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誰も気づかない。誰もおかしいと思わない日常。
清彦は教室の窓際にいた。周囲の喧騒はいつもと同じだった。なのに、どこかで何かがずれている。
「んっ…あ…」
小さな、しかし異様な声が教室の片隅から漏れた。そこにはクラスメイトの双葉がいた。普段はおとなしく目立たない彼女は机に突っ伏し、頬を紅潮させ、細い指をスカートの裾に絡ませながら、微かに身をよじっていた。
「あ…んん…」
双葉の吐息は甘く、湿った響きを帯びていた。他の生徒たちは誰も彼女を見ない教師も、まるでその音が聞こえないかのように授業を続けている。清彦だけが、凍りついたように彼女を見つめた。
おかしい。こんな行為…ありえない。
双葉の背中には芋虫のような、ぬめった光沢を放つ、太い節くれだった何か。無数の細かい足が双葉の背中に食い込み、しっかりと張り付いている。
清彦の心臓が跳ねた。なんだ、あれは?
芋虫の表面から、細い触手が何本も伸びていた。それらはまるで意思を持ったように双葉の体を這い、彼女の首筋、腰、太ももをなぞる。触手の一本がスカートの下に潜り込み、彼女の肌を愛撫するたびに、双葉の体が小さく震えた。触手の動きは滑らかで執拗で、まるで彼女の快感を的確に引き出すように計算されているようだった。双葉の唇から漏れる声は、羞恥と悦びが混ざった、甘やかな喘ぎだった。
清彦は息を呑んだ。だが周囲の誰もが平然としている。隣の席の男子はスマホをいじり、前の席の女子はノートに落書きをしている。彼女がこんな状態であることに誰も気づかない。
いや、気づいていない…のか?
清彦の頭に、奇妙な靄がかかった。双葉の背中の芋虫が清彦を「見ている」ような感覚。次の瞬間、芋虫の存在が薄れた。まるで霧が晴れるように、その姿が意識の端に溶けていく。
…なんだっけ? 何か、変なものを見た気がしたけど…清彦は首を振った。きっと気のせいだ。こんな日常で、変なことなんて起こるはずがない。
昼休み。清彦は廊下を歩いていた足を止めた。
廊下の突き当り、そこに女がいた。豊満な胸を強調するように服が張りつき、腰は細く、長い髪が背中に流れる。彼女は壁に手をつき、腰を激しく動かしていた。その動きは、まるで誰かと交わっているかのようだった。だが、彼女の前には誰もいない
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「はっ…あぁ…もっと…」
女の声はねっとりとした甘さを帯び、廊下に響く。彼女の背中には芋虫がいた。黒ずんだ体表が陽光に濡れて光る。芋虫から伸びる太い触手が、女の体を貪るように這う。一本は彼女の胸を強く揉みしだき、服の上からでもその柔らかさが伝わるほど激しく動く。もう一本は彼女のズボンの下に潜り込み、彼女の腰の動きに合わせてリズミカルに揺れる。
清彦は立ち尽くした。吐き気がする。なのに、目を逸らせない。女の動きはあまりにも官能的で、触手の愛撫は彼女の体を完全に支配しているようだった。彼女の腰が揺れるたびに、触手がさらに深く彼女を刺激し、彼女の声が一層高く淫らに響く。
だが、それ以上に清彦を凍りつかせたのは女の顔だった。
「俊明…先輩?」
その女は、記憶の中の俊明先輩だった。部のエースで、がっしりした体格と爽やかな笑顔が人気の、紛れもない男だった。なのに、今目の前にいるのは豊満な胸を持ち、女性的な曲線を描く体をした「女」。彼女——いや、彼?——は芋虫の触手に身を委ね、快楽に溺れるように腰を振っている。
清彦の頭が混乱した。俊明先輩が、女に? いや、そんなはずはない。だが、目の前の光景はあまりにも現実的で、彼女の喘ぎ声はあまりにも生々しい。
周囲の生徒たちは、誰も彼女を見ない。廊下を通り過ぎる生徒たちは、まるでそこに誰もいないかのように振る舞う。清彦だけが、異変に気づいてしまった。
芋虫が、また清彦を見た。目がないはずなのに、その気配ははっきりと彼を捉える。触手が俊明先輩の体を這う動きが一瞬だけ緩慢になり、まるで清彦に「見るな」と警告するかのようだった。
清彦の視界が揺れた。頭の中に靄がかかる。俊明先輩の姿が、芋虫の姿が、薄れていく。…なんだっけ? 何か、変なものを見た気がしたけど…首を振った。きっと気のせいだ。こんな日常で、変なことなんて起こるはずが…。
清彦の頭に声が響いた。
「やめておけ。見るな。関わるな。」
低い囁きが脳髄を這う。だが目の前の光景——俊明先輩の女性的な体が芋虫の触手に絡め取られ、快楽に蕩ける姿——は見過ごすことなどできなかった。この世界の「普通」が、どこかで壊れている。その確信が彼を突き動かした。
「先輩…!」
清彦は一歩踏み出し、俊明先輩の背中に張り付く芋虫に手を伸ばした。ぬめった体表は冷たく、粘液が指先に絡みつく。気持ち悪い。だが、引くわけにはいかない。両手で芋虫を掴み、力を込めて引き剥がそうとした。芋虫が激しく抵抗し、無数の細かい足が先輩の肌に食い込む。清彦は渾身の力で引っ張った。
その瞬間、俊明先輩の体が大きく震え、耳をつんざく嬌声が廊下に響いた。
「ああああっ…!」
先輩の声は、快楽と苦痛が溶け合った、獣のような叫びだった。彼女——いや、彼?——の体がガクガクと痙攣し、膝から崩れ落ちる。芋虫が先輩の背中から完全に離れた瞬間、先輩は意識を失った。清彦の手の中で、芋虫が狂ったように暴れ、無数の足が空を掻き、粘液が飛び散る
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「離せ…!」
清彦が芋虫を床に叩きつけようとした瞬間、触手が動いた。蛇のように素早く、清彦の腕に巻きつき強烈な力で締め上げる。もう一本が足首を絡め、彼の体を床に引き倒した。触手の力は人間のそれを遥かに超え縛られ身動きが取れない。恐怖が清彦を襲う。こんな力…人間じゃ勝てない…。
触手は清彦を床に押さえつけ、まるで獲物を吟味するように彼の体を這い始めた。冷たくぬめった感触が、制服の上から肌を撫でる。触手の一本が、清彦の胸元に滑り込んだ。服の隙間から侵入し、直接肌に触れる。清彦の心臓が跳ねた。
「やめ…何だよ、これ…!」
触手の動きは、まるで生き物の欲望を宿しているかのようだった。ゆっくりと、執拗に、清彦の胸をなぞる。服の上からでも、その動きは異様に生々しい。触手が円を描くように胸を撫で、時折先端で軽く突く。清彦の体が、意に反して震えた。気持ち悪い。なのに、なぜかその感触が、甘く危険な疼きを呼び起こす。
触手がさらに大胆に動いた。制服のボタンを押し広げ、冷たい粘液をまといながら直接肌に吸い付く。触手の先端が、清彦の胸の頂を執拗に擦り、まるでその感触を味わうようにゆっくりと円を描く。清彦の息が乱れた。触手が胸を掴み、柔らかく、しかし力強く揉みしだく。まるでそこが最も敏感な部分であるかのように、触手の動きは的確で、容赦なかった。触手が胸を引っ張るように圧迫し、先端で軽く摘むたびに、鋭い快感が清彦の背筋を突き抜ける。
「う…っ…!」
清彦は声を漏らし、慌てて唇を噛んだ。なんだ、この感覚? 触手の愛撫はねっとりと、まるで清彦の体の奥底を探るように執拗だった。触手が胸全体を包み込むように這い、柔らかな肉を揉みしだく。粘液が肌に塗り込まれ、冷たい感触が熱い疼きに変わる。触手がさらに強く胸を掴み、まるでその形を確かめるように、ゆっくりと、しかし貪欲に愛撫を続けた。清彦の体が、意に反して熱を帯びていく。こんなの…おかしいだろ…!
「こいつ…男も襲うのか…?」
恐怖と混乱が清彦の頭を支配した。だが、それ以上に、彼を震撼させたのは体の異変だった。触手の愛撫が、なぜか異様に「合う」。胸を揉まれる感覚が、まるでそこが女性的な柔らかさを持っているかのように、鋭く響く。触手がさらに深く這い、胸の頂を執拗に擦り、軽く押し込む。清彦の体が、熱く、疼く。気持ち悪いはずなのに、体の奥が甘く蕩けるような感覚に囚われる。
さらに、別の触手が清彦のズボンの裾から侵入してきた。冷たい感触が太ももを這い上がり、股間に到達する。清彦の体が硬直した。触手が、まるでその部分の秘密を探るように、ゆっくりと撫で始めた、柔らかく、しかし執拗に。触手の先端が、股間の最も敏感な部分を擦り、軽く押し込む。清彦は息を止めた。気持ち悪い。なのに、なぜかその愛撫が、異様に、危険なほど気持ち良い。
「う…あ…っ…!」
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触手の動きは、まるで清彦の反応を愉しむように、緩急をつけて続いた。触手が股間を包み込むように這い、柔らかく、しかし的確に擦り続ける。粘液が肌に塗り込まれ、冷たい感触が熱い快感に変わる。触手の先端が、まるでその部分の形を確かめるように、軽く押し込み、円を描く。快感が波のように押し寄せる。清彦の体が、意に反して震えた。触手がさらに大胆に動く。股間の敏感な部分を執拗に撫で、擦り、まるでそこが快楽の中心であるかのように刺激を続ける。清彦の息が、喘ぎに変わる。
「や…め…っ…!」
清彦は叫んだ。だが、その声は、どこか甘さを帯び、快楽に抗えない響きを宿していた。
清彦の体は触手の執拗な愛撫に支配されていた。冷たくぬめった触手が胸を揉みしだき、股間の敏感な部分をねっとりと撫で続ける。快感が波のように押し寄せ、清彦の意識を塗りつぶす。気持ち悪いはずなのに、体の奥が熱く疼き、甘い喘ぎが唇から漏れる。触手の動きはあまりにも的確で、まるで清彦の体の真実を知っているかのようだった。なのに、男としての反応——勃起——がない。その違和感が、恐怖と快楽の狭間で彼を苛む。
「う…あ…っ…!」
触手が股間を包み込むように這い、柔らかく、しかし執拗に擦る。粘液が肌に塗り込まれ、冷たい感触が熱い快感に変わる。触手の先端が、まるでその部分の輪郭をなぞるように濡れた花びらを撫でる。快感が全身を突き抜け、清彦の体が震える。胸を揉まれる感覚、股間を撫でられる感覚——すべてが、まるでそこが女性的な柔らかさを持っているかのように、鋭く響く。嫌なのに、興奮が抑えられない。体の奥が、甘く、危険に蕩ける。
そして、その瞬間が来た。
触手が股間の最も敏感な部分を執拗に擦り、胸を強く揉みしだく。快感が一気に頂点へと押し上げられ、清彦の体が弓なりに反る。紅潮した頬、乱れた息、震える唇。全身が熱く、まるで溶けるように快楽に飲み込まれる。清彦の意識が白く染まり、甘い喘ぎが廊下に響く。
「あ…ああっ…!」
絶頂の波が、清彦の体を貫いた。触手の愛撫は止まらず、快感の余韻を執拗に引き延ばす。清彦の体がガクガクと震え、膝が崩れそうになる。粘液にまみれた肌が、熱く、敏感に疼く。気持ち悪いはずの触手が、なぜか彼の体を完全に支配していた。嫌なのに、体の奥がまだ疼いている。清彦は息を荒げ、混乱と羞恥に苛まれた。
その時、頭の中に再び声が響いた。
「力が欲しいか?このままでは、触手に犯されるぞ。」
清彦の目が見開かれた。触手の愛撫はまだ続いている。まるでさらに深く彼を侵そうとしているかのようだ。恐怖が胸を突き刺す。犯される? そんなの、絶対に嫌だ!
「力…貸してくれ…! 今だけでいい…!」
清彦は叫んだ。触手の愛撫に抗いながら、必死に声を絞り出す。その瞬間、背中に異様な感覚が走った。清彦の背中から突然、触手が伸びた。白く太い触手。俊明先輩を襲っていた芋虫のものとは異なる。
その触手は、驚くべき速さで動いた。清彦を拘束し愛撫していた芋虫の触手を絡め取り、引きちぎる。芋虫が甲高い悲鳴を上げ、床に叩きつけられる。清彦を襲っていた芋虫が八つ裂きにされ粘液と断片が飛び散る。清彦は呆然とその光景を見つめた。
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「これはオレのだ。」
清彦は手を伸ばし、震える指で背中に触れた。そこには、ぬめった、節くれだった何かがあった。俊明先輩や双葉の背中にいたものと同じ、芋虫エイリアン。
「な…んだ、これ…?」
清彦の声が震えた。だが、それ以上に、彼を震撼させたのは、体の異変だった。触手の愛撫が引き起こした快感の余韻が、まだ芯に残っている。胸を揉まれた感覚、股間を撫でられた感覚——それらが、まるで女性的な体にしか起こりえないものだと、ようやく気づき始めた。清彦は恐る恐る手を胸に這わせた。そこには、男のものではない、柔らかく、丸みを帯びた膨らみがあった。服の下で、触手の愛撫に反応して敏感になった肌が、熱く疼く。
「俺…女に…?」
清彦の頭が混乱した。平凡な男子学生、なのに体の感覚がそれを否定する。股間の愛撫がなぜあんなに気持ち良かったのか。胸を揉まれた感覚が、なぜあんなに鋭かったのか。触手の愛撫が引き起こした絶頂の記憶が、ねっとりと彼の意識に絡みつく。清彦は自分の体を確かめるように、震える手で股間に触れた。そこには、男のものではない、柔らかく、敏感な部分があった。触手の愛撫が、その部分を執拗に刺激した感触が、鮮明に蘇る。清彦の体が、意に反して震えた。
清彦は気づいていなかった。ずっと前から彼の背中に芋虫エイリアンが寄生していたこと。ずっと前から彼の体は女体化していたこと。認識阻害の力で、彼は男として日常を過ごしていた。誰も気づかず、清彦自身も気づかず、ただ「普通」の日常を繰り返してきた。
清彦は震えた。恐怖となぜか抑えきれない興奮が混ざり合う。その体が感じた快感が、あまりにもリアルで、あまりにも甘美だったから。清彦は唇を噛み混乱を押し殺した。
「…先輩…!」
清彦は我に返り、床に倒れている俊明先輩に目を向けた。意識はまだ戻っていないが、息はしている。清彦は立ち上がり、先輩の体を抱き上げようとした。だが、力が入らない。触手の愛撫と絶頂の余韻で膝が震える。
その時、清彦の背中から伸びた触手が、まるで彼の意志を汲むように、先輩の体を優しく支えた。触手の力は驚くほど強く、俊明先輩の体を軽々と持ち上げる。清彦は一瞬怯んだが、
「保健室…連れて行く…!」
保健室のベッドにそっと先輩を横たえた。先輩の胸が微かに上下し、命に別状はないようだった。清彦は安堵の息をつき額の汗を拭った。
保健室の静寂が清彦の意識を自分の体へと引き戻した。清彦の視線が、ゆっくりと自分の体に落ちた。
「…俺の、体…」
震える手で、制服のシャツの裾を掴んだ。ためらいながらも、ゆっくりとシャツをめくり上げる。現れたのは、男のものではない、柔らかく丸みを帯びた胸だった。ささやかだが、確かにそこにある膨らみ。肌は滑らかで、触手の愛撫に反応してわずかに紅潮している。清彦の指が、恐る恐るその胸に触れた。柔らかい感触が、指先に伝わる。触手の愛撫が引き起こした快感の記憶が、ねっとりと蘇る。胸の頂を擦られた感覚、揉みしだかれた感覚——それらが、まるでこの体が女性的なものである証拠のように鋭く響く。
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清彦の息が乱れた。さらに手を下げ、ズボンのファスナーを震える指で開ける。ズボンを下ろし、股間に目を落とした瞬間、頭がクラクラした。そこには、男の象徴であるはずのものがなかった。代わりに、滑らかで、ツルツルとした、女性的な輪郭の股間が広がっている。触手の愛撫が、なぜあんなに気持ち良かったのか。その理由が、目の前の現実として突きつけられた。
「俺…女…?」
清彦の体が震えた。ささやかな胸、ツルツルな股間——この体は、紛れもなく女のものだった。記憶の中の「男」の日常が、目の前の体がそれを否定する。
その時、頭の中に断片的な記憶が蘇り始めた。認識阻害の霧がゆっくり晴れるように記憶の扉を開いていく。
それは一年前の夏の夜だった。清彦はベッドで深い眠りに落ちていた。奇妙な気配が彼の体に忍び寄った。背中に、冷たくぬめった何かが這う感覚。芋虫エイリアンが、清彦の背中に張り付いた瞬間だった。
芋虫は静かに、しかし確実にその力を発揮し始めた。芋虫から細い触手が無数に伸び、清彦の体を這う。触手はまるで意思を持ったように、滑らかに、執拗に動いた。それらは清彦の体にセパレートビキニのような形を作り上げた。胸を覆う二つの三角形の触手パーツ、股間を包み込むもう一つのパーツ。股間の触手は、清彦の男性器を完全に覆い、まるでそれを封印するように密着した。触手の表面は金色のぬめった光沢を放ち、まるで生きている下着のように清彦の肌に吸い付く。
触手ビキニの裏側には、細かい突起が無数に蠢いていた。繊毛のように柔らかく執拗に動く突起が清彦の肌を愛撫し始めた。胸の突起は、ささやかな膨らみをなぞり、愛おしむように擦る。股間の突起は、チンコを包み込んだ部分を軽く押し込み、まるでその感度を確かめるように動く。突起の動きはねっとりと、まるで清彦の体を味わうように緩慢だった。粘液が肌に塗り込まれ、冷たい感触が熱い快感に変わる。
清彦は異変に目を覚まし身悶えた。体が意に反して震え、甘い喘ぎが唇から漏れる。触手ビキニの繊毛突起が、胸の頂を執拗に擦り、軽く摘むように動くたびに、鋭い快感が背筋を走る。股間の突起が、チンコを包み込んだ部分を撫で愛撫する快感が、まるで体の奥から湧き上がるように清彦を飲み込む。体が弓なりに反り、汗と粘液にまみれた肌が熱く疼く。なのに、認識阻害の力によって清彦はその快感を「夢」だと変換した。
その日から、触手ビキニは清彦の体を変え始めた。繊毛突起の愛撫が、体の細胞を書き換えるように、ゆっくりと女体化を進めた。胸を覆う触手パーツの下で、ささやかな膨らみが形成されていく。突起がその膨らみを揉みしだき、執拗に擦るたびに、胸が敏感になり、女性的な形に整えられていく。股間の触手パーツは、チンコを包み込んだまま、その部分を徐々に変形させた。突起が執拗に撫で、押し込むたびに、男性的な器官が縮小し、滑らかで女性的な輪郭に変わっていく。粘液が肌に染み込み、体の奥を女性的な構造へと作り変える。
清彦は気づかなかった。認識阻害の力によって触手ビキニを「普通の下着」だと思い込んでいた。朝、目を覚ますと胸を覆う触手パーツを不自然に思わない、股間の触手パーツはパンツだと思っていた。鏡を見ても体の変化に疑問を抱かなかった。ささやかな胸の膨らみ、滑らかな股間——それらが、まるでずっと前からそうだったかのように意識に溶け込んでいた。
だが、触手ビキニの愛撫は止まなかった。学校の授業中、友達と話している時、夜のベッドの中——どんな時も、繊毛突起が清彦の体を愛撫し続けた。胸を撫で、股間を擦り、まるで体の女性的な部分を育てるように、執拗に刺激する。清彦の体が意に反して熱くなり快感に震える。なのに、彼はそれを「普通の体の反応」だと信じていた。
数日後、触手ビキニはさらに進化した。芋虫から新たな触手が伸び、清彦の体を覆い始めた。胸と股間を覆っていたセパレートビキニが、まるで生き物のように成長し、全身を包むタイツのような形に変わった。頭部を除くすべての肌を、白くぬめった触手が覆う。触手タイツの内側には繊毛突起が無数に蠢き、清彦の全身を愛撫し始めた。
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全身触手タイツの裏側突起は、胸、股間、腹、太もも、背中——あらゆる部分を執拗に愛撫する。胸の突起はすでに女性的な形に育った膨らみを揉みしだき、頂を執拗に擦る。股間の突起は完全に女性的な輪郭に変わった部分を撫で、深部を探るように刺激する。腹や太ももの突起は、肌をなぞり、まるで全身を快楽の海に沈めるように動く。粘液が全身に塗り込まれ、冷たい感触が熱い快感に変わる。
清彦は身悶えた。体がガクガクと震え、甘い喘ぎが唇から漏れる。触手タイツの愛撫は、まるで清彦の体のすべての神経を支配するように、執拗だった。快感が波のように押し寄せ全身を突き抜ける。清彦の体が弓なりに反り、汗と粘液にまみれた肌が熱く疼く。なのに認識阻害の力によって、彼はその異常さに疑問を抱かなかった。触手タイツを「普通の服」だと思い、快感を「体の自然な反応」だと信じていた。
そしてある夜、触手タイツが清彦の体からはがれた。まるで役目を終えたかのように、蛹から蝶が生まれるように、背中の芋虫だけが残った。清彦の体は完全にメス化していた。胸の膨らみ、滑らかな股間、柔らかな肌——それらが、まるで最初からそうだったかのように、自然にそこにあった。だが認識阻害の力によって、清彦は自分の体を「普通の男の体」だと思い込み日常を過ごし続けた。
「芋虫エイリアンは、女性を狙う」
頭の中に響く声が、その真実を告げた。
「繁殖のためだ。オレたちはオスしかいない。だから、女を苗床にする。だが、まれに男にも寄生する。その時は…男をメスに変える。」
清彦の体が凍りついた。胸が、股間が、触手の愛撫の記憶で疼く。女体化された体が、まるで芋虫の所有物であるかのように敏感に反応する。
「お前は、オレの苗床だ。」
はっきりと告げられる。清彦は戦慄した。自分の体を繁殖のための道具として作り上げられていたこと。記憶の中で男として過ごした日常が、すべて認識阻害の幻だったこと。
保健室の静寂が、清彦の意識をさらに深く自分の体へと引きずり込んだ。認識阻害の霧が薄れ、隠されていた記憶が次々と蘇る。
それは、学校の男子トイレ。清彦はいつものように立ちションしようと、ズボンを下ろし股間に手をやった。だが、その時、違和感があった。いつもならチンコを握って尿を放つはずなのに、手に触れたのは、滑らかでツルツルとした女性的な輪郭だった。清彦は一瞬困惑したが、認識阻害の力によってその違和感をすぐに忘れた。
「…あれ?」
尿を放とうとした瞬間、股間から温かい液体が流れ出した。だが、それはチンコからではなく体の奥、女性的な部分から溢れ出ていた。清彦の太ももを伝い、床に滴る。ねっとりと液体が肌を濡らす。清彦は慌てて拭き取った。股間の滑らかな感触、尿が流れ出る感覚——なのに、認識阻害の力は、その記憶をすぐに曖昧にした。清彦は「失敗しただけ」と自分を納得させた。だが、今その記憶が鮮明に蘇る。チンコだと思っていたものは存在せず、あの温かい液体はマンコから流れ出ていた。清彦の体が羞恥に震えた。
それは夜、清彦がベッドに横たわり男としてチンコを握り、快感を追い求める自慰——そう思っていた。だが手が握っていたのは、チンコではなかった。背中の芋虫から伸びた触手だった。ぬめった冷たい触手が、清彦の手を絡め取り、まるで彼の動きを導くように動いていた。清彦が「しごいている」と思っていた間、別の触手が、股間の女性的な部分を執拗に愛撫していた。触手の先端が、濡れた花弁をなぞり、ねっとりと、まるでその部分の感度を確かめるように、触手が深く入り込み刺激を続ける。清彦の体が、意に反して熱くなり、甘い喘ぎが唇から漏れる。
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「う…っ…!」
触手の愛撫は、まるで清彦の体の奥底を探るように、執拗だった。股間の敏感な部分を撫で、擦り、まるで快楽の中心を的確に捉えるように動く。もう一本の触手が、胸に這い、ささやかな膨らみを揉みしだく。触手の粘液が肌に塗り込まれ、冷たい感触が熱い快感に変わる。清彦の体が、弓なりに反り、快感が全身を突き抜ける。官能的な波が、彼の意識を塗りつぶす。
だが、最も衝撃的な記憶は「射精」の瞬間だった。清彦は、快感の頂点で白い液体を放つ感覚を覚えていた。男としての、当然の反応だと思っていた。だが、それは錯覚だった。触手が清彦の女性的な股間に太い触手を挿入し深く侵入していた。触手の先端が体の奥を突き、ねっとりと、まるで清彦の体を味わうように動く。清彦の体が、ガクガクと震え、快感に飲み込まれる。触手が体の奥に熱い液体を注ぎ込む——それは、芋虫エイリアンの中出しだった。
清彦の記憶の中でその感覚が鮮明に蘇る。触手の太い感触が、体の奥を満たす。ねっとりと、まるで清彦の体を自分のものと主張するように、触手が動く。熱い液体が、体の奥に流れ込む感覚。清彦の体が、意に反して震え快感に蕩ける。なのに、認識阻害の力によってそれを「射精」だと信じていた。羞恥と恐怖が清彦の胸を締め付ける。
さらに、記憶は続く。学校の教室、屋外の公園、電車の中——清彦が「普通」に過ごしていた日常の中で、芋虫の触手は彼(彼女)を犯し続けていた。感覚遮断の力によって、清彦はそれに気づかなかった。授業中に、触手が股間を撫で、胸を揉みしだく。電車の中で、触手が太い感触で清彦を貫き、熱い液体を注ぎ込む。清彦の体が、意に反して震え、快感に蕩ける。なのに、周囲の誰も気づかず、清彦自身も気づかず、ただ「普通」の日常を繰り返していた。
「俺…こんな目に…」
清彦はそのすべての記憶を思い出した。触手ビキニの愛撫、触手タイツの全身愛撫、女体化——それらが、ねっとりと、まるで体に絡みつくように脳裏に蘇る。清彦の体が震えた。羞恥がまるで熱い鉄のように胸を焦がし、顔が紅潮する。自分の体がこんなにも長い間、芋虫エイリアンの玩具だったこと。男だと思っていた自分が、すでに女体化され、苗床として作り変えられていたこと。恐怖と、なぜか抑えきれない快感の余韻が、甘く、危険に疼く。
羞恥と恐怖が胸を締め付ける。だが、それ以上に彼を苛むのは受け入れがたい現状と、果てしない前途への不安だった。
「俺…どうなるんだ…?」
まず、元の男の体に戻れるのか?科学的に、生物学的に、元に戻る方法はあるのか? 芋虫を剥がせば、元の体に戻れるのか? それとも、この体は永遠に「女」として固定されてしまったのか? 清彦の知識で答えは出ない。
次に敵エイリアンの数と規模。双葉の背中にいた芋虫、俊明先輩を襲った芋虫、そして清彦自身に寄生している芋虫。学校中に、町中に、世界中に、どれだけの芋虫エイリアンが潜んでいるのか? 認識阻害の力によって、誰もその存在に気づかない。その規模を想像すると、背筋が凍る。清彦一人で、こんな敵に立ち向かえるのか?
そして、なぜ自分だけ認識阻害が解けたのか。
最後に、背中の芋虫の動機。なぜコイツは味方をしたのか?芋虫エイリアンは、繁殖のために人間を苗床にする存在だ。清彦を女体化させたのも、その目的のはず。なのに、その真意は、まったくわからない。
「くそ…全部、謎だらけじゃん…」
清彦は唇を噛み、拳を握りしめた。考えるほど、頭が混乱する。現状を受け入れることも、未来を見据えることも、できない。なのに、体の奥に残る快感の余韻が、甘く、危険に疼く。清彦はそれを振り払うように首を振った。
その時、頭の中に声が響いた。
「敵の方から来てくれたぞ。」
「戦う準備はいいか、清彦?」
声には、どこか嘲笑うような響きがあった。清彦は息を呑み、保健室の扉に目を向けた。遠く、廊下の奥から、微かな気配が近づいてくる。ぬめった、蠢くような、異様な気配。清彦の心臓が跳ねる。考える暇はない。謎解きは後回しだ
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「仕方ない…今は、やれるだけのことをやるしかない!」
清彦は声を絞り出し、背中の芋虫に問いかけた。
「力を貸してくれるんだろうな?」
清彦は拳を握りしめ、戦う決意を固めた。謎だらけの状況でも、今は前に進むしかない。
「これが戦闘フォームだ。」
次の瞬間、清彦の背中が熱く疼いた。まるで何かが爆発するように、芋虫から無数の触手が一気に伸び、清彦の全身を包み込んだ。触手は白くぬめった光沢を放ちながら、まるで生きている布のように清彦の体を覆っていく。その動きは滑らかで、まるで彼の体を愛でるように、執拗に這う。
触手は、清彦の体に沿って形を変えた。胸、腰、太ももを包み込み、まるで女性のドレスのように変化していく。裾は膝下まで伸び、肩には細やかな触手の装飾が花のように広がる。ウエストは絞られ、胸元はささやかな膨らみを強調するようにフィットする。下着からドレスまで、一体型の触手でできた戦闘フォーム。表面は硬質で、まるで甲殻のような光沢を放ち、攻撃を弾く鎧のようだった。だが、内側はまったく異なる。
「…なんだ、これ…?」
清彦は息を呑んだ。男なのに、ドレス。鏡があれば、自分の姿に愕然としただろう。記憶の中の自分——平凡な男子学生——には、こんな姿はありえない。なのに体の感覚が、それを否定する。ささやかな胸の膨らみ、滑らかな股間。女体化されたこの体には、なぜかこのドレスが「似合う」。清彦の頭が混乱した。
「いや…でも、今は女の体なんだから…いい、のか…?」
変な納得が、胸の奥で芽生える。男としてのプライドと、女体としての現実がせめぎ合う。羞恥と戸惑いが顔を紅潮させる。清彦は唇を噛み、自分を奮い立たせた。
触手ドレスの内側が、動き始めた。ドレスの裏側には、繊毛のような細かな触手が無数に蠢いていた。柔らかく、しかし執拗に動く繊毛が、清彦の肌を愛撫し始める。胸の繊毛は膨らみをなぞり知り尽くしたように擦る。頂を軽く突くたびに、鋭い快感が背筋を走る。股間の繊毛は、滑らかな女性的な部分を撫で、その感度を確かめるように、緩慢に動く。腹、太もも、背中の繊毛は、肌を這い、まるで全身を快楽の海に沈めるように刺激する。
「う…っ…!」
清彦はわずかに身悶えた。唇から漏れる甘い吐息を、慌てて噛み殺す。気持ち悪いはずなのに、触手ドレスの愛撫が、なぜか彼を強くする。ドレスの硬質な表面が、敵の攻撃を弾く鎧であると同時に、内側の繊毛が、彼の体を戦士として覚醒させるかのようだった。
「これなら…戦える…のか?」
敵エイリアンが、そこまで迫っていた。
清彦は拳を握り、触手ドレスに身を委ねた。男としての自分、女体化された自分——すべての葛藤を、今は脇に置く。戦う準備は整っていた。