84ab9c94 No.2071
「くっ、いっそ…殺せ!」
目の前のむさくるしい聖騎士には、もう立ち上がる力も残っていまい。
我は手に魔力を込める。それを見た聖騎士は魔法による死を覚悟し、魔法防御を張ることもしない。いや、もうその力もないのか。
この時を待っていた。聖騎士の魔法防御は我でも突破は難しかったからな。
我が魔法が聖騎士の体中にかけめぐる。
「ぐ…ん?なんだ?体が…痛みが消えて、力が…
回復か?魔王、どういうつもりだ!情けをかけたつもりか!後悔するぞ!
あれ?声が…」
「慌てるな。この魔法は死を与える物ではない。新しい生…いや、性を与えるものだ。」
女聖騎士、騎士とは名ばかりの士気高揚のためだけの女。それゆえに戦闘力よりも見た目が重視の女だ。奴は自分の体を見下ろし、自分がその女聖騎士に魔法で変身させられたことに気づきはじめていた。そしてこれから与えられるであろう辱めにも。
「くっ、いっそ…殺せ!」
そうだ、その台詞はその姿にこそふさわしい。