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[R] No.1537
それは知ってる。オレも泊りがけで、天体観測には付き合ったことがあるから。あの浄土ナントカで見た流星群は凄かった。
「浄土平な。」 なんかこだわりがあるらしい。「あれ?清彦?」 そう話しかけられたのは、とある3流国立大学(いわゆる駅弁大学って奴ね)のキャンバスでのこと。TSして女の子になって6年は経ったとはいえ、男を作るつもりは無かったが、それが、同郷の、嘗ての親友とも呼べる敏明ともなれば話は別だった。 「うちの母ちゃん、乳癌で余命宣告受けちゃってさあ。余命1年だって。」と、告白(?)されたのが、大学を卒業してから4年後の事。 「孫の顔は無理でも、嫁の顔くらい見せてやりたいから、俺と契約結婚してくれねえ?俺は清彦が『男となんて子作りしたくない!!』って言ってたのは知ってるけど、他にこんな事頼める奴いなくて。」 「お前なら、他に頼める女の子、いるんじゃない?」 敏明は、俺と違って優秀だった。大学のそばに工場がある有名な自動車会社の研究部署で、今は係長だ。いずれは部長、もしくは、専務や常務になるのでは?と言われている。実家のなんでもない弁当屋で、ただの売り子をしているオレとは大違いだ。 「いや、そんなことないって。俺って休みの日は魚釣りや天体観測って趣味三昧で、女の子と出会う機会なんて無くてさ。」 「頼むよ。」 |
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[R] No.1538
そう頼まれちゃうと、オレとしても断るのは心苦しい。敏明の母ちゃんは、うちの弁当屋の常連さんなのだ。「あら~。近江屋さんとこに可愛い店員さんがいると思ったら清ちゃんだったんだねえ。前から(男だった頃から)可愛いと思ってたけど、そうだった(女の子だった)んっけ。」とか言われてたのだ。最近お店に来ないからどうしたんだろうとは思ってた。
「分かったよ。いいよ、やってやるよ。」 「おお、流石。そう言ってくれると思ったぜ。」 「でも、いいのか?オレとお前じゃ、『母ちゃんが死ぬまでの契約で、母ちゃんが死んだから離婚です。』とはいかないだろ。」 「えっ!?そうなん!?」 「そうだよ。当たり前だろ。周りがオレ達のこと誰も知らないんならともかく、みんな知ってるんだし。それに、お前だって大学の頃から、オレのおっぱいをチラチラ見てたの知ってるんだからな。お前だって性欲あるんだろ?」 「そりゃあ、あるけど……。」 「結婚してたら、なんかの拍子でってこともあるかもしれないし。それで、間違って妊娠しちゃって、ソレが分かったうえで離婚とかされたら堪らんぜ。」 「そうなのか……。」 「あたりまえだろ。それにオレだって……ゴニョゴニョ……。」 |
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[R] No.1539
その後、若葉さん(敏明の母ちゃん)は「孫の顔が見られるまでは死ねん。」と余命宣告までされた乳癌を克服してしまったので、仕方なくオレ達は子作りに専念、結婚から10ケ月後、見事に女の子を授かったのでした。誰だ!ハネムーンベビーだなんて言ってる奴は。 |