは山の上の展望台の影だ。海魅、君がそんなに可愛い声で鳴くから……、僕をこんなに狂わせるんだから……っ!」
隆明のポロシャツの胸元を、俺は自由な方の手でぎゅっと掴んだ。
チノパンの股間は、今や朝食の時以上に、はち切れんばかりの質量で盛り上がっている。
「や、やだ……っ! ……隆明くんの……いじわる……っ。……お買い物に行くって、お約束したのに……っ! あ、あ、……そこ、だめぇっ……!!」
彼の手のひらがストッキングを激しく擦り上げるたび、脳髄へと突き抜けるような快感が襲う。
寝たふりをして十分に焦らされ、高められていた俺の身体は、もう限界だった。
(ククッ……。いいぞ、隆明。お前のその、罪悪感と欲情に塗れた顔……最高だぜ。……寝ている俺を襲おうとした代償、その身体の芯まで、俺の蜜で汚れることで支払ってもらうからな……!)
「あ、あんっ……!隆明くんっ!!、……もう、ダメ……っ、いっちゃう、いっちゃうからぁ……っ!!」
俺は彼の腕にすがりつき、車を大きく揺らすほどの衝撃とともに、背中を大きく反らせて絶頂へと駆け上がった。
窓の外には静かな新緑の風景が広がっている。そのすぐ隣で、俺たちは再び、終わりのない淫らな沼へと深く沈み込んでいった。
bf020697 No.3590
「……もうっ! 隆明くんのバカっ!!」
俺は(いや、今の私は)ぐしゃぐしゃになったロングスカートを慌てて引きずり下ろし、真っ赤になった顔を両手で覆いながら、助手席のシートの端っこまで思いきり身を引いた。
潤んだ瞳で、これ以上ないくらい怒りの視線を隆明にぶつける。
「な、何考えてるの!? お土産を買いに行くって、紳士でいるってお約束したばかりじゃない! 私が、私が……車の中で気持ちよく寝ちゃってたのをいいことに、こんな……こんな破廉恥なことするなんて……っ!」
自分の指先がまだ彼の蜜で少し濡れているのを見て、さらに顔がカッと熱くなる。
「ひどい、ひどすぎるわ……っ! 朝食の時だってあれほど我慢したのに、今度は寝込みを襲うなんて……。隆明くん、お昼のお上品な旦那様に戻るって言ったのは嘘だったのね!? もう完全に、理性のないオオカミさんじゃないっ!」
慌ててシャツの裾を直して必死に言い訳しようとする隆明の言葉を、私は両手で耳を塞いでシャットアウトした。
「もう知らない! 言い訳なんて聞きません! ……決めました。ペナルティです!」
俺はバッグを胸元にきゅっと抱きしめ、ツンと横を向いて、冷徹な、だけど最高に可愛い「海魅」の声で告げた。
「これでお買い物に行っても、私は隆明くんと手を繋ぎません! それから……今日、温泉からおうちに帰るまで……。いいえ、今夜も、明日も、明後日も!!」
一呼吸置いて、彼の目を見据えて言い放つ。
「もう、エッチなこと全面禁止ですっ!! 私に指一本、触れるのもダメ! 隆明くんがちゃーんと反省して、元の『優しい紳士な旦那様』に戻るまで、絶対にお預けですからねっ!」
(ククッ……。さあ、どうする隆明? 絶頂の余韻に浸る暇もなく下された、突然の『全面禁止令』だ。このお預け地獄の焦らしに、お前のそのはち切れそうな欲望がいつまで耐えられるか……見ものだな)
41f99a64 No.3716
車は温泉街の賑やかなお土産屋さんの通りへと滑り込んだ。
駐車場に車を止めると、隆明はすかさず助手席のドアを開け、まるでお姫様を迎えるかのように恭しく手を差し伸べてきた。
けれど、私はその大きな掌を見つめ、わざとらしく「ふんっ」と鼻を鳴らして、彼の手に触れないように一人で車外へと降り立った。
「あ……海魅……」
「言ったはずよ、隆明くん。おうちに帰るまで『お触り禁止』です。さあ、行きましょ」
私はロングスカートの裾を揺らしながら、スタスタと先を歩き始める。
一歩進むたびに、チノパンの上から無理やり責め立てた右足の指先や、まだじんわりと熱を持ったままの秘部がストッキングと擦れて、実はこの身体も切ないくらいに疼いていた。
けれど、それを見せるわけにはいかない。
(ここで俺が顔を赤らめたら台無しだ。完璧な『怒れる令嬢』をやり遂げてやるぜ)
通りを歩けば、すれ違う観光客たちが「綺麗な奥さんだな」とでも言うようにこちらを振り返る。
私は周囲の視線を意識しながら、いっそう背筋を伸ばし、上品で完璧な微笑みを通りに向けて振りまいた。
「わあ、あそこのお菓子屋さん、とっても素敵! 隆明くん、お義母様にはあのお煎餅の詰め合わせがいいんじゃないかしら?」
「あ、ああ、そうだね。海魅が良いと思うものなら、きっと母さんも喜ぶよ……」
後ろを歩く隆明の声は、どこか元気がない。だが、彼の視線が私の後ろ姿――特に、歩くたびにしなやかに揺れる腰のラインや、首元のレースブラウスから覗く、彼が今朝まで必死に隠した真っ赤な痕跡に、これ以上ないほど貪欲に注がれているのが気配で分かった。
お土産屋の店内に入ると、通路が狭いせいで、どうしても二人の距離が近くなる。
お煎餅の箱を手に取ろうとした瞬間、彼のポロシャツの袖が、私の腕にすっと触れた。
「……っ!」
隆明がビクッと肩を跳ね上げ、慌てて一歩下がって両手を挙げる。
その怯え方がおかしくて、私は吹き出しそうになるのを必死に堪えた。
「……今のは不可抗力だよ、海魅! 決してわざとじゃ……」
「……分かっています。でも、次からはもっと気を付けてね?」
私はわざと冷ややかな、だけどどこか拗ねたような視線を彼に送った。
彼のチノパンのフロントは、まだ完全には静まり返っていない。
人混みの中で、触れたくても触れられない、抱き締めたくても拒絶されるという「地獄のお預け」に、彼の男としての本能が限界を迎えつつあるのが手に取るように分かる。
「さあ、これをお会計してちょうだい、ダーリン? 荷物持ちは、あなたの係よ」
私は可愛らしく小首を傾げ、お土産の箱を彼の胸元に押し付けた。
彼の手が私の指先に触れないよう、絶妙なコントロールで。
(さあ、隆明。お前のその燃え盛るような欲望、どこまで耐えられるかしら? 焦らされれば焦らされるほど、次にこの仮面を剥ぎ取った時の快感は、お前を狂わせるほど大きくなるんだからね……っ)
私は彼に背を向け、次のお店へと優雅に歩き出した。
1b21bae3 No.4116
両手いっぱいのお土産袋を抱えた隆明を引き連れて、私たちは無事に離れの客室へと戻ってきた。
重い木製の扉を閉めた瞬間、静寂が二人を包み込む。
隆明は安堵したように息を吐き出すと、お土産の袋を畳の上にドサリと置いた。
その額には、澄んだ空気の中でもうっすらと汗が滲んでいる。
「……ふぅ。これで、頼まれていたお土産は全部買えたね、海魅」
「ええ、ありがとう隆明くん。とっても助かったわ」
私は優雅に腰をかけ、着ていたカーディガンをそっと脱ぎ捨てた。
首元を隠していた布地がわずかに乱れ、朝に彼がつけた真っ赤な愛の痕跡がチラリと覗く。
隆明の視線が、まるで吸い寄せられるように私の首筋へと注がれた。彼の喉仏が大きく上下し、荒い呼吸が静かな部屋に響く。
人混みから解放され、二人きりの空間に戻ったことで、彼の中で抑え込まれていた獣の気配が再び頭をもたげ始めているのが分かる。
「海魅。お土産もちゃんと買ったし、僕もずっと『紳士』にしていたよ。そろそろ……その……」
隆明が膝立ちになり、じりじりと距離を詰めてくる。
欲望に乾いた瞳が、私を捉えて離さない。
「あら? 何のことかしら」
私は知らん顔で小さく首を傾げ、上品に微笑んでみせた。
「言ったでしょう? おうちに帰るまで『エッチなこと禁止』って。お買い物につきあってくれたのは当然の優しさよ? それくらいで許してもらえると思ったら大間違いなんだから」
「そんな! 海魅、頼むよ。僕だって、もう限界なんだ。君が目の前でそんなに綺麗で……そんなに」
隆明は縋るような目で私を見つめ、伸ばしかけた手を必死の理性で途中で止めた。
指先がプルプルと震えている。
(いい表情だぜ、隆明。目の前にご馳走をぶら下げられて、お預けを喰らっている犬そのものだな。だが、ここで折れてやるほど俺は優しくない)
「だめです。触ったらお預けの期間を伸ばしますからね?」
私はツンと澄ました顔で言い放つと、畳の上にぺたりと座り直し、自分の足首を優しく揉んだ。
「あーあ、たくさん歩いたから、足がとっても疲れちゃった。ねぇ、隆明くん? 『エッチなこと』は絶対に禁止だけど……疲れた私のお足を、優しくマッサージしてくれるくらいなら……許してあげてもいいわよ?」
「! 本当かい!?」
「ええ。ただし……変な気を起こして、太ももの内側に触ったり、ストッキングを脱がそうとしたら……その瞬間に即退場ですからね?」
「分かった! 誓うよ、絶対にそんなことはしない!」
隆明はまるで救いの一手を見つけたかのように瞳を輝かせ、私の足元へと滑り込んできた。
彼の手が、私の足首をそっと包み込む。その手は熱く、強烈な情熱を孕んで震えていた。
指先一本触れることすら許されなかった男が、与えられた唯一の「接触」にすがりつくように、丁寧かつ慎重に私の足裏やふくらはぎを揉みほぐし始める。
「んっ、あ……隆明くん、そこ……気持ちいい……」
「海魅……っ」
私の口から漏れた小さな声に、隆明の身体が跳ねるように反応する。
触れていいのは足先だけ。
それ以上の「甘い境界線」を越えることは許されない極限の生殺し状態。
彼のチノパンの股間が、再び隠しきれないほど大きく膨らみ、熱い欲望の形状をくっきりと浮かび上がらせているのを、私は上から冷ややかに、そしてこの上なく愉悦に満ちた瞳で見下ろしていた。
(さあ、隆明。お前のその『理性の糸』が切れるまで、あとどれくらいだ? ギリギリまで悶え苦しむがいいさ……)
567953b8 No.4166
隆明の大きな手が、ストッキング越しに俺のふくらはぎを力強く、だが壊れ物を扱うように慎重に揉みほぐしていく。
掌から伝わる体温は火のように熱く、その指先は微かに震えていた。
「ん……ぁっ、そこ……すごく上手……隆明くん……」
俺はわざとらしく吐息を漏らし、太ももをわずかにくねらせて見せた。
膝下が揺れるたび、ロングスカートの裾がふわりと捲り上がり、ガーターベルトの黒いラインが彼の視界にチラチラとちらつく。
隆明の呼吸が、あからさまに荒くなった。
彼の視線は俺の足元に固定されているものの、瞳の奥に燃え盛る欲望の火は隠しきれていない。
チノパンのフロントは、今にも生地を突き破らんばかりに隆明の猛りを主張している。
(必死だな、隆明。触れていいのは足先だけだというルールを忠実に守りながら、俺のこの喘ぎ声一つで脳みそをドロドロに溶かされているんだ)
「海魅、お願いだ。もう、許してくれ。君の声を聞いているだけで、僕の理性が……」
隆明はついに耐えかねたようにマッサージの手を止め、俺の足元に額を押し当てて懇願した。熱い吐息がストッキングの生地を透かして足首に吹きかかり、俺の全身に心地よいゾクゾクとした悪寒が走る。
「あら? 許してあげるだなんて、何のことかしら。隆明くん、まだマッサージの途中でしょう?」
俺は冷ややかに微笑みながら、彼の頭元にある右足のつま先をそっと伸ばし、その指先で彼の喉仏を優しく、愛撫するように押し降ろした。
ごくりと生唾を飲み込む隆明の動作に合わせて、俺の足指に彼の鼓動がダイレクトに伝わってくる。
「っく! 海魅……、そんな……足で……っ」
「ふふ、手がダメなら、足ならいいと思った? バカね。一番お預けを食らっているのは、その……パンパンに膨らんだ、隆明くんの『そこ』でしょう?」
俺は海魅としての甘い仮面を少しだけ剥がし、不敵で淫靡な笑みを浮かべた。
足先をそのまま滑らせ、彼のポロシャツの胸元から、固く張りつめたチノパンの股間へと、ゆっくりと圧迫を加えていく。
「あ……っ、海魅……ダメだ、そんなことされたら……っ!」
「ダメ? 何がダメなのかしら。触らないでって言ったのは私で、私から触る分には……何の問題もないでしょう?」
(さあ、隆明。手を使わずに、俺の足だけでどこまで狂わされるか……じっくり味わうがいいさ。お前の理性が完全にぶち切れるまで、俺の『お預け』は終わらないんだからな)
c11bd249 No.4594
午後から夜にかけて、俺の「お預け」という名の拷問は、さらに過激さを増していった。
温泉街の散策中も、夕食の豪奢な懐石料理の席でも、俺は決して隆明に指一本触れさせなかった。
そのくせ、わざと浴衣の襟元を緩めてうなじを見せつけたり、熱いお茶をすする赤い唇を執拗に舐めたりして、彼の視覚と聴覚を容赦なく責め立てた。
そして、夜。
月明かりが障子越しに差し込む、静寂に包まれた客室。敷き詰められたふかふかの布団の上で、俺が薄紅色の浴衣の裾からわざと無防備に白い脚を覗かせた、その瞬間だった。
「もう、限界だ。……君が、君が悪いんだぞ、海魅……っ!!」
凄まじい音を立てて、隆明の中で張り詰めていた理性の糸が断ち切られた。
彼は獣のような低い唸り声を上げると、俺の身体に覆い被さり、有無を言わさぬ力で両手首を畳に押さえつけた。
「きゃあっ!? た、隆明くんっ、だめ、お約束……っ、んんっ!!」
抗議の言葉は、乱暴で貪欲なキスによって完全に塞がれた。
浴衣の帯が乱暴に解かれ、合わせ目が無惨に引き裂かれる。
昼間から極限まで焦らされ、膨張しきっていた彼の熱い質量が、一切の躊躇なく、俺の最も敏感な最奥へと一気に突き入れられた。
「あ、あぁぁあっ!! 激し、すぎるっ……隆明くんっ、こわれちゃう、こわれちゃうよぉっ!!」
俺は両目に涙を浮かべ、首を激しく横に振りながら、純潔な令嬢が狂暴な雄に蹂躙される様を完璧に演じきった。
悲痛な喘ぎ声を上げながらも、その実、俺の内心は最高潮の愉悦で満たされていた。
(アハハッ! いいぞ、隆明! お前は今、自分が俺の『お預け』を破って強引に抱いていると思っているだろう? 違うね。全部、俺が仕組んだ通りに動かされているだけだ!)
彼の荒々しい腰のうねりが、昨夜から開発され尽くした俺の急所を的確に、そして暴力的に抉り抜く。
内壁が擦れ上がる強烈な物理的快感。
それと同時に、「この男を完全に騙し切り、手のひらで踊らせている」という背徳的な支配欲が、俺の脳髄をドロドロに溶かしていく。
c11bd249 No.4595
騙せている快感と、肉体を貫かれる快感。
二つの絶頂が混ざり合い、俺は演技を超えた本物の絶叫を上げながら、彼の腕の中で何度も何度も白い閃光に焼かれた。
「海魅っ、海魅っ! 愛してる、君の全部を!」
「あ、ひぃっ、だめぇっ、奥……奥にいっ、あ、あぁぁあっ!!」
だが、理性を飛ばした獣のスタミナは、俺の想像を遥かに超えていた。
一度果てても隆明の猛攻は全く衰える気配を見せず、体位を変え、角度を変え、エンドレスに俺の身体を貪り続けた。
焦らした分の利子をたっぷりと取り立てるかのような一方的な蹂躙に、夜が更ける頃には、俺の体力は本当に限界を迎えようとしていた。
「……はぁっ、はぁっ……。た、隆明、くん……。もう、ほんとに……おやすみ、しよ……っ」
俺は汗だくの身体をすり寄せ、彼の広い胸に顔を埋めて、消え入るような声で懇願した。
さすがにこれ以上は、俺の身が持たない。
「……ごめん、海魅。君が可愛すぎて、どうしても止まらなくて……。でも、君もすごく汗をかいているね」
隆明は愛おしそうに俺の濡れた前髪を撫でながら、ようやくその凶暴な熱を静めようとしていた。
俺は気怠い身体をゆっくりと起こし、乱れきった浴衣を羽織り直す。
「ええ……隆明くんが、いじめるから……。私、ちょっと汗を流してくるわ」
「一緒に行こうか?」
「だぁめ」
俺は振り返り、火照った頬のまま、小悪魔のような……それでいて絶対に隙を見せない「海魅」の笑顔を作った。
「またお風呂でイケナイことされちゃったら、私、明日おうちに帰れなくなっちゃうもの。……一人でゆっくり、女湯に行ってくるわ。隆明くんは、ここで少し頭を冷やして待っててね?」
(ククッ……この完璧な変装と演技があれば、女湯の暖簾をくぐるのなんて造作もない。さて、少しばかり『女の園』で、火照ったこの身体を休ませてくるとしようか)
俺は彼に甘い投げキッスを残し、タオルを片手に、深夜の静まり返った廊下へと足を踏み出した。
608a9d85 No.4597
脱衣所の鏡の前で、俺は一枚ずつ浴衣を剥がしていった。
鏡に映し出されたのは、隆明の激しい愛撫と蹂躙によって全身に赤い花を咲かせた、艶やかで淫らな「海魅」の裸体。
白磁のような肌は上気し、最奥からはまだ微かに、彼が注ぎ込んだ熱い余韻がとろけ出している。
(隆明のやつ、本当に容赦なかったな。だけど、この『女』の身体で受ける快感の深さは、男の時とは比べ物にならない……最高だったぜ)
満足げに微笑みながら、俺は湯気で白く霞む大浴場の引き戸を開けた。
深夜ということもあり、広い岩風呂には数人の女性客しかいなかった。
静かなお湯の音と、仄かに香る硫黄の匂い。
俺は海魅の完璧なプロポーションを隠すことなく、堂々とした足取りで湯船へと向かい、静かに身を沈めた。
「ふぅ……っ」
心地よいお湯の温度に、酷使された筋肉と敏感になりすぎた神経がじんわりと解れていく。
ふと視線を巡らせると、湯煙の向こうに二つの対照的なシルエットが浮かび上がっているのに気がついた。
一人は、岩陰で目を閉じてくつろぐ、いい感じの「マダム」。
年齢は四十代半ばから五十代といったところか。
熟れ切った果実のように豊満な胸と、柔らかく丸みを帯びた腰つき。
目尻には人生の余裕を感じさせる微かな皺があるが、それが逆に、女としての底知れぬ色気を醸し出している。
(あのマダム。きっと長年連れ添った旦那がいるか、あるいは……若いツバメでも囲ってそうな、濃厚なフェロモンが出てるな)
そしてもう一人は、洗い場で髪を流している「若い女性」。
二十代前半、もしかしたらまだ学生かもしれない。華奢で引き締まった身体、弾けるような若々しい肌。
まだ本物の快感を知らないような、未完成ゆえの初々しさと清純さが眩しい。
(あの若い身体なら、どんな風に啼くんだろうな。ちょっと開発してやれば、信じられないくらい敏感に反応しそうだ)
二人を観察しているうちに、俺の脳裏に、ふとある「閃き」が舞い降りた。
(このまま海魅として、完璧な新婚旅行の帰り道を演じ切るのも悪くない。帰りの車でも隆明を存分に焦らして、家に帰ってから極上のセックスで終わらせる……それも極上のエンターテイメントだ)
だが。
(この『海魅』という最高の器を手放すのは惜しいが、せっかくこんな力があるんだ。一人の女の人生と快楽だけじゃ、勿体ないんじゃないか?)
俺の口角が、ゆっくりと、そして邪悪に吊り上がった。
例えば、あの熟れたマダムに「乗り移って」、長年培われた大人の女のねっとりとした快楽を味わい尽くす。
あるいは、あの若い娘の身体を奪い、彼女の恋人(あるいは気になっている男)を誘惑して、その純潔な身体が快感に染まり、堕ちていく様を内側から愉しむ。
一人、また一人と、違う女の身体を『リレー』しながら、それぞれの人生、それぞれの男、それぞれの絶頂を食い荒らしていく……。
(アハハッ! そいつは、とんでもなくそそられるアイディアだ。男の俺が、ありとあらゆるタイプの女の『一番おいしいところ』だけを味わって渡り歩く……最高の快楽旅行じゃないか)
「……あら、こんばんは」
俺が湯船の縁に腕を乗せてそんな妄想を巡らせていると、岩陰のマダムが目をあけ、ふくよかな笑顔でこちらに会釈をしてきた。
「こんばんは。夜の温泉って、静かで本当に素敵ですね」
俺は「海魅」としての、この上なく淑やかで愛らしい笑顔をマダムに向けた。
水面の下で、俺の指先が微かに震える。
それは温泉の温かさのせいではなく、次に「どの身体」を奪い、どんな快楽を味わおうかという、どす黒い期待と興奮によるものだった。
(さて、海魅の身体で隆明のもとに戻るか、それとも、今夜ここから……全く新しい『ヒロイン』の人生を始めるか。どうしてやろうかな?)
a8a45ed7 No.4660
湯煙が立ち込める岩風呂で、俺は海魅のしなやかな脚を湯に浸しながら、隣のマダムへと微笑みを向けた。
「お一人でいらっしゃったんですか? こんな時間に温泉なんて、贅沢ですよね」
「ええ、本当ね。……実はね、会社の後輩の男の子と来ているのよ。若い彼氏、なんて言うと格好がつかないけれどね」
マダムは少し照れたように頬を染め、ふふっと楽しそうに笑った。
その豊満な胸が湯面で揺れる。
「若い彼氏さんですか……素敵ですね。お仕事の疲れも、吹き飛んじゃいそうです」
「ふふ、彼、張り切りすぎて先にお部屋で熟睡しちゃったの。だから私、少し羽を伸ばしに来たのよ」
(若い部下の彼氏と、か。年上の包容力と大人の色気で男を骨抜きにするマダムの身体……悪くない。いや、最高じゃないか)
俺の中で、決断は一瞬だった。
海魅としてのこの旅も十分楽しんだ。
次は、この熟れ切ったマダムの身体を奪い、その若い彼氏とやらをベッドで狂わせてやるとしよう。
マダムは一通りお湯を堪能すると、「少しサウナに入ってくるわね」と湯船から上がった。
豊満な尻となめらかな背中が、脱衣所の灯りに照らされて揺れる。
俺は少し時間を置いてから、静かに湯船を出た。
深夜の大浴場。
サウナの前に人の気配はない。
ガラス越しに覗くと、薄暗い室内でマダムが一人、目を閉じて汗を流していた。
ギィ……と重い扉を開け、俺はサウナの中へと入る。
「あら、あなたもサウナ? 気持ちいいわね」
「ええ、とっても……」
俺はマダムの隣に腰を下ろし、海魅の美しくしなやかな手を、そっとマダムの豊かな肩へと伸ばした。
「え? どうしたの……?」
戸惑うマダムの肌に、俺の手が触れた瞬間。
サァッと、異様な感覚がサウナ室を包み込んだ。
マダムの目が見開かれ、声すら上げられないまま固まる。
俺の手が触れた場所から、彼女の「中身」――生命力と肉体の質量が、まるで潮が引くように一気に削ぎ落とされていく。
「ん……つ……っ!?」
彼女の豊かな肌は張りとなめらかさを保ったまま、まるで上質なドレスのように薄く、ペラペラな「皮」へと変わっていった。
中身を失ったマダムの皮膚は、骨も肉も消え去り、ただの美しい人型の人皮となって俺の手の上にハラリと落ちた。
「ククッ……上質な肌だ。熟した女の香りが染み付いてやがる」
俺はサウナの扉を固く閉め、誰にも見られない完全な密室で、次の作業へと移った。
海魅の身体の首元に指を掛けると、まるで脱皮するように、するりと海魅の「皮」を脱ぎ捨てた。
脱ぎ捨てられた海魅の皮は、床の上でゆっくりと呼吸をするように膨らみ始め、時間をかけて本来の肉体(隆明の愛しい妻としての「海魅」の生身)へと戻っていく。
しばらくすれば、彼女は何事もなかったかのように目を覚ますだろう。
a8a45ed7 No.4661
俺は、手元にあるマダムのペラペラな皮を持ち上げた。
つま先から足を通し、太もも、豊満な腰、そして熟れた胸へと、そのしなやかな皮を滑り込ませていく。
最後に、マダムの顔の皮を自分の頭からすっぽりと被る。
ズズズ……と肌と肌が吸い付くような感覚とともに、俺の視界、体温、そして肉体の質量が完全にマダムのものへと置き換わった。
鏡もないサウナ室のガラスに映ったのは、少し汗ばんだ、大人の色気を撒き散らす豊満なマダムの姿だった。
胸の重み、腰の柔らかさ、そして身体の奥から溢れ出るような濃厚なフェロモン。
海魅の時とは全く違う、熟れ切った女の肉体感だ。
「ふふっ。声を出すと、完璧に彼女の声ね」
マダムの声で囁き、俺は己の豊満な胸を両手で揉みしだいた。
柔らかく、指が沈み込む感触に、ゾクゾクとした快感が背筋を駆け抜ける。
サウナの扉を開け、俺はマダムの足取りで大浴場をあとにした。
脱衣所でタオルを巻き、離れの客室へと向かう廊下を歩く。
(さて……若い部下の彼氏くん。熟睡しているところを、この『いつもと違う濃厚なマダム』でたっぷり可愛がってあげようじゃないか)
俺は妖艶な笑みを浮かべ、新しい快楽の待つ部屋へと足を進めた。
5844b129 No.4699
(おっと、そうだ。海魅の皮は本来の『海魅』に戻るんだったな)
俺はマダムの身体を馴染ませながら、サウナ室の床を見下ろした。
脱ぎ捨てられた海魅の皮は、ゆっくりと生気を帯び、内側から肉体と骨が再構築されていくようにふっくらと膨らんでいた。
やがて湯気の中で呼吸を整え始め、本来の愛らしい妻――「海魅」そのものの生身として、サウナのベンチの脇に横たわっている。
俺はマダムの熟れた声で、優しく声をかけた。
「……あら、大丈夫? こんなところで倒れるなんて、のぼせちゃったのかしら」
「……ん……っ、……ぁ……?」
海魅の長い睫毛が震え、うっすらと瞳が開く。
彼女は自分の状況が飲み込めていないようで、ぽかんとした顔で周囲を見回した。
自分がいったいなぜサウナで倒れていたのか、ついさっきまで俺がその身体を借りて隆明を焦らし、弄んでいた記憶すら曖昧になっている様子だ。
「あ、ごめんなさい……。私、ちょっとのぼせちゃったみたいで……」
「ええ、無理はダメよ。早くお湯から上がって、お部屋で旦那様に甘えなさいな」
マダムの姿をした俺が微笑むと、海魅は「ありがとうございます……」とペコリと頭を下げ、ふらつく足取りでサウナの扉を開けて出て行った。
これで彼女は部屋に戻り、何も知らずに隆明のもとへと帰るだろう。
隆明もまた、愛しい妻が戻ってきたことに歓喜し、二人の新婚旅行はそのまま続いていく。
サウナ室に残されたのは、マダムの身体を手に入れた俺一人。
静寂と高温の熱気が包み込む完全な密室で、俺はベンチに深く腰掛けた。
5844b129 No.4700
「さて……」
俺はマダムの豊満な胸に自分の手を当て、目を閉じた。
皮を被ったことで、この肉体に刻まれた彼女の「記憶」が、濁流のように俺の脳内へと流れ込んでくる。
(ほう……名前は『由紀恵』か。四十五歳、大手メーカーの管理職……)
記憶のページが高速でめくられていく。
会社で見せる厳しい上司としての顔。
そして、今回一緒に旅行に来ている若い部下の男――「翔太」との背徳的な関係。
(なるほどな。会社では厳格な女上司として振る舞いながら、裏では二十代半ばの健気な部下を甘い言葉で籠絡し、こうして温泉旅行に連れ出していたわけだ。なかなかいい趣味をしているじゃないか、由紀恵マダム)
さらに記憶を深く探る。
翔太が彼女に寄せる一途な欲望、そして由紀恵自身がその若い肉体に貪欲に溺れ、年上の包容力で彼を翻弄し、ベッドの上で啼かせていた生々しい記憶の数々が、鮮明な映像として脳裏に蘇る。
(若い男の情熱的な愛撫と、それを手玉に取る大人の女の愉悦。なるほど、海魅の時に味わった『可憐な妻』の快楽とは、全く質の違う濃厚な蜜の味だぜ)
由紀恵の身体が、記憶の再現に反応してじんわりと熱を帯び、太ももの内側が疼き始める。
熟れ切った果実のようなこの肉体は、若い男の愛を全身で受け止める準備が既に整っているようだった。
「ふふっ♪翔太くん、待たせちゃっているわね」
俺は由紀恵の熟れた声で艶やかに呟くと、サウナ室の扉を開けた。
海魅との甘く刺激的な新婚旅行の幕が下り、今度は『女上司と若い部下』という新たな背徳のストーリーが始まろうとしている。
4eda18cc No.4926
脱衣所に戻ると、由紀恵の脱衣かごには洗練された黒のレースの下着セットが用意されていた。
シックな黒地にあしらわれた繊細な刺繍が、四十代半ばの成熟した女性の肌に艶やかなコントラストを描き出す。
ブラジャーのホックを止め、ショーツを引き上げると、レースが豊かな肉体をしっかりと包み込み、大人の色気を一層際立たせた。
その上に、旅館の上質な浴衣を羽織り、帯をきゅっと締め直す。
鏡の前に立ち、備え付けの化粧水を手に取ると、サウナと温泉で火照った顔や首筋、胸元へと優しく馴染ませていく。手のひらでハンドプレスを繰り返すと、吸い付くような潤いとハリが肌に戻り、しっとりとした艶が生まれた。
身だしなみを整え終えると、足袋を履いて脱衣所を後にする。
静まり返った廊下を抜け、翔太が待つ離れの客室へと向かう。
木造の廊下に靴下の音が静かに響く中、部屋の前に到着すると、息を整えて引き戸をゆっくりと開けた。
4eda18cc No.4927
部屋の行灯がほの暗く照らす静寂の中、翔太は文机に肘をつき、小さなぐい呑みを弄んでいた。
テーブルには地酒の瓶。
ほんのりと頬を朱に染めた彼は、少し崩れた浴衣の襟元から覗く胸板を大きく上下させている。
その股間あたり――浴衣の布地が押し上げられるように、不自然な盛り上がりを見せていた。
お酒のせいばかりではない。熟睡した振りをしながら、あるいは湯上がりの「由紀恵」を待ちわびる間に、すっかり身体が熱を帯びてしまっていたのだろう。
(なるほど。お利口に待っていたと思ったら、もうすっかり『準備万端』じゃないか)
俺はしなやかな足取りで畳を滑り、彼のすぐ隣へと腰を下ろした。
ふわりと漂う温泉の湯気と、化粧水の甘い香り。翔太がハッと息を呑み、潤んだ瞳でこちらを振り返る。
「由紀恵さん。遅いから……待ちくたびれちゃいましたよ」
「ごめんなさいね、翔太くん。温泉が気持ちよくて、ついのぼせちゃって……」
俺は「由紀恵」のしっとりと落ち着いた、だがどこか耳元をくすぐるような甘い声で囁いた。そして、優しく彼の肩に手を置き、すっと滑らせるようにして首筋から胸元へと、指先で撫で上げた。
「……っ、由紀恵さん……急にそんな優しく触られたら……」
「あら、どうしたの? なんだか少し、お顔が赤いわよ? お酒のせいかしら……それとも……」
俺はふふっと小さく微笑むと、そのまま手先を滑らせて、彼の膝の上、浴衣の合わせ目がはだけかかっている太ももの内側へと忍ばせた。
手のひら全体で包み込むのではなく、まるで羽毛で撫でるような、じれったいほどの軽いタッチで。
「っあ。……由紀恵さん、ずるいです。僕がずっと、我慢してたの……知っててやってますよね?」
「ふふ、何のことかしら? 私はただ、お仕事でいつも頑張ってくれている翔太くんを、こうして労ってあげたいだけなのに……」
そう言いながら、俺の手先はさらに奥へと潜り込んでいく。
浴衣の布越しに伝わってくる彼の質量は、すでに熱く硬く、脈打っていた。
「……嘘だ。……労うだなんて顔して、僕を焦らして楽しんでるでしょう……? 会社にいる時の部長とは、大違いだ……」
「会社での私と、今の私……どっちが好き?」
耳元に唇を寄せ、吐息を吹きかけるように囁く。翔太の肩がビクッと跳ね、彼の手が俺の帯へと伸びてきた。
「今の、僕だけの由紀恵さんが……好きです。……もう、我慢できないですよ……」
「ダメよ、翔太くん。そんなに焦っちゃ……。今夜は夜が長いのよ? ゆっくり、じっくり……私に甘えてちょうだい……?」
俺は彼の伸びてきた手首をそっと押し返し、成熟した大人の女の余裕を漂わせながら、その火照った身体をさらに翻弄するように、指先で優しく撫で回し続けた。
22efa1d6 No.4935
翔太の熱い吐息が、浴衣の襟元から覗く首筋に吹きかかる。
俺は閉じた瞼の裏で、脳内に蓄積された「由紀恵」の膨大な記憶のアーカイブを高速で手繰り寄せていた。
翔太という若い男の癖、好きな撫で方、彼がどんな言葉で理性を失うか、そして——由紀恵という女が、いかに巧みに「熟した女の照れ」を演じて彼を狂わせてきたか。
(なるほどな。ただ上から支配するんじゃない。大人の余裕を持ちながら、ふとした瞬間に『男としての翔太』に圧されたフリをして、わざとはじらってみせる……それが、この男の自尊心を煽り立てる最高の媚薬だったわけだ)
「……翔太くん」
俺は由紀恵の声を少しだけ震わせ、潤んだ瞳で彼を見上げた。
「そんなに強い目で見つめられたら……私、なんだか恥ずかしくなってきちゃうわ」
そう言って、わざとらしく視線を泳がせ、白い手を自分の胸元に当ててみせる。
ほんの少し頬を赤らめ、年下の彼に対して「女」として怯えてみせる完璧な演技。
「っ! 由紀恵さん……そんな顔、反則ですよ!」
案の定、翔太の目の色がガラリと変わった。
彼の中で「会社の厳格な上司」が「自分に怯え、照れている一人の可憐な女」へと完全に上書きされた瞬間だった。
翔太の手が猛然と俺の腰を引き寄せ、乱暴なまでに力強い力で畳の上に押し倒してきた。
「わっ! 翔太くん、ちょっと……激しいわっ」
「待てないですよ! 会社ではいつも僕を大人扱いしてくれないのに……こんな風におねだりされたら、僕だって理性が保てない!」
彼の言葉に、俺は心の中で嘲笑を浮かべた。
(可笑しいぜ。お前が俺を強引に押し倒していると思っているだろ? 全部、この由紀恵の記憶と計算通りに踊らされているだけなんだよ)
22efa1d6 No.4936
翔太の荒々しい唇が、俺の首筋から鎖骨へと落ちてくる。
その瞬間、俺の身体——由紀恵の肉体が、強烈な快感の波に全身を震わせた。
(っ! んあっ!? なんだ、この感触は……っ)
海魅の身体の時とは、まるで違う。
海魅の肉体は純粋で、開発されつつある途中の、どこか甘く切ない敏感さを持っていた。
だが、この由紀恵の身体は違う。
三十代、四十代を経て、大人の男たちの手によって骨の髄まで開発され尽くした、濃厚で熟成された「完成された女の肉体」だ。
翔太の指先が浴衣の裾を捲り上げ、黒いレースの下着越しに太ももの内側を擦り上げるだけで、身体の奥底からとろりとした蜜が溢れ出し、神経の隅々が痺れるような快感が脳髄を駆け巡る。
「あ、ん……っ、翔太……くん、指……だめ……そこはっ」
「ダメじゃないでしょう? 由紀恵さん、こんなに……こんなに熱くなってるじゃないですか」
「つ、伝えるのが早すぎるのよ。……あ、ぁんっ! ……は、恥ずかしい……そんなところ、見ないで……っ」
俺は片腕で顔を覆い、成熟した肉体を捩らせながら、わざとらしくはじらいの声を上げた。
だが、内側ではこの熟れた身体がもたらす極上の快楽に酔い痴れていた。
一見すると翔太が攻め立て、由紀恵がそれに翻弄されているかのような構図。
だがその実、俺は彼がもたらす最高の刺激を「由紀恵」の感度で受け止め、最高の快感に浸っているのだ。
「僕を見てください、由紀恵さん……! 今夜は、会社の上司としてじゃなく……僕の女として、最後まで僕を受け入れてもらうから……!」
「……っ、翔太くん……。もう……あなたには勝てそうにないわね……」
俺は顔を覆っていた手をそっと外し、濡れた瞳で彼の首に両手を回した。
「いいわよ……。私を……あなたの好きにして……っ」
「っ……!!」
その言葉が引き金となり、翔太は完全に獣と化した。
黒いレースの下着が容赦なく横にずらされ、熱く漲った彼の質量が、すでに蜜で満たされていた由紀恵の最奥へと一気に貫いていく。
「あぁぁぁっ!! 大きいっ、翔太くん……っ、入って……全部、入ってきたわぁ!!」
「あ、あぁっ、由紀恵さん……すごく締め付けられる……っ! 締め付けないでくれっ!」
「だって……っ、あなたが凄すぎるから……っ! んっ、ああぁっ、そこ……そこ激しいっ!!」
開発され尽くした肉体は、彼の押し押しの一撃ごとに狂喜の悲鳴を上げた。
22efa1d6 No.4937
肉と肉がぶつかり合う生々しい音と、畳を擦る音が狭い室内に響き渡る。
海魅の時が繊細で技巧的な「攻防」だったとするならば、由紀恵のこの身体での交わりは、ひたすら濃厚で、肉欲の深淵に溺れていくような「本能の乱舞」だった。
(最高だ……! 翔太、お前が猛るほど、この身体は最高の声を上げる。俺を抱いているつもりで、お前は一生、この由紀恵という女の掌の上から抜け出せないんだよ)
「由紀恵さん……っ! 愛してる、愛してます……っ!」
「あ、あんっ! 私も……私もよ、翔太くん……っ! もっと、もっと深く……私を壊すくらい、突き上げて……ぁぁぁっ!!」
照れと甘えを交えた大人の女の言葉責めに、翔太の腰使いはさらに狂気を帯びていく。
二人分の激しい喘ぎ声と熱気が行灯の光を揺らし、夜の深まりとともに、終わりなき肉欲の宴はさらに加速していった。
c2a3c730 No.5009
若い男の底なしの欲望と、熟し切った女の肉体——その相性は、まさに「最高で最悪」と言うほかなかった。
翔太の一途で暴力的なまでの若さが、由紀恵の身体に刻まれた感度のスイッチを容赦なく押し込んでいく。
彼が腰を打ちつけるたび、開発され尽くした秘肉が歓喜の悲鳴を上げ、脳髄を焼き尽くすような濃密な絶頂が何度も、何度も押し寄せてきた。
「あ、あぁぁっ! 翔太くんっ、ダメ……もう何回いけばいいのっ! 私を壊す気……!?」
「壊しませんよ……! でも、止まれません……っ! 由紀恵さんがそんなに気持ち良さそうに啼くから……僕、頭がおかしくなりそうなんですっ!」
俺は涙目で彼の首にしがみつき、苦しそうな表情を浮かべながら、内側では最高の愉悦に浸っていた。
(最高だぜ。海魅の身体の時とは重みが違う! 熟れた女の身体ってのは、若造の青臭い情熱を丸ごと飲み込んで、底なしの快楽に変えちまうんだからな)
一度果てても、翔太の猛りは静まることを知らなかった。
彼が体位を変えるたび、畳の上で黒いレースの下着と浴衣がさらに乱れ、乱暴に肌が擦れ合う生々しい音が部屋に響き渡る。
「うそ……まだ硬いじゃない……。翔太くん、あなた本当に獣ね……」
「誰のせいだと思ってるんですか。全部、僕を大人扱いして誘惑した由紀恵さんのせいですよ!」
「ひぁっ! んんっ……、あぁぁぁっ!!」
背後から組み敷かれ、豊満な胸を力任せに揉みしだかれながら、俺は再び最奥を深く抉られた。
若さゆえの貪欲な押し込みと、成熟した肉体が魅せる極限の締め付け。
互いの欲望が噛み合い、渦を巻き、終わりのない快楽のループへと二人を巻き込んでいく。
「あ、あんっ……! 翔太、くんっ、もっと……もっと私を狂わせてぇっ!!」
大人の女としての「はじらい」と「甘え」を混ぜ合わせた絶叫を上げながら、俺は若い男の溢れ出す欲情を全身で受け止め続けた。
騙されていることも知らず、俺の手のひらの上で必死に腰を振り続ける哀れで愛おしい男。
その熱量を吸い上げながら、俺たちは夜が明けるまで、何度も何度も狂おしい絶頂を重ね合っていった。
c2a3c730 No.5010
朝のやわらかな光が障子を透かし、静まり返った客室を白く染めていた。
乱れきった布団の中で、俺と翔太は裸のまま固く抱き合っていた。
昨夜の激しい狂乱が嘘のように、朝の静けさが部屋を満たしている。
翔太はまるで子供のように無防備な顔で、俺——由紀恵の豊満で柔らかい胸に深く顔を埋め、すやすやと息を立てていた。
その手が、甘えるようにしっかりと俺の腰を抱き寄せてくる。
(昨夜はあれだけ獣みたいに俺を貪っておきながら、朝になればこれだ。若い男のこのギャップってのは、なるほど、由紀恵マダムが夢中になるのも頷けるぜ)
俺は由紀恵の指先で、翔太の少し癖のある髪を優しく撫でてやった。
指先に伝わる彼の体温と、身体の奥に残る昨夜の濃密な熱の余韻。
熟れた肉体がもたらす満足感に心地よく浸りながら、俺はそろそろ「朝の顔」に戻る準備を始めた。
「翔太くん、起きて。もう朝よ……」
耳元で優しく囁くと、翔太は「ん……んん……」と声を漏らし、さらに胸の谷間へと顔を押し付けてきた。
「あと5分……由紀恵さん、あったかいです……」
「ダメよ、お寝坊さん。そろそろお支度をして、朝食に行かないと」
俺がくすくす笑いながら彼の頬を突くと、翔太は名残惜しそうに目を開け、俺の顔を見上げて照れくさそうに笑った。
「……おはようございます、由紀恵さん。……昨日の夜のこと、夢じゃなかったんですよね」
「ふふ、どうかしらね? ほら、早く起きないと置いていっちゃうわよ」
俺たちはベッドを抜け出し、身なりを整え始めた。
昨夜の乱れを綺麗に拭い去り、由紀恵の脱衣かごから整えられた上品な服に袖を通す。
髪をアップにまとめ、薄めのメイクで大人の落ち着いた美しさを再現する。
翔太もまた、スーツのシャツに袖を通し、いつもの「真面目な部下」の顔を取り戻していった。
だが、その瞳には昨日までとなつかしさが違う、俺への熱い情熱が宿っている。
二人で部屋を出て、静かな木造の廊下を通ってお座敷の広間へと向かう。
「翔太くん、お座敷ではいつもの『上司と部下』よ。変な視線を送ったらダメだからね?」
「わかってますって……。でも、一番わかってないのは由紀恵さんの方かもしれませんよ」
そんな他愛もない会話を交わしながら、朝食が用意された大広間の敷居を跨いだ。
c2a3c730 No.5011
いくつかのテーブルに料理が並び、数組の宿泊客がすでに朝食を楽しんでいる。
その一角に視線を向けた瞬間、俺の胸の中で小さな興奮の波が跳ねた。
(……いたな)
そこには、隆明と仲睦まじく向かい合って座る、ひとりの美しい女性の姿があった。
薄塗りのメイクに、上品な和服をまとった可憐な妻——昨日まで俺がその「皮」を被り、隆明を翻弄し、焦らし尽くしていた『海魅』だ。
彼女は隆明に笑顔でお出汁の効いたお味噌汁を勧め、仲良く談笑している。
サウナで倒れていたところから無事に部屋へ戻り、何事もなかったかのように「隆明の愛しい妻」としての日常を再開したのだ。
自分の中に宿っていたのが誰であったのか、どんな淫らな遊戯を繰り広げていたのかも知らずに。
「……由紀恵さん? どうかしましたか?」
立ち止まった俺を不思議そうに見上げる翔太の声に、俺は由紀恵としての完璧な微笑みを浮かべて振り返った。
「ううん、なんでもないわ。あちらのご夫婦、とても仲が良さそうだなと思って」
(アハハッ! たまらないぜ、この状況は。昨日まで俺があの女の身体で隆明と愛し合い、焦らし、絶頂させていたってのに……今じゃ俺は別の熟れた女の身体で、若い男の手を握って同じ空間にいるんだからな)
「さあ、私たちもいただきましょうか、翔太くん」
「はい!」
俺は翔太を促して指定された席へとつき、優雅にお箸を取った。
視線の端で、幸せそうに微笑む海魅と隆明の姿を感じながら。
元に戻った「かつての自分」と、いま生きている「新しい自分」が交差する朝食の空間で、俺は心の中で静かに次の快楽のシナリオを描き始めていた。
34c77790 No.5030
朝食のお膳に並んだ色とりどりの小鉢に箸を伸ばしながら、俺はあえて海魅と隆明の席が見える角度で、ゆったりと腰を下ろした。
「由紀恵さん、ここの温泉卵、すごく美味しいですよ。ほら、一口いかがですか?」
翔太が周囲の目を盗むようにして、小声で嬉しそうに言ってくる。
会社では見せない、年下の恋人らしい甘えた表情。
俺は「もう、翔太くんったら……」と由紀恵らしい上品な困り顔を作ってみせながら、彼が差し出したお箸から直接、ぷるりと揺れる温泉卵を口に含んだ。
「ん……本当、とってもまろやかで美味しいわ」
舌の上でとろける卵の甘みを感じながら、俺はわざとらしく自分の唇を舌先でゆっくりとなぞってみせた。
昨夜、彼の熱い肉体を吸い尽くしたあの唇だ。
「……っ!」
翔太の喉仏が大きく上下し、彼の頬が瞬時に朱に染まる。
昨夜の激しい交わりの記憶が脳裏をよぎったのだろう。
大勢の客がいる大広間で、大人の余裕を漂わせながら男を秘かに翻弄する……これこそが、由紀恵という女の身体が持つ独特の快楽だ。
(可愛いやつめ。会社の厳格な女上司が、こんな目の前で自分だけに色気を振りまいているんだ。生殺しにされた気分だろうな)
34c77790 No.5031
ふと、斜め前の席に視線を滑らせる。
そこでは、海魅が隆明のお椀にお茶を注いでいた。
「隆明くん、お出汁の温かいうちに召し上がってね」
「ありがとう、海魅。……君、今朝はなんだかすっきりした顔をしているね。昨日の夜は少し疲れているみたいだったから心配したよ」
「ええ、お風呂で少しのぼせちゃったみたい。でも、ぐっすり眠れたからもう大丈夫よ」
海魅のその無垢で可憐な笑顔を見ながら、俺の内心には黒々とした愉悦が込み上げてきた。
(なぁ、海魅。お前が昨夜、サウナで倒れていた理由……そして、その前までお前の身体を使って隆明を狂わせ、絶頂の渦に叩き落としていたのが『誰』だったのか、お前は一生知る由もないんだな。……そして隆明、お前が愛おしそうに撫でているその妻の肌には、昨日まで俺の意識が満ち満ちていたんだぜ?)
自分自身だったはずの「海魅」が、いまや他人として目の前で笑っている。
そして俺は、四十五歳の熟れた「由紀恵」の皮を纏い、二十代の若い部下の愛撫の余韻に浸りながら、その光景を眺めているのだ。
「……由紀恵さん? ずっとあちらのご夫婦を見ていらっしゃいますけど……何か気になることでも?」
翔太が少し不安そうに、俺の顔を覗き込んできた。
年上の女を独占したいという、若い男特有の小さな独占欲と嫉妬が透けて見える。
俺はふふっと艶やかに微笑むと、テーブルの下でそっと自分の足先を伸ばし、翔太のスーツのパンツの裾から、彼のすねを優しく撫で上げた。
「……ううん。ただね、あの奥様も素敵だけど……私をこんなに熱くさせてくれるのは、世界中で翔太くんだけだなと思って」
「……ッあ……由紀恵さん、こんなところで……っ」
足先から伝わる彼の緊張と、股間の急速な熱量。
翔太は必死に冷静さを装いながら、お味噌汁を飲み干そうとして、手が微かに震えていた。
(さあ、朝食が終わったらチェックアウトだ。だが……この旅はまだ終わらない。東京へ帰る車内か、あるいは途中のホテルか……この熟れ切った由紀恵の身体で、翔太の若い欲情をどこまで搾り取ってやろうか)
俺は優雅にお茶をすすりながら、次の濡れた悪戯の計画を頭の中で練り始めていた。
91769e3e No.5071
朝食を終えて部屋に戻ると、俺は「少し汗をかいちゃったわね、着替えてからチェックアウトしましょうか」と由紀恵の落ち着いた声で持ちかけた。
翔太が「そうですね」と荷物をまとめ始めようとしたその瞬間、俺は彼の視線を完璧に計算に入れた位置で、ゆっくりと服のボタンに手をかけた。
「翔太くん、ちょっと手伝ってくれるかしら? この背中のファスナー、うまく届かなくて……」
俺は彼に背を向け、少し困ったような仕草で首筋を見せた。
翔太が息を呑みながら近づき、震える指先でファスナーを滑り降ろさせる。
シューッと布地が割れる音とともに、四十代半ばの成熟した白い背中と、昨夜彼が激しく喰らいついた赤い痕、そして黒いレースのブラジャーのストラップが露わになった。
「あ……ごめんなさい、翔太くん。見えちゃったわね……」
俺は慌てて両腕で豊満な胸元を隠すように抱え込み、振り返りざまに上目遣いで彼を見上げた。
その表情には、完璧な「はじらい」を宿らせて。
ほんのりと頬を朱に染め、唇を微かに震わせ、大人の女が若い男に素肌を晒してしまったことへの恥ずかしさと、どこか彼を誘うような艶っぽさを同居させる。
「そんなに……まじまじと見ないで。昨日の夜は暗かったからよかったけれど……朝の光のなかだと、なんだかすごく恥ずかしいわ……」
「由紀恵さん……っ」
翔太の目が完全に据わった。
大人の余裕を見せていた上司が、朝の光の中で可憐にはじらい、自分との淫らな痕跡を残したまま目の前で服を脱ぎかけている。
そのコントラストが、彼の若い理性を完全に吹き飛ばした。
「恥ずかしがるなんて……反省してください。そんな顔されたら、僕が我慢できるわけないじゃないですか……!」
「え……? 翔太くん、ちょっと待っ……んんっ!?」
俺の制止の言葉は、彼の激しいキスによって打ち消された。
脱ぎかけの服ごと俺の身体を強く抱き寄せ、そのまま畳の上へと押し倒してくる。
(一度火がついた若い欲望は、一度や二度の絶頂じゃ静まらない。焦らされ、誘惑され、もう限界だろ……?)
俺は「だめよ、もうすぐチェックアウトの時間が……」と嘘の抗議を口にしながら、内側では熟れ切った由紀恵の肉体を狂喜させ、彼の次なる暴走を全身で迎え入れる準備を進めていた。
91769e3e No.5072
「ん、んっ! 翔太くん、ダメ……っ、もうすぐお部屋を出ないと……んぁっ……!」
強引に重ねられた彼の唇から、若く青々とした情熱が津波のように流れ込んでくる。
俺——由紀恵の身体を激しく抱きしめる翔太の腕には力がこもり、押し付けられた彼の股間には、今朝一度果てたはずだとは信じられないほど、固く熱い塊がカチカチに怒り狂って俺の太ももを突いていた。
「ダメと言われても……無理です! こんなに可愛い顔して恥ずかしがられたら……僕、もう抑えられません……っ!」
興奮で呼吸を荒らげ、獣のような目で見つめてくる翔太。
俺は乱れた髪を指先でそっと耳にかけ、ふぅと甘い溜息を吐き出した。困ったように眉をひそめながらも、その瞳にはどこか許容と深い色気を宿らせて見せる。
「本当、困った子ね……。一度スイッチが入ると、私の言うことなんて全然聞いてくれないんだから……」
俺は彼の胸をぽんと優しく叩くと、くすりと妖艶に微笑んだ。
「……仕方がないわね」
畳の上に膝をつき、俺は翔太のズボンのベルトに手をかけた。
カチャリと金属音が響き、ファスナーを引き降ろす。
露わになった彼の荒々しい猛りは、今すぐにでも弾け飛びそうなほど膨張し、脈打っていた。
「こんなにガチガチにして……。朝からこんなこと、会社のみんなには絶対見せられないわね?」
「っ! 由紀恵さん……そんな意地悪なこと言わないで……っ」
「ふふ、ごめんなさい。でも……本当にかわいいわ、翔太くん」
俺は上目遣いに彼を見上げながら、成熟した女の薄い唇で、その固く熱い先をそっと包み込んだ。
「ひぁっ! あ、あぁぁっ……!! 由紀恵さん……っ、口で……っ!?」
情熱的で容赦のない舌の使いに、翔太の背中が跳ねる。
大人の女としての包容力と、開発され尽くした肉体から滲み出る濃厚なテクニック。
俺が舌を絡め、吸い上げるたびに、翔太は腰を浮かせ、苦しそうな快楽の声を上げた。
「ん……む……ちゅっ……れろ……っ」
(俺に翻弄されて声を漏らす若い男のこの顔。だが、口だけで終わらせるつもりなんて、最初からないぜ)
しばらくじっくりと彼の猛りを口内で愛撫したあと、俺はジュッと音を立てて口を離した。
涎で艶やかに光る彼の質量を見つめ、そのまま己の上品なタイトスカートの裾に手をかける。
スッと、白い太ももがあらわになり、昨夜の愛撫でまだうっすらと赤みを帯びている熟れた秘肉と、そこに食い込む黒いレースのショーツが朝の光の下に晒された。
「口だけじゃ、満足できないんでしょう? 翔太くん……」
俺はスカートを腰の上まで大胆に捲り上げ、太ももを大きく開いて見せた。
「自分で、私の中に入りなさい。……好きにしていいわよ」